2013年8月28日水曜日

学力テスト結果は日教組組織率と関係あるのか?

 今日一番のニュースは何と言っても今年4月に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の都道府県別結果が公表されたことでしょう。

 このテストは全国の国公私立計3万962校の小学6年生と中学3年生、約228万7千人を対象に実施されたもので、国語と算数・数学の2科目について、基礎的な学力と応用的な学力を問う、AとBの2種類の試験が実施されました。

 
 平成19年度の調査開始以来、初めて公立小学校の全科目で、最も低い正答率の都道府県と全国平均の差が5ポイント以内に収まったとのことで、文部科学省によれば「学力の底上げが進んだと分析している。」とのことです。
 また、基礎的知識のA問題よりも知識の活用力を問うB問題の正答率の方が低く、前提条件を幾つか積み重ねた上で結論を導くプロセスは従来の試験結果同様、子ども達は苦手としているようです。
 もっとも、応用が苦手だとか、合理的な推論ができないというのは大人もまったく同様であり、長時間集中して考え続けることができないのは日本人全体の弱点であって、まさしく子は親の鏡だというのが真実でしょう。
FNNニュースより リンクはこちら
さはさりながら、これまた横並び意識の強い日本人にとっては、都道府県のランキングに一喜一憂し、なぜあんな田舎の県が・・・とか、どうして隣の県の方が・・・などと、あることないこと、尾ひれ羽ひれ、自分のできの悪いことは棚に上げて子ども達や先生や、社会やマスコミや、誰かを犯人に仕立ててそれを叩き、溜飲を下げるということもまた、繰り返されているようです。

 その有力な犯人として必ず名が挙がるのが、教職員の労働組合である日本教職員組合(日教組)です。日教組の組織率が高い地域は子ども達の学力が低い、と言った自民党の代議士もいました。
 今回の学力テストでは、何か相関関係が見られるのでしょうか。

 ただ、これは少々、いや、相当に難しい問題です。
 まず日教組の都道府県別の組織率のデータが容易に見つからないのです。そもそも労組の加盟など労働者個人の自由なので、特定の組合だけの都道府県別データなどという都合のいい資料はそうそうはころがっていないからです。
 ネットで調べてみると、トップに出てくるのは何と政治ジャーナリスト 池上彰さんの時事解説番組の映像キャプチャーです。(BSジャパンの番組のようです。)
 ただ、これには「都道府県別日教組の加入率」が大きく写っており、教育委員会月報2010年1月号という出典まで明記されているので、信を置いていいと思います。

http://twitpic.com/24l69c より引用しました
  この2つを比較してみると、学力1位の秋田県の日教組組織率は、見た感じ30%くらい。平均的といえるでしょう。2位の福井県は見た感じ70%くらいで、むしろ組織率は高くなっています。
 3位の石川県も見た感じ50%の組織率。4位の青森県、5位の香川県は見た感じ組織率が数パーセント以下で極端に低いですが、6位の広島県は20%ちょっと。7位の京都府、8位の東京とも組織率は低く、9位の新潟県、10位の富山県はまた組織率60~40%ほどで決して低くはありません。
 正直、あまり相関関係はなく、多くが指摘するように「日本海側」という地理的な条件の方が、明らかに相関が強いようです。
 
 ちなみに日教組の組織率が高い三重県は42位、山梨県は41位ですが、神奈川県は27位、岩手県は12位で、これもあまり相関があるようには思えません。
 
 わしは何も、日教組の味方でも敵でもありませんが、学力と関係するというのは都市伝説ではないかとの印象を持ちました。都道府県と一口で言っても面積は広く、同じ都道府県内でもエリアによって風土や気質、産業構造、所得、家族構成などが大きく違います。むしろそのような要因を一つ一つ(地味ですが)究明していく方が、学力向上には役立つことでしょう。

 なお、三重大学の奥村先生が「日教組組織率と学力」というブログ記事を書かれています。(http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/2274

 

0 件のコメント: