2013年12月10日火曜日

熊野尾鷲道路で交通量は増えている

 国土交通省紀勢国道事務所が、今年9月29日に全線開通した三重県南部の熊野尾鷲道路(三木里IC~熊野大泊IC(13.6km))の全通1ヶ月後の交通状況について、概要を発表しました。

■紀勢国道事務所 熊野尾鷲道路 1ヶ月後の交通状況 (PDF)

これによると、
1)熊野尾鷲道路の交通量は平日約6,000 台/日、休日約8,000 台/日
2)東紀州地域北部で交通量が約10%増加
3)観光業関係者等から熊野尾鷲道路の開通による効果を実感する声
 とのことであり、交通量の増加など顕著な効果が生まれているようです。



 よく見てみると、交通量については、東紀州の北部、中部、南部で若干の格差が生じています。
①北部(大紀町-紀北町間)では、約800台(約10%)交通量が増加。
②中部(尾鷲市-熊野市間)でも、約1,000台(約20%)交通量が増えている。
③南部(熊野市以南)はほぼ横ばい。
 とのことです。

 このうち②は、まさに熊野尾鷲道路の区間です。これまでの国道42号が、矢ノ川峠などの難所が多い区間だったものが、高規格の熊野尾鷲道路では急カーブも急勾配もまったくなくなり、運転が楽になって、しかも時間短縮効果も劇的であるためで、まあ、順当な納得できる内容です。
 今まで運転が億劫だったが、これなら走れると感じた人が意外に多かったのではないでしょうか。

 県庁所在地の津から見ると東紀州は尾鷲も熊野も同じように一括りの地域に思えます。しかし、わしは実際に東紀州に住んでみてわかったことですが、現実には生活圏がかなり異なっており、北部の尾鷲市と紀北町は中部圏ですが、熊野市と御浜町、紀宝町は関西圏に属しており、双方の行き来は実はあまり活発ではありませんでした。
 このたびの交通革命ともいうべき道路事情の向上によって、人々の移動や消費の性向は大きく変わる可能性が出てきました。

 尾鷲熊野道路が整備された大きな目的の一つは、利便性の向上を通じて地域外からの観光客を増やし、地域の経済活性化を目指すことでした。
 この点についても、国交省の資料では関係者の声が紹介されています。
(尾鷲市の観光業者の声)
・熊野市より南からのお客さんが増えている。売り上げも、熊野尾鷲道路の開通等により伸びている。熊野方面からの商品(干物等)の仕入れがしやすくなった。
(熊野市の観光業者の声)
・昼前後に集中していた(観光)バスの来訪時間が、朝からや午後の遅い時間なども来訪するようになり、バスの滞在している時間も長くなっている。
・尾鷲市、紀北町のお客さんが確実に増えており、売り上げも伸びた。
 という、まさに明るい声です。これはわし自身が現地でよく聞いた声とも一致します。

 もっとも注意を要するのは、これはまだ開通のニュースがホットだった時期なので、オープン効果を差し引かなければならず、年末年始、そして来年以降の動向が重要であることです。
(また、名古屋と南紀を結ぶ三重交通の高速バスの運行経路が、熊野尾鷲道路経由に変更されたため、従来の国道42号のルートにあった小阪(熊野市飛鳥町)が素通りされるようになってしまったことに代表されるように、道路ができたゆえの時間短縮と引き換えに、不便になる地域ができてしまっていることも留意が必要でしょう。)

 この問題については、ドライバーの全員が全員、目的地まで早く行くことだけを望んでいるわけでなく、田舎道を景色を見ながらのんびり走りたいとか、まだあまり知らていない隠れた観光スポットに訪れてみたいと考えている層が少なからずいるはずなので、そこをターゲットに、国道42号や国道311号を通るドライブルートのPRが有用かと思います。
 要は、価値観やツールを一つに絞り込んでしまうのではなく、東紀州には特急と急行と鈍行の3つの代替交通手段が提供できるようになった=ツールの選択の幅が広がった、という考え方で、地域の魅力を積極的に地域外に提供していくことが重要だと思います。

 多分交通量が減っている国道42号を活用して、熊野尾鷲駅伝とか、ツール・ド・矢ノ川峠とかも面白いのではないでしょうか?

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