2013年10月15日火曜日

三連休で東紀州の交通革命を体感してきた

 平成25年9月29日に全通した、熊野尾鷲道路を走ってみました。まさに「交通革命」と呼ぶべき驚異的な体験だったのでレポートします。

 熊野尾鷲道路は三重県南部の尾鷲市(尾鷲南IC)と熊野市(熊野大泊IC)を結ぶ18.6kmの高規格道路(高速道路並みの自動車専用道路)です。
 途中、尾鷲南ICと三木里ICの5kmの区間はすでに数年前から暫定供用されていましたが、このたび全通したものです。

 御承知の方も多いと思いますが、この熊野尾鷲道路ができるまでの尾鷲市~熊野市は、国道42号がほぼ唯一の幹線道路でした。2車線で整備されてはいますが、道路延長は26kmもあり、急カーブ、急勾配が続く道で、途中には矢ノ川(やのこ)峠と佐田坂という2カ所の峠があり、悪天候時には通行止めになることも多かったのでした。
 熊野尾鷲道路は、その国道42号のバイパス道路と位置付けられ、延長が約8kmも短縮されています。道路のほとんどはトンネルと橋梁、盛土であるためで、急カーブも急勾配もまったくなくなりました。


 所要時間も約40分かかっていたものが16分にと驚異的に短縮しました。2013年の日本において、これだけ劇的に時間短縮効果が得られる道路も少ないのではないでしょうか。

 わしが尾鷲に住んでいたころ、えっちらおっちらとハンドルを切り、アクセルをふかせ、ブレーキを踏み、を繰り返してやっと辿り着いていた熊野に、いとも簡単に、あっけないほどにすぐに着いてしまいます。


 

 車窓から見える、熊野市の玄関口の光景、大泊海岸です。
 ここは夏には海水浴客でにぎわうのですが、熊野尾鷲道路の沿線にはこのほか、透明度が高くて有名な三木里(みきさと)や新鹿(あたしか)といった海水浴場もあります。アクセスが格段に良くなったので、来夏は多くの集客が見込めるかもしれません。

 熊野大泊ICを下車すると、すぐ近くに、やはりこの8月にリニューアルオープンした鬼ヶ城センターがあります。
 鬼ヶ城(おにがじょう)とは、熊野灘の荒波に削られた大小の無数の海食洞が、地震など造山運動の隆起によって階段状に地上に露出したものです。その威容はまさに「鬼の棲家」にふさわしい光景であり、ユネスコの世界遺産に登録されています。

 新しくなった鬼ヶ城センターは、以前の古い、いかにも「売らんかな」の態度がプンプンしていたレジャー施設のイメージは完全に払拭され、明るく清潔な建物となり、店員さんも若くてきびきびした感じの方ばかりになったように思います。


 店内には熊野市のお土産や特産品が展示・販売されています。この鬼ヶ城センターは一般財団法人熊野市ふるさと振興公社が運営しているため、熊野市特産のかんきつ「新姫(にいひめ)」や熊野地鶏、那智黒石などアイテムのラインナップが豊富です。


 2階にはイタリアレストランがあります。熊野というと、どうしても海産物をイメージしますが、あえてイタリアンの店で勝負してきたことはユニークな戦略と言っていいでしょう。
 ランチを食べましたが、1500円くらいで、メイン料理を選び、パンやサラダ、ドリンクはビュッフェスタイル(バイキング)です。特にパンが美味しくて、つい食べ過ぎてしまいました。
 レストランからの景色がよく、外でのんびり食べられるのも魅力です。


 食事の後は、遊歩道沿いに鬼ヶ城を散策できます。(ただし、以前の台風の影響で、一部が通行止めになっています。)
 写真には写っていませんが、岩の下には磯釣りを楽しむ多くの釣り人がいました。片平なぎさと船越栄一郎もいたような気がします。


■鬼ヶ城センター ホームページ  http://onigajyo.mie.jp/


 鬼ヶ城センターをあとにして、もうひとつの交通革命、国道42号紀宝バイパスに向かいます。
 これも御承知の方は多いでしょうが、紀宝町から熊野川を挟んで対岸の和歌山県新宮市に向かう国道42号のルートは、熊野川河口部の鵜殿地区から川の左岸を堤防沿いに上流に1kmほど遡り、そこから熊野大橋・新熊野大橋で新宮に渡るルートです。途中の成川地区は道幅が狭く、先年の台風では大きな被害を受けた交通の難所でもありました。

 紀宝バイパスは、紀宝町の井田地区から山間部をトンネルで抜いて、直接、新熊野大橋に至る4.5kmの区間です。
 このバイパスも時間短縮効果は驚異的で、所要時間はおよそ半分になったとのこと。確かに鵜殿、成川のごちゃごちゃした密集地を走らないためストレスがなく、紀宝町の道の駅ウミガメ公園あたりから、あっという間に熊野川に到達してしまいます。 



 新熊野大橋のラッシュ時の渋滞は相当ひどかったので、若干は緩和に向かうことでしょう。

 しかし、以前ブログに書いた繰り返しになりますが、これほどの時短効果を生む道路整備が、東紀州地域にとって良いことか悪いことかはよくわかりません。これをうまく生かさないと、ストロー効果によってかえって地域は疲弊してしまう可能性があります。

 このブログをご覧の皆さんには、ぜひ一度、熊野尾鷲道路や紀宝バイパスの便利さを体感し、快適なドライブを楽しんでいただきたいと思うと同時に、これらによってすっかり通行量が減ってしまい、サルやシカが出てきても不思議ではなくなってしまった国道42号の矢ノ川峠や佐田坂を、のんびりと景色見ながら、道草食いながらドライブするのもおススメではないかという、アンビバレントな感情を抱いてしまいます。

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