2009年9月10日木曜日

自民党を笑えるか?

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 自民党が迷走しています。総理大臣の指名を誰にするか、総裁を誰にするのか。壊滅した支持基盤をどう修復し、党勢を立て直すのか。世代交代をどうやって進めるのか。

 かつては権勢並ぶものもない威勢を誇った政権党が、いったん野党に転落すると決まったら、これほど簡単に零落してしまうのか、という感慨を持つ方は多いことでしょう。マスコミ報道も政権の座を明け渡したことにまつわるドタバタを面白おかしく伝えるばかりで、これからは自民党が健全な野党となって政権運営を監視することが、成熟した政党政治に不可欠であることを指摘している記事や番組はほんのわずかだったような気がします。

 忘れてはならないのは、自民党の政治は良くも悪くも日本人の伝統的なメンタリティに合致しており、じっくりと根回しして擬似家族である組織構成員すべての合意を図り、白だ黒だと決着をつけるのでなく、足して2で割るという手法は日本人の思考パターンそのものであったということです。
 行政も含めて、あらゆる会社、あらゆる組織、あらゆる組合、学校、サークル、団体、寄合などの運営は、ことごとく「自民党的」な合意形成がいまだに本流であって、小泉首相的なトップダウンは独裁だと非難され、忌避されることは何も変わっていません。これは会社にしろ何にしろ組織の一員として働いたり、関わったりしたことがある人は全員が実感し、体感していることです。

 民主党が勝利した原因は、マニュフェスト選択ではなく、政治に不満を持ち、とにかく自民党政権を終わらせたいと思っていた国民が自民党に据えた「お灸」だった、と言われます。しかし、国民は確実に政権交代を選んだのです。これから少々の揺り戻しはあるでしょうが、政策によって、あるいは時々の政治的な不平不満によって、政権を選択するというメンタリティが今後は定着していくことでしょう。

 根回しを重んじ、地縁や血縁を大事にする。トップは組織内の和を大切にし、リーダーシップはなるべく発揮しない。年功序列で、目上の人の言うことややることは批判しない。身内はかばいあい、お互いの切磋琢磨は無用の摩擦を生むのでなるべく避ける。

 今回は、このように自民党的な、すなわち「日本的な」組織のあり方そのものが敗北したとは考えられないでしょうか。
 自民党を笑う資格がある日本の経営者や組織のリーダーは、実はたいへんに、たいへんに少ないのではないでしょうか?
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