2013年9月21日土曜日

市町村主体の創業支援策が創設されるとか

 時事通信社の地方公務員向け業界紙(現在はインターネットですが)の「官庁速報」によると、経済産業省が、市町村主体の創業を支援する制度を創設し、登録免許制の減額措置を盛り込むとのことです。(平成25年9月19日付け)


 これによると、

・市区町村が独自の「創業支援計画」を策定し、国(経産省)が認定する仕組みを新たに導入し、認定された市区町村内で開業する事業者には、会社設立時の登録免許税を半額に軽減する。

・政府は「成長戦略」で、開業率(はんわし注:新規に起業、創業する割合)を現在の4.5%から英米並みの10%台に引き上げる目標を掲げている地域に密着した市区町村を創業支援の主体に取り込むことにより目標達成を目指すとともに、自治体側に自発的な取り組みを促し、地域経済の活性化につなげたい考え。

・創業支援計画には、事業者への支援体制や、創業を目指す分野などを明記させる方針。支援計画を策定する市区町村には、政府の認定を受けて中小企業の経営を支援している税理士や金融機関などの「認定支援機関」と連携することを義務付ける。また、新制度の支援を受けて創業する事業者に対しては、認定支援機関からの指導を受けることを登録免許税軽減の条件とする。

・登録免許税は、資本金の0.7%か最低税額である15万円のいずれか大きい方が課される。経産省によると、中小企業の中には開業資金が500万円に満たない事業者も多く、登録免許税の半減は、開業時の負担軽減につながるとみている。


・この内容は政府が秋の臨時国会に提出する産業競争力強化法案に盛り込む。

 とのことです。
 経産省は、昨年から中小企業、特に小規模・零細な事業者の支援について「ちいさな企業未来会議」を主宰するなど、かなり本腰を入れており、その中でも創業、起業の増加による地域経済の新陳代謝の促進がテーマになっていました。

 問題は、全国に2000くらいある市区町村、特に町とか村に、独自の計画が作れる能力があるのかということです。たとえば、この官庁速報の記事にある「認定支援機関」の意味がぱっと理解できる商工課とか産業課の職員が(失礼だけど)どれくらいいるのでしょうか。
 町村では産業というと農林水産業とその関連産業(食品製造業とか建設業とか)や、地場産業、商店街対策くらいしかやっておらず、経営がらみ、融資がらみの話はすべて商工会に任せている、というところも多いと聞きます。
 新しいこの制度はいい話ではあるので、ぜひしっかり勉強していただいて、独自の創業支援計画が作れるように頑張っていただきたいと思います。

 ポイントは、市役所や町村役場だけが机上で作るのでなく、実際に支援している商工会議所や商工会も仲間に入れること。さらに、金融機関や、企業活動に深くコミットしている税理士、社会保険労務士なんかの意見も十分に聞くこと。
 そして、起業や創業を目指す人は会社という利益追求型の組織でなく、NPOで事業をやりたいという人も非常に多いので、市民活動センターなどの中間支援組織とも連携することを忘れてはいけません。
 よく、市町村の産業の会議には農協や漁協や森林組合が入っていますが、そんなのどうでもいいのです。むしろそのようにガチガチに既得権で守られた団体や業界に風穴を開け、競争を促進するのが起業や創業を増やす真の目的なので、やる気のある人と、ビジネスを知っている人以外はややこしい人をテーブルに入れてはいけないのです。

 経済産業省は地方自治の現場と実務に疎く、地域経済活性化というと、企業立地促進法のようなヘンな法律しか作れないので、市町村が独自のノウハウとネットワークでより良い計画を作っていくしかないでしょう。その意味で、市町村は競争です。(しかし、「創業支援計画を国が認定する」って何だ? オカバな経済産業局にそんな能力はまったくないが・・・)

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