2009年9月8日火曜日

交通インフラは作り過ぎ

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 高速道路がタダになるようです。三重県にはすでに「無料のほぼ高速道路」である、国道25号自動車専用道路、いわゆる名阪国道がありますから、あれが無料高速のイメージに近いのかもわかりません。
 
 不思議なのは、高速道路は高度成長時代、東名高速、名神高速を作ったときから、建設費を償還するまでは便宜的に通行料金を取るけれど、あくまでも将来は無料化する(つまり、名阪国道と同様の自動車専用国道になる)予定で作られているはずなのに、いつのまにか料金プール制度というシステムができて、償還が終わっても料金は取り続けられ、その料金は他の高速道路の建設に充てられる、という利権システムが既成事実になって定着してしまっていることです。これってやはり理屈から考えておかしいのではないでしょうか?

 紀勢自動車道でもそう感じますが、確かに高速の通行量は事前予測より多いらしいのですが、その分、並走している国道42号の通行量は明らかに横這いか、時間帯によっては減っています。紀勢道もめちゃめちゃ渋滞しているとは聞かないし、逆に国道は渋滞もなくなり、走行がスムーズになり、ドライバーのイライラも、CO2も削減されているであろうと考えられます。
 別に、自動車専用道路でいいじゃないですか。

 それよりも、一番問題だと思うのは、高速道路が1000円になっただけで東海道新幹線も旅客が減り、フェリーボートなどに至ってはお客が半減、激減していることです。これは、高速道路は未来永劫有料であり、通行台数は一定量以上は決して増えないという前提で、いわば道路と鉄道、船が、実際の交通需要よりもはるかに多いキャパシティで別々に建設され、運行されている、ということの証左になります。地域のよっては飛行機がさらにこれに加わります。つまり、そもそも日本に道路は作り過ぎだったのです。

 これも東紀州の例になりますが、JR紀勢本線は単線で非電化の路線ですが、それでも現在の2時間に1本というダイヤは潜在的な輸送能力の半分くらいしかないと思われます。実際に昭和47年の時刻表を見ると、普通列車と急行列車が1時間おきに交代で走っており、一日15往復くらいのダイヤ編成になっています。これは旅客列車だけで、このほかに貨物列車も走っていました。
 今となっては仮説にしかなりませんが、もしJR紀勢本線を関西本線並みに30分間隔のダイヤにし、ついでに特急を無料化して快速列車にし、貨物列車もモーダルシフトを進めてコンテナ化すれば、そもそも道路を増強する必要があったのか、ずっとうんとコストは安かったのではないか、という疑問もわきます。

 日本は縦割り社会なのは間違いないのですが、地域にあるインフラを組み合わせて活用する発想すらなかったのは、やはり「成長神話」とか、「物質信仰」みたいなものが我々の潜在意識に強く働いていたせいなのかもしれません。後世の人にはきっと理解しがたいことでしょう。
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