2013年10月12日土曜日

ディズニーランドと伊勢神宮

 言論は自由であるべきだし、誰であっても特定の思想観、政治観、宗教観を誰かから押し付けられたり、逆に誰かに押し付けたりはしないように心がけなくてはなりません。
 しかし、次のような報道を見ると、わし個人は激しい違和感を覚えずにはおられません。

 平成25年10月10日付けの伊勢新聞はこう伝えます。

県・全国商工会連合会研修会 知事、遷宮の効果語る
 県商工会連合会(藤田正美会長)は九日、志摩市のホテルで、全国商工会連合会(石澤義文会長)との合同研修会を開いた。鈴木英敬三重県知事が「千客万来!輝く三重を目指して」と題し、伊勢神宮の式年遷宮の集客効果を語り、首都圏営業拠点「三重テラス」をアピールした。

 鈴木知事は、九月末現在で伊勢神宮の参拝者数が、明治二十八年の統計開始以来過去最高の九百五十二万人を突破し、年間で一千三百万人に達する見込みだと述べ、民間シンクタンクのの試算で経済効果は最大三千億円と話した。「テーマパークと比較しては失礼だが、(東京)ディズニーランドの約二千七百万人に次ぐ」と強調した。(以下、略)



 伊勢神宮は多くの国民にとって親しみのある、篤い崇敬を集める宗教施設です。古来から多数の参詣者が詰めかけ、それによって伊勢が経済的に発展してきたこともまた事実です。

 しかし、伊勢神宮に具現化される日本の民族的な価値観とは対極のポジションにあると思われる、享楽的で文化植民地的な匂いさえする外国資本のレジャー施設の「入場者」と、伊勢神宮の「参詣者」の数を、どちらが多いのどちらが少ないのと比較できるものなのでしょうか。

 経済産業省の官僚出身の知事だけに、商工会という地域にある小規模企業者(いわば生業の事業者が多い)を束ねる経済団体の関係者を前に、つい得意になって口を滑らせてしまったに過ぎないと思いたいのですが、鈴木氏がしっかりとした民族観と歴史観を持ち、政治的な理想や信念を持っている人物ではなく、物事を金儲けのモノサシで計る、きわめて実利的かつ実務的な小役人のように感じてしまうのは、まさに「比較しては失礼だが」などと前置きしながら口を滑らせた ~伊勢神宮とディズニーランドはまったく同じ観光施設であるという~ ことが、常ひごろ、彼の頭の中にある本心・本音だからでしょう。
 三重県知事たる地位の人に、こんなことを言ってほしくはなかった。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。

東京ドーム何個分、みたいに、分かりやすいたとえで使ったんだと思います。
神道の神様はお祭り好きで永遠のハレの地である伊勢は、
ディズニーを好ましく思わない、そんなことは無いと思います。残念なことに維新後に国家神道となってその性格が大きく変わってしまいましたが。
目くじらを立てるほどのことではないのではないでしょうか。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

この発言についてはいろいろな捉え方があると思います。ですので、わし個人としての「違和感」と表現しました。
 伊勢神宮は神道的にはやはり別格であり、遷宮の機会は観光という実利的な話でなく、神道に代表される日本人の価値観とか、日本社会のあり方に思いを馳せる機会にすべきだと考えます。
 余談ですが、「東京ドーム何個分」ってわかりやすい喩えでしょうか? この表現、マスコミでよく使われますが、わしは何だか、いつもあんまりぴんと来ないのですが・・・(揚げ足とってスイマセン)

匿名 さんのコメント...

こんにちわ
私は伊勢出身ですが、
東京Dの次というのは単純に嬉しいです。
神聖なモノなのにというご意見もわかりますが。

匿名 さんのコメント...

はんわし殿のユニークな視点にはいつも感服いたしております。貴殿の苛立ちも理解できる気はしますが今の伊勢神宮の参拝者の大部分は物見遊山の観光客で信仰心など無いのが現実でしょう。そして又このような有権者が目先の成果主義にしか興味がなく自国の宗教に無知な人物に票を投じ知事に押し上げたのです。
今回の貴殿の論をいささか不審に思うのは政府や政治家が宗教や道徳を自国民に解く危うさです。歴史的に日本はそれで大きく誤ったことを貴殿が知らぬことはないでしょうが。