2012年12月14日金曜日

イトーファーマシーが情報化優良企業表彰最優秀賞に

先日、第9回日本パートナーシップ大賞グランプリに、三重県の「まごコスメプロジェクト事業」が選ばれたことを書いたら(12月4日付け もっと知ってほしい「三重県発」の快挙)、ようやくいくつかのマスコミがこのことを報じるようになりました。

 このブログはマスコミの方も多くご覧になっているようなので、もうひとつ、あまり報じられていない三重県の中小企業の快挙をご報告したいと思います。

 それは、鈴鹿市を拠点に調剤薬局や居宅介護支援施設等を展開している有限会社イトーファーマシーが、情報化優良企業表彰の平成24年度最優秀企業賞を受賞したことです。

 この情報化優良企業表彰は、情報機器の購入やソフトウェアの導入・開発、ネットワーク構築などのICT化(情報化)に取り組むことで経営革新の成果をあげた企業と、その企業のICT化を支援した支援機関をセットで顕彰するというもので、経済産業省の外郭団体である財団法人全国中小企業取引振興協議会が行っています。

 最優秀企業賞に輝いたイトーファーマシーは、以前にもこのブログに取り上げたことがありますが、小規模ながら非常に先進的な取り組みを行っている、エクセレントな企業です。
 今回の受賞の理由を、全国中小企業取引振興協議会のホームページから抜粋してみましょう。

(現状と課題)
 訪問介護事業においては介護保険へのレセプト請求のための報告書作成が必須で、ヘルパーは、介護業務が終わると支援者宅から事業所へ戻って、報告書作成業務に従事しなければならない。この移動時間、報告書作成時間に時間がとられ残業となってしまううえ、手書きの報告書では字が読めなかったり、ヘルパーによって記載するレベルがバラバラなどの問題が発生していた。

(イトーファーマシーによるICT化の内容)
 イトーファーマシーでは、介護利用者の状況変化の客観的な評価方法や、ヘルパーが行うサービスレベルの評価方法として「行為動作分析」を考案。この手法を組み込んだ介護評価システムを構築して導入し、これまで属人的であった介護サービスの作業を介護手順書作成により標準化、見える化した。
 介護現場ではヘルパーが介護内容を携帯電話に入力するだけで、そのデータが個人別介護実績記録、個人別介護支援経過表など様々な記録に転記されるシステムを構築し、介護データを利用者の家族、ケアマネージャー、事業所で共有できるようにした。このシステムは特許を取得している。
 また、蓄積されたデータベースを活用して個々の利用者に合ったサービスを提供している。

(主な効果)
・訪問介護サービス事業所に対する事務所加算 10%が適用され、適正な利益確保ができ業績の向上につながった。
・日々の介護日誌作成が 5 分でできるなど、書類整備等の事務処理時間の削減と残業ゼロを実現し、事業の効率化が図られた。
・ヘルパーの個人差、属人性をなくし作業の見える化を実現。
・作業負担の軽減により社内研修・ミーティングが自主的に開催されるほど、ヘルパーのモチベーションが向上した。
・ミーティングの場での情報交換により、「気づき」が増え、新たなサービスの立案につながっている。
・雑用時間がないことは、職員の心的負担の軽減ともなり、その余裕のある時間は利用者本位の介護に向けられることとなり、仕事に集中して取り組める環境を生み、介護事故は起きていない。

 詳しくは、情報化優良企業表彰のホームページをご覧ください。(リンクはこちら

 高齢化が進む日本では、21世紀の中心産業は医療・介護・福祉といった高付加価値なサービス業になります。これらの産業は高い技能と専門知識とともに、全人格的な対処が求められる「感情労働」でもあります。優秀な人材の確保とスキルアップ、そしてモチベーションの維持と同時に、サービスの質の平準化も強く求められます。
 このような産業分野においてICTは非常に有効なツールであり、イトーファーマシーのような先進事例に習って、全国で多くのサービス業が追随され経営革新を実現されることを強く期待せずにおられません。

 また、この情報化優良企業表彰は、企業をサポートした支援機関も表彰対象としている点がユニークです。イトーファーマシーを支援した公益財団法人三重県産業支援センターは、ICT支援部門が充実しているとは残念ながら思えませんが、それでも日々の地道な支援努力が大きな成果につながったのです。この点もきちんと評価したいと思います。

■有限会社イトーファーマシー  http://www.ito-pharmacy.jp/index.htm

■三重県産業支援センター  http://www.miesc.or.jp/

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