2012年10月28日日曜日

(マニアック)Nスぺ メイドインジャパン 逆襲のシナリオ

昨日は熊野に行ってきました。出発する時は薄曇りだったのですが、午前11時ごろ、紀宝町に入ったあたりで大雨になってきてびっくり。
 あまり観光もできず、特産の南紀みかんなど地域資源関連商品を大人買いして帰っていました。(後日レビューします。)

 さて、そんでもって夜、帰ってきてからテレビを見ていたら、NHKスペシャルが「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」という内容を放映していました。

 前半はソニーのポータブル音楽プレーヤー、後半はシャープの液晶テレビに焦点を当て、世界最高品質で世界のシェアを独占していた日本の家電製品が、なぜ短期間のうちに韓国メーカーの後塵を拝する事態になってしまったのかを、当事者(ソニーの出井元社長など)の証言や、サムスンなどライバル企業の幹部の証言も織り交ぜて解明する内容で、なかなか興味深く、つい引き込まれて観てしまいました。


 インタビューに答えた企業の関係者からは
・日本のメーカーは技術優先で、自社の高い技術をきっと消費者も評価してくれるはずだという思い込みがあった。
 とか、
・サムスンの求めているのはイノベーションではなく、新製品。技術は最先端のものではなくても、市場が求めている商品を次々提供していくという考え方。
 というのようなキーワードもあって、問題の本質がよく整理されていると思いました。
(ただし、後者の証言で使われている「イノベーション」とは、「技術革新」と同義語のニュアンスのようですが、これは正しくなく、要は革新的な技術でなくても「今までになかった新しい製品・サービス・ビジネスモデルなどを創り出すこと(創新)」を指すのイノベーションなので、後者の証言は趣旨自体は共感しますが、表現としては技術者に特有の「イノベーションとは技術革新のことである」という思い込みを感じました・・・。)

 番組によると、メイド・イン・ジャパン凋落の原因は、

・内的要因として、大企業病による意思決定の遅さと組織内の縦割り、技術の過信(わし的に言えばイノベーションの誤解)、弱いマーケティング、新興国の中間層をターゲットとする世界戦略の出遅れ、など

・外的要因として、リーマンショックによる世界同時不況や、円高による輸出競争力の低下、など

 に要約されます。

 もちろん日本メーカーもやられっぱなしではありません。ソニーはインド市場に向けた、インドの消費者が好む色合いを、画質を落とすことなく美しく強調できる新型テレビをリリース。サムスンより高価なものの、売れ行きは伸びているという事例が報告されます。
 今まで日本メーカーは、新商品の研究開発や試作は日本国内、量産は海外、販売先も海外、という一方通行パターンでしたが、これから韓国勢に対抗するには海外の消費者の嗜好を、海外での開発や生産に双方向に直結させること(マーケット・インとリバースイノベーション)が重要だということです。

 これはもっともですが、実は日本の製造業も含めた商工業にはもっと本質的な問題があることが前々から指摘されています。
 それは、日本企業は欧米先進国の企業に比べて、収益性が低いということです。ROA(企業の利益を総資本で割った数字)は80年代から今まで一貫して低下傾向であり、バブル後のいわゆる「失われた20年」よりももっと以前から、日本企業の稼ぐ力はだんだん低下していたのです。
 その主な原因は日本の「潜在成長力が低下しているため」であり、この解決には産業構造をサービス産業中心の高付加価値型に変えるとともに、教育の充実や、規制緩和により競争環境を促進していくこと、など大胆な社会変革を断行するほかないというのは、多くの識者の間でのコンセンサスになっています。
 
 この番組が、そこまで踏み込むのかどうか、28日(日)も続きが放映されるようなので時間があれば見てみたいと思います。

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