2012年10月29日月曜日

(マニアック)Nスぺ メイドインジャパン のつづき

 NHKスペシャル メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ の第2回目を観ました。
 土曜日放映の1回目は、ソニーやシャープに代表される日本の大企業が苦境に 立っている様子とその原因を中心でしたが、2回目の昨夜は、その苦境をはねの け、新しいモノ作りに挑戦している企業が紹介されていました。 

 まず
1)三菱電機(海外に生産拠点を移す場合も、徹底した現地化を進めた事例)
2)ダイキン工業(オープンイノベーションの事例)
3)東レ(基礎的な研究開発を地道に継続した事例)
の3つが紹介されました。
 それぞれ素晴らしい取り組みなのは間違いありません。しかしいずれも、ある程度の量産規模、高度な知的財産戦略とノウハウの保有、基研研究を継続するための人材や資金、が必須であって、特に2と3は大企業で ないと難しい対策のようにも感じます。



 興味深かったのは、大企業からスピンアウトしたベンチャー企業が新たなイノベーションの担い手として注目されていたことです。
 番組の中では、LED照明器具を一人で開発設計し、量産は外注して、消費者へのネット販売により成功を収めているビーサイズ(Bsize) や、電動バイクを東南アジア市場で販売するテラモーターズ などが紹介されます。

 ICTの進化により、高額だった設計用のソフトウエアは安価で入手できるようになり、自社で工場を持たなくとも、試作や量産はインターネットで世界中の企業群から最もふさわしい受注先を探すことが可能になっています。その意味で、小回りの利くベンチャーは硬直化した大企業よりはるかに可能性が大きく広がっているのです。

 しかし、問題なのは、日本ではスタートアップ期のベンチャーに資金を提供してくれるスポ ンサー(エンジェル)や、技術や販売の提携先となるパートナー企業がなかなか見つからな いことです。  
 テラモーターズも、バイクの電池には日本製の採用を希望したものの、日本メーカーとの交渉は難航。結局、自社製品の提供を、値引きも含めて即断即決した韓国メー カーを採用せざるを得なかった場面も映されていました。
 
 ベンチャーの育成がいろいろな面で壁に突き当たり、大化けする(急成長する) 企業がなかなか出てこないことも日本経済の大きな問題です。それが垣間見られ たような気がします。
 しかし、やはり、起業家のアントレプレナーシップには大きく期待せざるを得ません。彼らのビジネスをスムーズにする支援や、ベンチャーに対する消費者の理解と応援が強く求め られていると感じます。

 同時に、行政の一員のわしとしては、この20年来、製造業の企業やベンチャーにバラまかれ続けている国や地方公共団体による「新産業の育成」や「研究開発支援」「技術の高度化支援」だのをNHKがどう評価しているのかにも関心がありました。
 しかし、番組の中ではまったく行政の産業政策は取り上げられていなかったので、これは(今のように市場が成熟してパラダイムが変換している経済情勢にあっては)実はさほど効果がないということの間接評価のような気もしました。

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