2013年11月30日土曜日

ファミリーマート×イズミヤ寺田町東店に行ってみた

 先日、大阪に行く用事があり、流通業界で一時大きな話題となった ファミリーマート×イズミヤ寺田町東店 に行ってきました。
 このお店は文字通り、コンビニ大手のファミリーマートと関西の中堅スーパー イズミヤとがコラボしたもの。「家庭のキッチン」をコンセプトに、コンビニとスーパーの両方の機能の兼ね備えた新たなビジネスモデルの構築に向けた実験店と位置付けられ、今年10月29日にオープンしたばかりです。

 イズミヤのプレスリリースによれば、このお店の特長は以下の2点です。
1)コンビニの利便性とスーパーの品揃えを融合した新業態店舗
「家庭のキッチン」というコンセプトにふさわしく、コンビニならではの利便性や商品力(中食などの商品やサービス)と、スーパーの強みである“出来立て惣菜”、生鮮食品、日配品、加工食品などの品揃えを一体化させる。
2)コンビニやスーパーの単体ではできない“ワンストップショッピング”を実現
 ファミリーマートが展開する商品やサービスと、イズミヤが展開する“出来立て惣菜”をはじめ、肉・野菜・魚などの生鮮食品や日配品、調味料などの加工食品の品揃えを一体化させることで、コンビニやスーパー単体では実現できない利便性を提供し、“ワンストップショッピング”の実現を目指す。

 このため、売り場面積は400㎡、取扱商品アイテム数は約5000と、通常のコンビニよりやや大きな規模になっています。また、店舗の2階は42席のイートインコーナーになっているとのことです。




 店舗の外観はこんな感じです。場所はJR大阪環状線の寺田町駅から徒歩5分ほどの国道25号線沿いで、すぐ隣にもローソンがあるなど、コンビニや商店、飲食店などが住宅と混在して立ち並ぶ賑やかな一角です。

 入ってみると、実際には「大きなファミマ」という感じでレイアウトはファミマ。店員さんの制服もファミマのもので、よくよく見ると、確かに生鮮や日配の陳列スペースがやや大きめでした。
 弁当や惣菜はイズミヤのものもあって、「近くのイズミヤ花園店で調理しました」などと書かれたポップがあります。ファミマの総菜や弁当ももちろん売っていますが、手づくり感はあきらかにイズミヤが勝っていて、実際に買い物に来ていた主婦たちを見ると、こっちを買っていく人の方が多かったように感じられました。
 ほかにスーパーらしさと言えば、プレスリリースにもあるように、店舗の入り口付近に旬のお買い得商品や、季節商材のプロモーションコーナーがあり、今夜の晩御飯のメニュー提案などが行われていました。

 しかし、全体的にコンビニであることに変わりはなく、何となくまったく目新しい店舗をイメージしていたわしは、良くも悪くも期待を裏切られることになりました。それぞれの相乗効果が本当に出ているのか、ファミマ、イズミヤの今後の判断が待たれるところです。

 実は、両社の「迷い」のようなものを感じたのは ~コンセプトを詰め切れていないように感じたのは~ 2階にあるイートインコーナーです。合計42席あってWi-Fiも使えるのですが、わしが行った時間は近くの高校生たちがトランプだのスマホのゲームだのをしながら騒々しくしていました。彼らのたまり場になることに、このスペースの意義はまったくありません。面積も中途半端に広く、DVDソフトの販売もされていましたが、このイートインコーナーで本当は何がやりたいのかがよくわかりませんでした。持て余しているのです。

 そもそも、ファミリーマート×イズミヤという業態がなぜチャレンジされたかを考えると、それぞれのターゲット、すなわちコンビニならサラリーマンや学生、一人暮らしの人、スーパーなら主婦、といった主要顧客が流動化してきており、しかも大阪都心のような場所であっても高齢者を中心に買い物難民が多数おり、これらの取り込みも念頭に置いて、都心に立地可能な小規模な店舗をドミナント出店していく、という目論見であることは間違いありません。

 この寺田町東店の近くには、生野本通り商店街や源ケ橋商店街などの商店街があり、活気に満ち満ちているという訳ではないものの、生野本通りのほうはそこそこ人通りもあって、わりと善戦しているように見受けました。(反対に、源ケ橋商店街(商店会)はこんな感じで、あまりにレトロだったので記念撮影してしまいました。)


 これらの近隣型商店街は、御用聞き、宅配、メニューの提案、旬の食材の提案などの地域密着戦略によって生き残っているわけで、ファミリーマート×イズミヤはこれらの顧客(地域住民)を囲い込もうとするもので、もろにライバル関係にあります。
 実は、わしはこの日、大阪で開催されたセミナーに参加していました。東大教授である伊藤元重氏の講演会があって、非常に興味深い内容だったのですが、この中で伊藤氏が強調していたのが、企業が「スマイルカーブ」の下流で生き残ろうとすれば、新しいビジネスモデルを次々生み出していくしか道はない、ということでした。
 企業のコラボによる新業態もまさしくビジネスモデル競争の一つであり、大手、中小といった垣根を超えたバトルロワイヤルが激化してくるのかもしれません。(伊藤元重氏の講演内容は、機会があればまとめてみたいと思います。)

(補足)
 ファミリーマートは、ドラッグストアのヒグチとのコラボ実験店舗として、東京・神楽坂に11月28日、「ファミリーマート+薬ヒグチ神楽坂店」をオープンさせました。

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