2012年6月14日木曜日

中心市街地活性化は地域の手で


 経済産業省が行った、自らの事業を有識者を交えて検証する「行政事業レビュー」(府省版事業仕分け)なるものの結果が公表されています。
 
 11事業が仕分けの対象となり、このうち、中小企業向け融資の保証制度や、核廃棄物処分に関する技術開発事業など8事業が「抜本的な改善」が必要との判定。
 
 また、中心市街地活性化法に基づき商店街のにぎわい回復を目的とした補助事業は、評価者から「国が関与すべき事業とは思えない」などの意見が相次ぎ、「廃止」と判定。これを受けて経産省の牧野副大臣は「ゼロベースで検討する」と大幅な見直しを進めると表明しました。

 仕分けのやり取りについてはワールドビジネスサテライト WBS.logが詳しく書いています。青森市の事例など興味深いやり取りなのでご一読をおすすめします。
 
 中心市街地商店街は、街の顔、そして地域コミュニティの核であることは言うを待ちません。
 このコンセンサスは日本だけでなく、広く、いわゆる「先進国」では共有されているものであり、それゆえアメリカやヨーロッパ諸国でも中心市街地の再生は大きな社会テーマとして施策が強力に推進されてきました。

  日本で平成10年に制定された中心市街地活性化法も、これら諸外国での取り組みを参考にしたもので、地方分権や、企業・住民の力(「民活」とか言われた)の活用が強く意識されたものでした。

  ただ、日本でも中心市街地商店街の衰退は、ひとり商店街の問題ではなく、スラム化による人口流出、車社会の浸透による公共交通の衰退、複雑な土地建物の権利関係などが複雑に絡み合っており、商業振興という産業的アプローチだけでは行き詰まりがあったのは確かです。

国による商店街再生支援に関しては、丸亀商店街などの成功例もあることは事実で、非常に難しい問題とは思いますが、一般住民の生活感覚から遠い存在の経産省による事業のままでは、地域コミュニティの再生という大きなテーマが商店街の再生(延命)問題にのみ矮小化されがちであり、今回の事業見直し(廃止)はやむを得ないし、むしろ経産省と縁を切るいい機会になると思います。

気になるのは、この件に関して、全国商店街振興組合(商店街にぎわいPLAZA)の感想やコメントが現時点でもまったく掲載されていないことです。
かつて全振連は日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会と並んで地方経済4団体と呼ばれた地域商業の司令塔でした。この尋常ならざる反応の鈍さは、やはり商店街組織の疲弊の象徴だと思わざるを得ません。

しかし、ここで強調したいことは、商店街を含めた中心市街地再生には、まちづくりやコミュニティ再生、防災、共生な どさまざまな観点が重要だとしても、やはり商業機能の存在と充実は大きなポイントであるということです。
商行為とかビジネスの持つ魅力 ~消費する高揚感というべきでしょうか~ は、人々の賑わいやわくわく感に欠かせないものです。
これらの様相をうまくマネジメントすることは、これからは国ではなく、地方自治体と商店街、住民の役割になります。この方向性はきっと、いいことです。

(事業仕分けは政治的なショーであり、数千数万ある経産省の事業から俎上に乗ったのがたった11事業だったというだけで、その奥にある真の意図が読み取れますが、そのことはしばらく措きます。)

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