2013年10月22日火曜日

展示会見学ツアーが面白そう


 最近、わしは中小企業、特に工業(製造業)の会社に行って経営者にお目にかかったり、工場を見学させてもらう機会が多いのですが、今さらながら、「下請け企業」(と言うと、あまりイメージは良くないかもしれませんが)の「品質」、「コスト」、「納期」を厳守する前向きな姿勢や、それだけにとどまらず、発注元の企業(その多くは大企業とか有名企業)としっかりタッグを組んで、要求された難しい加工を安いコストで完成させたり、反対に、新しい加工方法や新しい素材を提案したりするような、技術力の高い中小企業が多いことを再認識させられます。

  しかし、同時に、これらの企業の多くが従来型の下請け・系列関係の中での将来には限界を感じており、自社で価格が決定できる自社ブランド製品の企画開発・製造や、新しい業務分野への進出を志向していることも感じます。
  
 さらに、このような、いわゆる下請型企業では、営業は主に経営者が、今すでにいるお得意さんを中心に行っていて、自社には営業担当社員がいないとか、新規顧客への営業をしたことがない(もっぱら商社経由や、得意先からの口コミでの新規獲得を期待している)企業が少なくないことも実感します。

  発注元企業が海外からの調達を増やし、それどころか自社の生産拠点を海外に移転させることはもはや珍しくはありません。安定した取引先だけでなく、新しい顧客を探すことも、特に今までもっぱら生産のみを専業でやってきた中小企業には強く求められています。


  このような時、行政が支援する一つのパターンは、「展示会」とか「商談会」にそういった中小企業を出展させ、自社の技術や製品を来場者にアピールすることで新規の販路開拓につなげていくことです。
  具体的には、展示会や商談会を行政が自ら主催して開催したり、すでにある展示会(東京ビッグサイトとか、マイドーム大阪なんかで開催される)に○○県コーナーとか、△△市ブースを作って、何社かを出展させたり、あるいは個別に出展する企業に対して補助金を出す、といった方法がとられます。
  これも悪くはないのですが、展示会にはある程度「場馴れ」が必要で、製品や技術を展示するノウハウとか、ブースにやってきたお客さんが何に関心を持っているのかを見抜き、商談や見積もりといった次のステップにつないでいく接客術などは、実際問題として経験のない人がぶっつけ本番でやってもなかなかうまくいきません。

 そこで、一番手始めの段階として、新規販路開拓はやりたいが、「展示会」「商談会」とはどんなものか、展示会にはどんなお客さんが何を求めてやってくるのか、何を見て何を聞いているのか、人が多く集まるブースと少ないブースの違いは何なのか、ということをまず知ってもらうことが必要です。
 そんなことは経営者や社員が自分で勝手に見に行けばいいではないかと思うのはもっともですが、何かのきっかけがないと話が前に進まないというのもまた事実です。

  そのような意味で、面白い企画を見つけました。
  伊勢市産業支援センターが募集している「しんきんビジネスマッチング ビジネスフェア2013視察見学会」と、「ビジネスフェスタ2013・ビジネスチャンス発掘フェア視察見学会」というものです。
  内容は、要するに名古屋や大阪で開かれるこれらの展示会に、みんなでバスツアーを組んで見に行こう、という単純なものですが、わしは、この企画はそれなりに意義があると思います。

  数年前でしたか、紀北町商工会がFOODEX JAPAN(日本最大の食品産業の展示会)で、商工会の会員企業向けに同じような見学会をやったことがあったと記憶します。
 各国から多くのバイヤーが詰めかけ、グローバル規模の商談を展開する最前線を目の当たりにして、参加した経営者たちの意識が大きく変わったと、後になって商工会の方からお聞きしました。
 
  このように新規販路開拓が重要だというのは、自動車や機械、電子、建材などの下請け企業の多い分野だけでなく、食品製造とか生活雑貨製造など他の広い分野においても同じことです。

 残念ながら、伊勢市産業支援センターの今回の見学会は伊勢商工会議所と小俣町商工会の会員企業しか参加資格はないようですが、まず行動を起こしてみる意味で、多くの参加者があればいいと思います。
 中小企業支援は、派手なアドバルーンを揚げたり、国から巨額の補助金を引っ張ってくることではなく、地道な、身の丈にあったものであることが必須です。伊勢商工会議所は、そういった地元企業のニーズをうまく引き出しているように感じます。

■伊勢市産業支援センター  http://sangyo.city.ise.mie.jp/

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