2009年8月15日土曜日

不況でも売れてます「萬来鍋」編


 中日新聞の経済面に「不況・・でも売れてます」という連載があります。
 今日(8月15日)は、四日市市にあるミナミ産業株式会社の、豆腐作り専用土鍋「萬来鍋」(ばんらいなべ)が取り上げられています。

 もともと同社は、豆腐製造機械を作る機械メーカーでした。しかし主な顧客である町の小さな豆腐屋さんがスーパーの進出などで次々閉店してしまい、新たなマーケットを開拓する必要に迫られていました。

 そこで社長が考えたのが、四日市特産の万古焼を使い、豆乳とニガリを注いで加熱すれば豆腐ができるという鍋の開発と、それを外食産業、それも日本食ブームであったアメリカなどへ輸出しようという計画です。

 平成15年ごろのことだったと思いますが、ミナミ産業は県の補助金を活用して萬来鍋の開発をしており、その時、はんわしも社長にお目にかかったことがあったのですが、素晴らしい日本の食である「豆腐」を、地元の万古焼を使って世界に発信するのだ、と熱く語ってくれたことを今でも思い出します。

 その後、展示会などで何度もお目にかかっていますが、海外へ商談に出かけたりして非常にご多忙な様子でした。
 今日の新聞記事によれば、鍋と豆乳など海外での売上高は1億円を越え、昨年の3倍の伸びとのこと。タイトルにもあるように、不況だからすべての企業がダメなのではなく、このような状況の中でも売り上げが増えている企業もあるという「まだら模様」の現実はよく認識しておく必要がありそうです。
 興味深いのは、海外飛躍のきっかけは、数年前からブレークしていた欧米での日本食ブームであり、日本食レストラン向けの輸出であったものの、その後は日本食の固定概念を越えた、新しい「豆腐」の食べ方の提案に軸足を移して成功した、という点です。

 日本人には想像も付かない、メープルシロップをかけたスイーツ感覚の豆腐、牛乳とクリームを混ぜたお菓子感覚の豆腐、など、外国人が関心を持つメニューを開発して、まず豆腐を売り込み、次に鍋を売り込む、という戦略が見事に成功しているのです。

 自動車や家電のような工業製品の輸出は曲がり角に来ているものの、日本にとって加工輸出が重要な経済活動であることには変わりがありません。最近では工業製品に続けとばかりに、果物やコメなど農産物の輸出も大々的に始まっていますが、採算面も含めビジネスとしての成功を収めている例はまだ少ないようです。
 これには、りんごならりんごそのもので勝負するのでなく、りんごを使った新しいメニュー提案のような努力が不足しているという面もあるのかもしれません。また、そもそも自社の製品や産品が外国の消費者に受け入れるのかどうかわからないという理由で輸出という選択肢すら検討していない地域や企業もたくさんあることと思います。
 そのような現状を打開するのに、ミナミ産業の成功は大きな示唆を与えていると感じます。

 ミナミ産業ホームページ → http://www.minamisangyo.com/
.

0 件のコメント: