2012年4月20日金曜日

「乐酷天」が5月末で閉鎖へ

楽天が中国で展開しているインターネットショッピングモール「楽酷天(ラクテン)」のサービスが5月末で停止されることが明らかになりました。
「楽酷天」は中国のインターネット検索サービス最大手である「百度(バイドゥ)」との合弁により、2010年10月に開設されたもので、数千以上の加盟店を集めたものの、 中国ではネットショップモールとしては後発で、中国国内で約8割のシェアを持つ「淘宝網(タオバオ)」などに比べて知名度が上がらず、業績を抜本的に改革するのは困難と判断されたものです。


実は楽天が中国で苦戦しており、撤退するのではないかとの風聞は、昨年暮れには一部のサイトで報じられていました。
レコードチャイナの2011年11月21日付けの記事によれば、楽酷天の現状が望ましくないことは事実であり、中国のネットリサーチ企業の報告書によると、楽酷天はネット小売市場売り上げランキングのトップ10から漏れた、とのことでした。(リンクはこちら

わしは、2010年に名古屋で開催された楽天カンファレンスに参加する機会があり、三木谷代表自身が登壇したセミナーで、中国進出について直接話を聞いたので、今回の撤退のニュースは特に感慨深いものがあります。

中国は経済成長率の鈍化がみられ、インフレ懸念が広まるなど不安材料を抱えているのは事実ですが、消費のマーケットはやはり巨大であり、電子商取引市場においても、2010年の統計ではインターネットで購買を経験したユーザ数は1.61億人(!)。
購買総額は、対前年比109.2%増の5,231億元(約6.8兆円)になっており、中国全体の消費市場の占有率も2009年が2%、2010年が3.3%に達するなど中国EC市場全体が大きく膨らんでいます。(Wangji 中国EC市場規模について

日本にとって海外の成長の機会を取り込むことは重要であり、日本の付加価値の高い商品を販売するネットショップは有効な手段だと思われています。
しかし、小売業はそれぞれの国の消費志向や商習慣などの違い、物流基盤の整備度合いに大きく左右されるので、日本では盤石の地位を確立している楽天も、中国では超過当競争の前に力尽きてしまったということなのでしょうか。
(なお、ショッピングモールはサービス停止するものの、「旅之窓」「快楽e行」などの現地旅行予約サイトや、北京での開発子会社によるシステム開発業務などは今後も継続されるとのことです)

<関連リンク>
中小企業基盤整備機構  中国ネットショッピング市場の現状と中小企業の進出方法

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