2013年10月12日土曜日

伊勢のケーブルテレビ iTV が他社傘下に

 毎日新聞のサイト 毎日.JPによると、三重県伊勢市を中心に、周辺の鳥羽市、度会郡、及び志摩市の一部でケーブルテレビ配信やインターネット事業などを展開する(株)アイティービー(iTV)が、津市に本社があり県内最大手のケーブルテレビ会社 ゼットティービー(ZTV)の傘下に入ることが明らかになりました。
 ZTVは9月末までに複数の株主からiTVの発行済み株式の過半数を取得した模様であり、今後さらに株式を買い増して100%子会社化する可能性もあるとのことです。(記事へのリンクはこちら

 iTVは平成元年、伊勢ケーブルネット(株)として資本金3千万円で設立されました。平成4年から伊勢市内でケーブルテレビ放映を開始。その後、放送エリアを拡大するとともに、インターネットプロバイダ、IP電話などの事業も開始し、増資を繰り返して資本金は21億5千万円となり、同社のホームページによれば、主な株主は、伊勢市、 鳥羽市、 志摩市、 玉城町、 度会町、 南伊勢町といった地方自治体や、 赤福の関連会社である(株)濱田総業、 電気通信工事業の(株)ミック、さらには(株)百五銀行、 (株)第三銀行、 (株)みずほ銀行、 三重信用金庫、 (株)三重銀行などとなっています。

 また、同じく公開されている決算資料によると、平成25年3月期の売上高は2,441,058千円、経常利益は415,996千円となっています。これを見ると、同社の経営は堅調のように思えます。

 一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟が公表している「ケーブルテレビ業界レポート2012」によれば、同連盟に加盟する357のケーブルテレビ会社のホームパス数(はんわし注:ケーブルテレビ局のエリア内で、接続可能な伝送路の敷設が完了している世帯の数)は、2010年度比で0.2%増の4630万世帯となっており、総接続世帯数は前年度と増減なしの2472万世帯となっています。
 しかしながら、日本の総世帯数が増加しているため、ホームパス数の占める割合は、85.5%と対前年比0.9%の微減、総接続世帯数の占める割合も45.6%と対前年比0.5%の微減となっています。つまり、全国的に見れば、今まで一貫して右肩上がりだったケーブルテレビ市場の成長性は大きな転換点を迎えているのです。
 iTVは、加入世帯数の実数は5万以上あるそうですが、加入世帯数は減少傾向にあるそうで、インフラ整備や更新も遅れていたとのことであり、ZTVによる買収が相乗効果や広域化も含めた財務体質の強化に狙いがあることは間違いないでしょう。

ケーブルテレビ業界レポート2012 より抜粋


ケーブルテレビに関しては、三重県には他道府県に比べ顕著な特徴があります。
 それはケーブルテレビの加入率が高いということで、総務省情報流通行政局の「ケーブルテレビの現状」(平成25年6月)によれば三重県の加入率は78.3%。全国平均の52.9%を大きく上回っています。
 このブロードバンド環境の良さは三重県の産業基盤の強みであり、かつてはCATVのコンテンツやインターネットを使った新しい産業の育成が、三重県の政策として推進されていました。
 しかし、その後、三重県の商工政策はコンビナートや自動車、液晶といった重厚長大型・ハイテク型の製造業重視にシフトしたため、せっかくのアドバンテージは生かされず、ICT産業全般で他府県に大きく遅れをとる結果となってしまいました。非常に残念な、そして愚かなことでした。

 ケーブルテレビの広域化、寡占化はやはり地方自治体としては重視すべきで、災害時の迅速・正確な情報提供といった放送局としての第一義的な使命を果たすことはもちろん、ケーブルテレビ局の持つ取材力や発信力を生かして、地域の特産品や製造技術、観光資源などのPRやビジネスコンテンツ化を促進してビジネスモデルを構築することも、商工政策の一つとして取り組んでいくべきではないでしょうか。

 

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