2013年7月31日水曜日

7月で「高速ツアーバス」は廃止

昨日の夜、近鉄宇治山田駅横の道路沿いに見慣れないバス停が出来ているのに気づきました。
 その時は真っ暗だったのでよくわからなかったのですが、今朝よく見てみると、三重県松阪市に本社がある青木バス株式会社が設置した、高速路線バス乗り場でした。
 青木バスでは8月1日から、宇治山田~松阪~亀山と中部国際空港を2時間45分で結ぶバス路線をスタートさせるとのことです。(リンクはこちら

 昨年4月、関越自動車道でいわゆる「高速ツアーバス」が7名の死者を出した事故が起きたことをきっかけに、現行の高速ツアーバスという業態は本日7月末を持って廃止され、新たに「高速乗合バス」という制度に一本化されます。

 現在高速ツアーバスを運行している事業者が新高速乗合バスに移行する場合には、適用される法律が旅行業法から道路運送法に変わります。

 このバス停も、きっとそのような法改正の一環として新路線の開設と同時に置かれたものなのでしょう。



 NAVERまとめによると、今回廃止される「高速ツアーバス」とは、旅行会社(旅行代理店など)が貸切バス事業者からバスを借り上げて、都市間の人員輸送を行う「募集型企画旅行商品」という形で運行されていました。

 しかし関越自動車道での事故で明らかになったように、この形態だとツアーを企画・催行した旅行会社と、実際にバスを運行したバス会社の間の責任があいまいであり、かつ、バス事業者によっては運転手の労働条件が過酷で安全運行上も問題が多いことがあらためてクローズアップされました。

 新しい高速乗合バス制度は、従来からの「高速乗合バス(高速路線バス)」の安全対策をさらに強化しつつ、料金やダイヤ設定の柔軟性など「高速ツアーバス」のメリットを取り入れた新制度であり、バス運行業者は6台以上のバスの保有や停留所の確保、国への運行計画の申請や運転手の健康管理の義務などを負うことになり、他の業者への運行委託も条件が厳しくなります。また、夜行バスについてはバス運転手の1日の夜間運行距離を400キロに制限し、これを超える長距離路線では交代要員を置かなくてはならないことになります。

 これらの規制強化により運行コストも上昇がやむを得なくなり、産経新聞によれば既存のツアーバス業者で道路運送法上の許可を新たに取得したものは全体の3割弱にとどまる79社だったとのことで、多くの業者はツアーバスからの撤退を余儀なくされたようです。

 高速ツアーバスは、別名「激安夜行バス」と呼ばれる超低運賃の長距離バスサービスを生み、おカネのない若者を中心に新しい移動手段として大いに脚光を浴び、一種のブームになったことも記憶に新しいところです。わしも、名古屋・東京間2980円の夜行バスなんていうチラシを見たことがありました。
 もちろん、事故により痛ましい犠牲者が出たのは制度に欠陥があったからであり、規制が強化されることもやむを得ないでしょう。しかし多くの業者が撤退せざるを得なくなる規制強化というのも、個人的には何かまた極端なような気がしないでもありません。

 経済成長のため政府が示している「成長戦略」では、政府が行っている各種の煩雑な規制を見直して緩和し、企業がより自由に事業活動を行えるようにするとともに、消費者にとっても自由な選択の幅が広がり、もって経済活動が活発になることが期待されています。
 わし個人としては、これは方向性としては絶対に正しいものと思えるので、規制緩和の内容が具体的になればなるほど、利害関係や安全性と経済性の両立といった難しい論点が数多く浮かび上がってくる、その予兆だとも言えるのでしょう。

 なお、青木バスは国土交通省がホームページで公表している「高速ツアーバス運行事業者リスト」において、監査の結果、重大又は悪質な法令違反は認められなかった事業者であることが明記されています。

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