2013年8月21日水曜日

神農協同組合とは何か

 京都府福知山市で8月15日に開催された花火大会で起こった露店の爆発事故による死者が、とうとう3名にものぼりました。花火大会と言えば夏の風物詩で、全国津々浦々で多くの大会が開かれています。不幸にして事故に遭われ亡くなった方には心からお悔やみを申し上げずにはいられません。わしもそのような立場になったかもしれないからです。他人事ではありません。
 また、けがをされ入院している方、療養中の方も多数いらっしゃるようです。一日も早いご回復をお祈りします。

 ネットで話題になっていますが、被害者の方々、特に亡くなられた方々のお名前は大きく報道されているのに、加害者である疑いが濃厚な(自身も受傷しており、この事故の重要な当事者であることは間違いない)大阪市の露天商の名前が一切報道されないことは不可解です。
 また、この露天商をはじめ花火会場に出店していた170店の多くが加盟しているらしい「京都宮津神農協同組合」なる団体の代表者も一切表に出ず、記者会見などもまったく行われていないことも不思議な気がします。
 花火大会の主催者であるドッコイセ福知山花火大会実行委員会の谷村紘一会長が所属する福知山商工会議所が事故の釈明に追われ、一部からは「監督責任」まで追及されているのとはあまりに対照的です。
 この 京都宮津神農協同組合 とは一体どのような団体なのでしょうか?

 わしは協同組合と聞くと、反射的に中小企業団体中央会を連想してしまいます。協同組合とは、このブログでは何度も取り上げているように、中小、特に小規模・零細な事業者が市場での競争に伍していくために、自社だけでは不足する経営資源を多くの事業者で持ち寄って、強みを発揮させようという、いわゆる中小企業の「協同化の推進」という政府の商工政策によって組織化が推進されたものです。

 根拠法令である中小企業等協同組合法によれば、協同組合など中小企業による組合は、「中小規模の商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う者、勤労者その他の者が相互扶助の精神に基き協同して事業を行う」組織であるとされ、組合員は任意に加入・脱退できるものであり、組合員の議決権や選挙権は、出資口数にかかわらず平等であることなどの要件が定められています。

 協同組合は発起人によって設立手続きされ、県知事など主務官庁の設立認可を得て法人格を取得します。また協同組合の組織や事業、経営の指導を行ったり、監査を行ったりするために、各都道府県には中小企業団体中央会が置かれ、その全国組織(上部組織)として全国中小企業団体中央会が置かれます。

 京都宮津神農協同組合についても何らかの情報がないかと京都府中小企業団体中央会のホームページを見てみたのですが、京都府内の協同組合のリスト等はありませんでした。ひょっとして、京都宮津神農協同組合は独立色が強く、府中の会員ではないのかもしれません。

 一方、京都宮津神農協同組合の「神農」とは何の意味でしょうか。
 これは商売をされている方ならご存知のように、古代中国の伝説の医薬と農耕を司る神様「神農皇帝」のことで、中国ではもちろん、その伝承が古くから伝わっている日本においても、医療や薬事、農業、商業などの守護神として関係者の崇敬を集めています。また、商業というビジネスの最もプリミティブな姿を伝えている露天商の間では特に篤い崇敬を集めているようです。京都宮津神農協同組合も明らかに、その神農皇帝にあやかって命名したのでしょう。
 しかし、同じく神農を名乗る兵庫県神農商業協同組合が、兵庫県公安委員会が暴力団と密接な関係がある団体として公表された事例もあるように(結局、同組合は8月19日に自主解散を決定)、テキヤ、香具師などのある種のアングラ勢力と結びついていることを暗に示すようなネーミングでもあります。
 この点、京都宮津神農協同組合加盟の露天商に対しても、福知山花火大会の主催者側が対応の難しさを匂わせるコメントをしていたようであり、一旦掲載された後、その記事から該当部分が削除されるなど、ナーバスな問題でもあるようです。(この記事についてはウェブ魚拓を参照のこと。リンクはこちら

 なお、大阪神農商業協同組合はホームページにおいて暴力団排除宣言をしており、そのうえで神農皇帝と露天商の関係や、香具師、テキヤ、露天商とは何かが説明されています。こちらも参考になります。(大阪神農商業協同組合ホームページ リンクはこちら

<平成25年10月2日追記>
 京都府警は、10月2日、ガソリンを爆発させたベビーカステラの露店商でとび職の男を、業務上過失致死傷の容疑で逮捕しました。

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