2013年9月23日月曜日

まつさか「まちゼミ」が日経新聞に


 先日の日本経済新聞朝刊に「まちゼミ 商店街再生に光」という特集記事が載っていました。

 商店街は全国的に低落傾向で、長年それに歯止めがかかっていません。都市構造の変化、特に幹線道路や官公庁など郊外化や、消費者のライフスタイルの変化や嗜好の多様化はもはや留めようがないので、商圏人口が比較的多いとか、専門店や高級店が多い買い回り型の商店街はまだしも、商店街のうちでも圧倒的多数を占める近隣型(最寄品型)の商店街は、今後も相当厳しい戦いが続くことでしょう。
 そのような中で、全国的に注目を集めているのが「まちゼミ」というイベントです。

 
 日経新聞の記事では、「まちゼミ」とは何か、について、「商店街の店舗一店一店のファンを作り出そうと、対面販売に強みを持つ専門店(はんわし注:商店街のお店の意味。つまり、専門店でないお店では成り立ちにくいということ)が、商品に関する店員の豊富な知識を伝え、それを入り口に顧客を開拓するもの」と説明されます。


 この「まちゼミ」は平成15年に愛知県岡崎市の商店街で始まったのが最初で、それがじわじわと全国に広がっています。そしてこの日経新聞の記事で、成功例(というか、実施例)として取り上げられているのが、三重県松阪市の商店街での「まつさか まちゼミ」の様子です。

 具体例として、商店街にある老舗茶舗による、お茶の栄養素などの基礎知識や美味しいお茶の入れ方を学ぶ「まちのお茶会」というゼミの模様が書かれていますが、松阪では今年2月に始めてまちゼミに取り組み、約1ヶ月間17店舗で、さらに7月から8月にかけて22店舗でまちゼミを開催しました。
 1回目の参加者にアンケートしたところ、「大満足」という回答が大多数であったものの、「商店街に日頃から来ているか」という設問には「ほとんど来ていない」が3割以上あったそうで、課題も残っています。
 もっとも、長期間かけて衰退してきた商店街の再生には、やはり同じくらいの時間は必要なのかもしれません。

 岡崎市で平成14年から「まちゼミ」を始めた、岡崎まちゼミの会代表の松井洋一郎氏によれば、
・まず商店街の「活性化」とは何かを考えなくてはいけない。地方都市では人口減が進む中、商店街の来街者減少は避けられないが、我々が目指すべきは見た目の賑やかさではない。
・個店に一番大事なのは来店者を増やすことで、商品知識を武器に顧客を喜ばせることができいれば売り上げが伸び、ひいては商店街を繁栄させることができる。
・「まちゼミ」の最大の利点は、三方良し、すなわち「買い手」(消費者)、売り手(個店)、世間(街の発展)の3つが全て幸せになれること。かくちでこうした好循環が起こればよい。
 とのことで、商店街にありがちな「よさこいソーラン」的な上滑った一過性のイベントではなく、各個店が商人としての知識と知恵を消費者に提供する仕組み・仕掛け、そして覚悟が必要なようです。(したがって商品への知恵も知識もない個店は退場せざるを得ません。)

 行政施策としての商業振興の難しさもここにあります。
 商店街振興は一種の護送船団方式で、商店街に共通する利害としてのアーケードや駐車場といったハード整備、スタンプなどのソフト整備が中心でした。しかしこれではやる気や能力の高い個店が埋没してしまうきらいがありました。
 「まちゼミ」はいわば劇薬で、ゼミができない(テーマが出せない、講師が務まらない)個店や、ゼミをやってもお客が集まらない個店、そして肝心の売り上げにつながらない個店をふるいにかけるということです。
 これは行政にはなかなかできないことですし、逆に言えば商店街振興組合や、商工会議所といった民の力を発揮すべき分野なのかもしれません。

 
 まつさかまちゼミは今後も続いていくようなので、注目していきたいと思います。

■まつさかまちゼミ ホームページ  http://www.matsusaka-machizemi.com/

■岡崎まちゼミの会 ホームページ  http://machizemi.org/
 

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