2012年11月21日水曜日

もうちょっと工夫がいるのでは?

 毎日新聞(11月19日付け)によれば、「第13回全国まちづくりカレッジ2012 in 伊勢」なるイベントが伊勢市観光文化会館で開かれ、全国から大学生ら約200人が参加したとのことです。
 「全国まちづくりカレッジ」は、地域活性化やまちづくりを目的として地域で活動している大学生たちの活動発表と交流を目的として開催されているもので、各大学・学生の活動報告や課題の共有を図り、自分たちの活動に生かすとともに、まちなか探索やワークショップを通じて全国の仲間との交流を促進する目的で開催しているとのことです。
 会場では、松本大(長野県)が子どもたちのスポーツ支援に取り組む「キッズスポーツスクール」を、京都文教大学が特産の宇治茶に注目した「宇治茶レンジャー」などの事例発表を行ったとのこと。また、フォーラムでは、「学生はアイデアがあっても、ツールを持っていないので、行政やNPOなどがバックアップしてほしい」などと、地域と大学の連携について意見を交わしたとのことです。
 
 三重県内での地域と大学との交流は活発化してきているのか、先日も読売新聞が「自治体と学生 タッグ 現地おもむき意見交換」という記事を掲載していました。(11月1日付け

 読売の記事には、
・大学生の感性や意欲を、観光振興やまちづくりに生かそうとする試みが県内各地で進んでいる。
・鳥羽市は立教大と新たな旅行プランづくり、志摩市は四日市大と離島の活性化に取り組んでいる。
・現地に足を運び、住民から地域の実情を聞くことは、学生にとっても貴重な経験になっているようだ。
 とあって、立教大、四日市大のほかに、尾鷲市と慶応大など3大学が過疎化・高齢化が進む地域の活性化に取り組む事例も書かれています。

 先日のブログにも書きましたが、有名大学はともかくとして、地方の大学は経営環境が非常に厳しくなっており、教育機能、研究機能に加えて、地域にいかに貢献できるかが存続の大きなカギを握っています。このため大学は地域との連携には非常に前向きになってきており、ともすると医療や製造業の研究開発などの分野に偏りがちだった従来型の産学官連携に加えて、地域振興や防災、暮らしの質の確保・向上、地域産品のマーケティングなど、生活や産業に密着した分野にも連携が広がりつつあります。
 これは地域にとってもメリットは大きく、学生が持っている外部の視点や若者の視点は貴重なものですし、地域が持つ長所や短所を整理し、学術的な裏付けによって課題解決のための手法を考え出すことも住民や地方自治体だけでは難しいことなので、大きな利点です。

 その意味で、伊勢でのまちづくりカレッジを含め、このような地域連携が進んできているのは大変いいことだと思います。

 あえて問題があるとすれば、こういった学生の受け入れは、往々にして単なる「イベント」「風物詩」に成り下がってしまい、実質的な成果が必ずしも生まれないということです。
 地域住民は「もてなし」の延長で学生をお客様扱いし、学生も勉強不足や実生活の体験が薄く、したがって彼らがひねり出す「活性化策」もお勉強発表会的なレベルの実現性に乏しいものがほとんどであるという冷厳な事実の存在です。

 
 ただ、鳥羽市と立教大学のコラボでは、学生がまとめた旅行プランが来年2月から首都圏の近畿日本ツーリストで販売される予定とのことなので、上述のような問題も徐々に解消されつつあり、実効性が高まっているのかもしれません。

 いずれにしても、このような連携の動きは長く続けていくことが大事です。そのためには、地元の善意や大学の熱意、行政の資金に頼るのではなく、学生のアイデアやプランの実効性を高め、優れたものは地元や行政、さらには企業やNPOなどが実現に動く。そして、実際に成果を生む ~地域産品の売り上げや収益の確保、交流者数の増加、マスコミへの露出増による宣伝効果などなど~ ことが必要だと思います。

 
 そのことをやり遂げるためには目標設定や戦略(道筋)をしっかり立てていなくてはいけないのでしょうが、それについてはまた別の機会に。

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