2013年11月14日木曜日

やっぱり鳥羽商船高専はすごかった

 中日新聞三重版に、国立鳥羽商船高等専門学校の制御情報工学科の学生三人が開発したスマートフォンアプリが、福島県・会津大学主催の「パソコン甲子園2013」のモバイル部門で最高賞のグランプリに輝いたことが報じられています。(11月14日付け朝刊 旅客機情報アプリを開発 鳥羽商船高専生 リンクはこちら

 記事によるとこのアプリは「飛行記」という名称で、飛んでいる旅客機をスマホのカメラ機能で画面の枠内に捕捉すると、画面上に便名や発着空港、出発時間が表示されるというものです。
 旅客機までの距離が50km以内であれば雲に隠れるなどしても情報が得られるうえに、検索機能もあり、便名を入力して空にかざせば、飛んでいる該当旅客機の位置を示す矢印が画面に出現。それに従ってスマホの向きを合わせると情報が表示されます。
 わしなど、こんな機能どうやって使うのかと思ったのですが、知人を乗せた旅客機の便名を入れ、飛行位置を実感するといった使い方もできるとのことです。なるほど。

 開発したのは同高専の3年生、2年生、1年生の三人で、旅客機の飛行情報をインターネット上で提供する業者のサービスとスマホに備わる位置情報の取得機能を連動させ、旅客機を特定するアイデアを思い立ち、7月から制作していたとのことです。

 これだけでも最近の若いコはスゴイと思うのですが、実は鳥羽商船高専の学生は、この「飛行記」のほかにもソフトウエアの分野で偉業をなしと得ています。

 それは、やはり中日新聞の10月16日付け朝刊に載った「鳥羽商船が最優秀賞 全国プログラミングコンテスト」というものです。(記事へのリンクはこちら
 10月13~14日に北海道旭川市で開催された第24回全国高専プログラミングコンテストの自由部門で、同校制御情報工学科の2、3年生5人が開発した「すなケッチ!」が最優秀賞に輝いたもので、この記事によれば、独創性が強く求められる自由部門で同校が最優秀賞を受けるのは初めてとのことです。

 受賞作品の「すなケッチ!」は、砂場の起伏を赤外線感知器が読み取り、その情報を基に上部のプロジェクターから砂場へ砂の高さごとに異なる色を照射させるプログラム。
 使う色を指定できるため、好きな位置で砂を盛ったり、掘ったりすれば自由に絵が描け、砂を掘ると青色が海水のようににじみ出たり、貝殻の画像が現れたりする設定も選べるものだそうです。

 また、これとは別に同校制御情報工学科の1~5年生5人が開発し、課題部門に出品した「かぞくぐるみ」は優秀賞を獲得しています。

 鳥羽商船高専は明治14年に創立され130年以上の歴史を有しています。名前が示すとおり、元々は商船の船員を養成する学校であり、航海科や機関科といった学科を有していました。
 船員は一致団結して長期の航海に耐えなくてはならないためか、鳥羽商船高専は全寮制の男子校であり、規律が厳しい学校として知られていました。(わしは鳥羽市出身なのでよく知っていますが、わしが子供のころは鳥羽商船生というと周りから一目置かれていました。)
 しかし、オイルショックを経て次第に日本人船員の需要が低下してくると、昭和60年に学科を改組して電子工学科を設立。それと同時に長年の慣例を破って女子学生の入学を受け入れるようになりました。
 同じく全寮制もなくなり、自宅通学可能となって、そのころから学風が緩くなり、アホみたいな学生が増えてきたともっぱら地元では噂されていました。(わしはそんなこと言ってないよ。世間がだよ。)

 しかし、実はやっぱり鳥羽商船高専はすごかったのです。この2つの受賞はもっともっと社会から顕彰され、評価されてしかるべきだと思います。

 このブログでは何度も書いていますが、日本の製造業は大量生産型から、新しい用途や卓越したデザインを持つ、イノベーティブで高付加価値な製品を少量多品種生産することが主流になっていがざるをえません。
 そのためには「匠の技」といった属人的な製造技術よりも、生産工程を制御するプログラムやソフトウエアがはるかに重要になります。
 これらの学生は、その新しいものづくりを体現できるかもしれない若者たちです。

 ところが、本当に不思議なことに、同じく三重県内のある高専が「ロボット」を作るコンテストに出場することに対しては(まだ結果は出ていないのにもかかわらず)、県庁の偉い人がわざわざ壮行会を開いているのです。その記事も各紙にデカデカと載っています。つまり、プロセスが目に見えないソフトウエアのコンテストと、モノという実物ができるハードウエアのコンテストでは、あまりに扱いが違うのです。
 「日本が変われない」ことを、無知な行政とマスコミを見ているとしみじみ感じます。


■はんわしの評論家気取り 高校生国際料理コンクールで相可高校が1位に!(2013年9月29日)
 

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