2013年10月16日水曜日

三重のすごい中小企業(保冷剤編)

 先日、県外に出張する機会があり、ややハイクラスな食材を専門に扱っている「成城石井」をのぞいてきました。
 誠に遺憾ながら、成城石井も三重県内には店舗がないので、このような機会にしかなかなか行くチャンスがないのです。

 そこで家族へのお土産にケーキを購入し、店員さんから「保冷剤入れますか?」と聞かれたので、「お願いします。」と答え、ふと見ると、例の商品でした。


 誰もが絶対に一度は見たことがある。しかし、特別に記憶に残っているとは限らない小さな保冷剤。
 これにはちゃんと名前があります。「スノーパック」と言います。

 スノーパックは、生菓子、ケーキ、生鮮食品などのパック入り保冷剤として圧倒的な全国シェアを有していますが、これを製造しているのが三重化学工業(株)という三重県松阪市にある小さな企業であることは意外に知られていないかもしれません。

 スノーパックの中身は、高吸水性ポリマーというものです。紙オムツと同じ原理というと、食品向け商品の説明としてはあまり表現は良くないかもしれませんが、水を含んだ無害な樹脂であり、保冷性が高いうえに繰り返して使えるという優れものでもあります。


 おそらく最初に開発されたときには、氷のように溶けてびしょびしょになってしまうのでなく、しかも何度もリユースできる「氷代わり」のアイデア商品だったのだと思いますが、三重化学工業のホームページにあるように、現在は、温度が-15℃まで冷える超低温タイプ、パッケージが抗菌仕様になっているタイプ、溶けても結露しないように不織布のパッケージなっているタイプ、など実に様々なラインナップが揃っています。

 成城石井で入れてもらったのは、ケーキのおまけとしてタダでくれたもので、もちろんスーパーの側としては食中毒などの事故を防ぐ目的はあるのですが、やはりコストは最大限切りつめたいと考えているはずで、製造・出荷している三重化学工業としてはおそらく極限の低コストで製造していることと思います。
 低価格と確かな品質はメイドインジャパンの強みではありますが、やはり低価格競争の市場にいつまでもとどまっているのは得策ではありません。
 多種多様なスノーパックのバリエーションは、高付加価値化への挑戦の結果でしょうし、低温になるスノーパックとは反対に、温めて使う「ホットパック」なる製品を医療用に商品化しているのも同社の強い開発志向を反映していると思います。

 実は、この三重化学工業(株)については、以前にもこのブログで紹介したことがあります。


 作業用手袋にしろ、保冷材にしろ、三重化学工業の製品は決していわゆる「ハイテク」の分野ではないように見えます。しかし、このように技術は成熟していてもイノベーティブな商品は生み出すことができます。
 地方の製造業中小企業の経営戦略として、一つの方向性を示している好例だと思います。

 みなさまもケーキを買ったら、保冷剤を一度よーく見てみてください。

■三重化学工業(株)ホームページ  http://www.miekagaku.co.jp/ 


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