今日、三重県明和町にある河田フェザー株式会社を訪問しました。
失礼ながら、あまり予備知識がない状態でおうかがいしたのですが、ここは羽毛専門の加工企業として、日本最大規模の工場であることを初めて知りました。
言うまでもなく、羽毛とは「羽毛布団」とか「ダウンコート」などに使われる水鳥の羽根のことです。しかし、原料としての「鳥の羽根」が、ダウンやフェザーといった中間商品になるためには、ほこりや泥を落とし、洗浄して完全に汚れを取り去り、よく乾燥して、部位や羽毛の性質ごとに分別し、さらにそれを布団やコートなどの原料になるようレシピに沿ってブレンドする、という多くの工程が必要です。
河田フェザーは昭和50年代から羽毛の加工に取り組んでいる、我が国の羽毛業界の草分け的な企業であり、ヨーロッパなど外国での羽毛の仕入から、除塵→洗濯→乾燥→冷却除塵→選別という加工を、自社で編み出した独自製法と、それを実現するために自社開発した装置機器を使って、ほぼ自動化された工程で行っています。
完成した羽毛は、原料としてアパレルメーカーに出荷されるほか、同じ敷地にある関連会社で羽毛布団に加工されています。
会社の方のお話しでは、羽毛精製処理能力:平均7.5トン/日、羽毛布団生産枚数 平均150枚/時間という生産規模は日本最大といってよく、その高い品質は、最近市場でよく目にする中国製の羽毛とは天地ほどの差があり、絶対の自信を持っているとのこと。中国市場でも、富裕層向けの高級品は同社の製品が多いそうです。
ただ、近年はヨーロッパでも羽毛の生産量が減少しているほか、新興国の需要が高まって、国際価格の高騰や羽毛の品薄が問題となっているとのこと。この点は気になるところです。
ところで、同社の工場は明和町に立地しています。
明和町は松阪牛で有名な松阪市と伊勢市の中間に位置しており、最近では古代の遺跡である斎宮(さいくう)跡から、平安時代のものと思われる「いろは」のひらがな文字が書かれた土器の破片が出土したことで一躍脚光を浴びていますが、あたりは一面に田んぼが広がり、全く農村といった趣です。
この地に来た理由は、ここの地下深くを大台山系からの伏流水が流れており、繊細な羽毛を洗浄する水として最適の水質であったためと、羽毛は湿気があると丸まって洗浄しにくいため、前工程としてよく乾燥させる必要があるが、明和町は三重県内でも降水量が少なく乾燥工程に適した気候だから、という理由だったそうです。
そう言えば、明和町近辺は「伊勢たくわん」(大根漬け)や、「伊勢ひじき」の産地であり、いずれも乾燥という工程が重要な産品です。しかもすぐ近くには酒造業者もあって、これも水質が良いことの証左と言えそうです。
三重の隠れたナンバーワン企業を知り、何だか得した気分になった一日でした。
■河田フェザー株式会社 http://kwd.jp/index.html
0 コメント:
コメントを投稿