2012年6月1日金曜日

伊勢市駅前は今、どんなふうになっているのか

三重県伊勢市では、来年、平成25年に伊勢神宮の式年遷宮が行われます。
この国民的一大イベントは、「20年に一度、伊勢に吹く神風」と言われています。どういうことかというと、古来から多くの参宮客を迎えていた伊勢(宇治山田)の街は、ほおっておいてもお客さんの方からやってきてくれる土地柄なので、進取の気風に劣り、ビジネスも他の地域に比べて待ちの姿勢だと評されます。
しかし、どれほど地域経済が沈滞していても遷宮が20年に一度行われるので、この特需によって建設業、観光業、飲食業、小売業などの主力産業は大きく潤うことができるのです。

以前もこのブログに書きましたが、昭和28年の第59回式年遷宮の時は全国初の有料道路と言われた参宮道路(現在の県道鳥羽松阪線)の開通、昭和48年の60回遷宮では国道23号バイパス(通称南勢バイパス)の開通、平成5年の61回遷宮では高速道路伊勢自動車道の開通と、戦後の経済成長を体現するごとく、伊勢は遷宮の度に道路インフラが充実してきたのでした。
しかし、今回の第62回遷宮ではさすがにもはや、新たな道路の整備はありません。
道路に代わって「神風」の期待を担っているのが、JR伊勢市駅前の再開発事業です。


JR伊勢市駅は長らく、三重県南部最大の都市であった伊勢市の玄関口として、全国から押し寄せる参宮客と、周辺地域からの通勤・通学客、買い物客を集める主要ターミナルでした。駅前にはジャスコ(イオン)と三交デパートが並んで建っており、商店街や伊勢神宮外宮に至る参道も人や自転車であふれていました。
 
しかし、交通の主役が鉄道からクルマに移ると、まずジャスコが撤退し、さらに三交デパートが閉店しました。
商店街はシャッター街になり、いまや昼間でも人影がまばらな状況です。


現在、このジャスコ跡地は建物は解体されたもののビルの基礎が放置されている状態。そしてジャスコの立体駐車場跡地は更地になっています。(写真左側の三交デパートの建物は未利用のまま放置されています。)


ジャスコ跡地のほうは現在、四日市市の不動産会社が所有しているそうで、この会社が設立した伊勢敬なる開発会社が、ホテルと土産物店などが入る商業施設を建築するという計画をぶち上げていたのです。

計画が発表された当初、平成22年ごろは、旧ジャスコ跡地に地上11階、地下1階のビルを建設するというものでした。1~3階は飲食店や特産品を販売する商業施設、4階以上は120室余を備えるホテルとし、道路を挟んだ二つの敷地には飲食店などの商業施設や立体駐車場をつくるという壮大なものだったのです。
しかし昨年春になると、資金面や採算性から計画が見直され、建設や駐車場の規模を大幅に縮小することが発表されました。
そして先日、計画はさらに変わって、5階建のホテルと土産物店が入る商業施設の建設と、平面駐車場の整備に落ち着いたようです。事業費も、当初は50億円、それが見直されて20億円となり、最終的に15億8千万円の事業費に決まったようです。
伊勢敬は建築確認申請を5月末に申請済で、6月中に建物の基礎部分の解体に着手。ホテルと商業施設のオープンは平成25年7月を予定しているそうです。

言うまでもなく駅前というのはその街の顔です。伊勢神宮がある伊勢市駅前が現在のような状態なのは市民にとっても、観光客にとっても残念なことだと思います。
わし自身は「環境の時代」というキーワードは疑問がなくもないのですが、高度成長期やバブル期のように、クルマでどんどん人を呼び込む時代が終わりつつあることは確かだと思います。
悠久の伊勢神宮の歴史を次代に伝える式年遷宮の趣旨から、公共交通機関や自転車の利用を伊勢はまちを挙げてもっと呼びかけるべきです。
その「コンパクトシティ」のとっかかりになれば、規模がどうであれ、駅前が再開発される意義は大きいと思います。

<追記>
 平成24年11月4日現在のJR伊勢市駅前から伊勢神宮外宮に至る状況をブログに追加しました。(こちらです)

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