2013年8月19日月曜日

見ていて怖くなるほどの・・・

 経済産業省の出先機関、中部経済産業局のホームページに、いわゆるアベノミクスの三本の矢の一つ「機動的な財政政策」を体現したともいえる、中小企業に対する凄まじいばかりの補助金交付の採択結果が続々と掲載されています。
 行政が行う商工政策の重要なジャンルに、中小企業の振興策があります。中小企業は大企業に比べて人材や資金、技術力などの経営資源が劣っており、これらが市場で競争していくにあたっては行政による支援が不可欠という認識のもと、過去から営々と中小企業に対しては補助金や助成金が交付されてきました。
 その結果がどうであったのか、補助金を出しても中小企業の多くは生産性も競争力も低いままではないか、という見方もあるでしょうし、いや、もし補助金を出さなければ中小はもっと衰退して大企業による寡占化が進んでいたはずだという見方もできるでしょう。はっきりしているのは、成果はいま一つ明らかではないということです。

 アベノミクスでは、さらに景気対策として補助金を出している部分があるので、補助金のメニューも百花繚乱。「バラマキ」とか「参院選の選挙対策」という声もあったゆえんです。
 わしは中小企業振興は必要だと思うし、住民の生活に密着しており、生業とも呼ぶべき小規模な事業者が多く、しかも多くの地域雇用を支えている商業やサービス業に対しては特に十分な行政支援が必要だと思っています。

 しかし、この驚くべき補助金メニューの数と採択実績の数を見ていると、怖くなってくるほどです。これら補助金の財源となる国のおカネはおそらく何百億円というオーダーになるでしょう。そのほとんどはもはや税金で賄うことができず、国は多くの国債(子孫へのツケ)を発行してまかなっている状況であることには銘記が必要です。



 ざっと一覧表にしてみました。あまりに分量が多いので、25年4月以降に採択された分のみを抜粋して記載しています。(表ははんわしが作成しました。著作権はわしにあります。)



 各補助金についての簡単な内容も付記しておきましょう。募集はまず第1次募集が行われ、予算が余ると第2次募集、さらに第3次募集というふうに重複して行われているので、代表的なもののみ記載します。

・平成25年度地域中小商業支援事業(中小商業活力向上事業)
 商店街等が地域コミュニティの担い手として実施する、少子化・高齢化等の社会課題に対応した空き店舗活用事業や地域資源を活用した集客力向上及び売上増加に効果のある取組に対して支援を行うもの。補助率2/3~1/3。上限額:2億円、下限額:100万円。

・平成25年度地域中小商業支援事業(地域商業再生事業)
 まちづくり会社等の民間企業や特定非営利活動法人等と商店街組織が一体となって、地域住民の規模・行動範囲や商業量、地域住民が商店街に求める機能などを精査し、まちづくり計画と整合的な地域コミュニティの機能再生に向けた取組および商店街等において、財務状況の改善の効果のある取組であって、商店街等を取り巻く外部環境の変化に適合した構造改革と認められ、かつ、地域のコミュニティ機能の自立的かつ継続的な維持・強化が図られる取組に対して支援を行うもの。補助率2/3以内。上限額:500万円、下限額:100万円。

・平成24年度補正予算 中心市街地魅力発掘・創造支援事業費補助金
 地域の個性や生活者のニーズに立脚した、まちの魅力を高め、生活者が安心して暮らすために必要な商機能の維持・強化に資する取組であって、周辺他地域の先導的モデルとなり得る事業を支援するもの。補助率1/2~2/3。上限額:1,000万円~3億円、下限額:100万円。 

・平成24年度補正予算 地域自立型買い物弱者対策支援事業
 日常の買い物に不便を感じている高齢者等のいわゆる「買い物弱者」に対して、買い物機会を提供する事業に対してその費用の一部を支援するもの。補助率2/3。上限額:1億円、下限額:100万円。

・平成24年度補正予算 地域商店街活性化事業
 商店街振興組合等が地域コミュニティの担い手として実施する、継続的な集客促進、需要喚起、商店街の体質強化に効果のある事業に要する経費を助成するもの。補助率は定額。上限額:400万円、下限額: 30万円。

・平成24年度補正予算 商店街まちづくり事業
 商店街振興組合等が地域の行政機関等からの要請に基づき実施する、地域住民の安心・安全な生活環境を守るための施設・設備等の整備等を支援するもの。補助率2/3以内。上限額:1億5,000万円、下限額:50万円。

 以上の、平成25年度以降に採択された、全国1415あまりの商店・商店街には、三重県で採択されている桑名市の長島商業開発協同組合(ふれあい夏祭り 2013)など24事例を始め、ぜひとも補助金を有効に活用し、事業を拡大させ、補助金以上の税金を収められるだけの利益を上げていただきたいと願います。
 会計検査院も手を抜かず、補助事業完了後は1415事例をすべて、書面だけでなく実地に徹底的に検査すべきです。繰り返しますが、ここに挙げたのはアベノミクス全体のうちの、ごくほんの一部の補助金に過ぎません。
 中小企業については製造業の研究開発や試作に対しても数百億円の補助金が、大企業も含めるとさらに数百億円が工場立地や省エネ設備投資への補助金などにバラ撒かれています。
 これだけの大金を投じて、わずかな効果しかなかったのでは、将来このツケを払う子供たちに我々大人は顔向けできないのです。 
 

0 件のコメント: