2013年12月6日金曜日

「ミラサポ」で何ができるのか試してみた

ミラサポトップページより

 経済産業省中小企業庁が ミラサポ なるウエブサイトを立ち上げています。

 
 未来の企業★応援サイト というサブタイトルが示すように、中小企業、その中でも小規模事業者をターゲットにして、国や公的機関の支援情報・支援施策をわかりやすく提供するとともに、経営の悩みに対する先輩経営者や専門家との情報交換の場を提供する支援ポータルサイトが狙いとのことです。

  中小企業庁によれば、このミラサポは7月末から「お試し版」としてスタートしていましたが、開設から約2か月半でアクセス数約20万件、ユーザー登録数は約1.6万件を達成し、多数活用されて好評なため、10月から本格運用が始まったそうです。

  では、このミラサポで経営者や創業希望者は何ができるのでしょうか?
  実際に、はんわし、会員IDを取得して中に入ってみました。(誰でも無料で利用できます。)


 トップページのバナーには、おすすめコンテンツとして
1 無料専門家派遣
2 地域プラットフォーム
3 補助金など支援情報
4 ミラサポコミュニティ
5 サポートツール

 の5つが挙げられています。

 1の「無料派遣専門家」とは、企業の困りごとに応じて税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士などの専門家が登録されており、希望する企業に無料で派遣してくれるというものです。
 すごく便利なのですが、分野ごとの専門家データベースを見てみると、ざざざっとリストが表示され、いったい誰に頼んだらよいものやらさっぱりわかりません。
 特に初回の派遣については、企業はまず最寄りの商工会議所のような「地域プラットフォーム」(おすすめコンテンツの2番目にありますね)に足を運んで、派遣を依頼しなくてはなりません。
 その時に、相談には乗ってくれるでしょうから、便利なのかもしれませんが、なかなか敷居が高い気もします。

 3の「補助金など支援情報」は、やはりデータベースで、国や地方自治体が公募している補助金や、主催するセミナーを検索できるというもの。
 ちなみに「三重県」をキーワードに補助金やセミナーを検索すると、検索結果は何と「該当なし」。
 マジですか!? 使えるのか?? これ。

 気を取り直し、「補助金に申請したい」というアイコンをクリックしてみます。ひょっとすると経産省はミラサポからのオンライン申請の受付でも始めたのかと思ったのです。だとすれば画期的なことです。
 が、やはり情報がスカスカな補助金制度紹介ページが表示されるだけです。結局、 何十ページもある補助要領をよく読んで、紙で申請しなくてはならないのです。

 では、ミラサポの目玉ともいえる4の「ミラサポコミュニティ」はどうでしょうか。
 中小企業・小規模事業者等のユーザーが先輩経営者や専門家と情報交換ができる場(コミュニティ)や、個別の課題ごとにユーザー同士によるコミュニティグループもあり、10月現在で195グループもあるとのことです。
 入ってみると、確かにSNSです。セールスフォースをベースにしています。
 コミュニティは課題別や地域別など色々な切り口でたくさんあって、確かに、経営上の疑問や質問に対して、よく知っている人があれこれアドバイスしてくれるものもあります。これはひょっとすると使えるのかもしれません。
  しかし、コミュニティによっては非公開のものも多いし、なにより企業の経営者とサポーター的な立場の人とが入り混じっているので、面白い化学変化が期待できる反面、コメントの流れがよく分からなくなっていたりします。さすがに炎上しているのはないみたいですが。(不審者は通報するシステムもできています。)
  これはもう少し様子を見る必要がありますし、すでにフェイスブックなんかに無数にあるビジネスコミュニティの「官製二番煎じ」感は否めませんが、まあ、使えることは使えるかもしれません。

 さて、そもそも、このミラサポが開設された経緯は、昨年度、中小企業庁が行った「小さな企業未来会議」での議論の結果です。
 小さな企業未来会議では、企業庁の幹部が全国の中小企業経営者や小規模事業者とひざ詰めで会議を開き、意見を集約していました。(わしが愛知県豊田商工会議所での会議を傍聴した時のブログはこちら
 今までの国の中小企業振興のやり方を謙虚に見直し、新しい施策のタネを探していたのです。その議論の中で若手の経営者達からはSNSの提案があって、それをさっそく実行したわけです。
 このフットワークの軽さは、率直に敬意に値すると思います。

 しかし、問題は立ち上げたミラサポの今後です。

 中小企業庁(経済産業省)による中小企業対策は、中小企業が下請け型や零細型という経済的弱者を脱して高い経営能力を持つようになり、インターネットが普及して情報格差がなくなり、さらには都道府県や市町村も独自の中小企業施策を進めるようになると、次第にやることがなくなってきました。
 しかし、中央省庁には予算はじゃぶじゃぶ余っているし、自分たちの存在感を何としても示さなくてはいけないので、Eコマース(ネットショップ)が台頭してくれば「にっぽんe物産市プロジェクト」なる官製ネットモールを、SAASがブームになればその官製版の「J-saas」を、臆面もなく巨額の予算を投じて2番煎じし、いつのまにか消え去り、人々からも忘れられていくという迷走を繰り返してきました。

 自称イクメン社長 サイボウズ青野のブログによれば、ミラサポは、電通を幹事企業として、公益財団法人日本生産性本部、全国地方新聞社連合会、パソナ、トランスコスモス、電通国際情報サービス、電通イーマーケティングワンの7社のコンソーシアムが事務局を行っており、事業費は推定48億円(!)。気の遠くなるような巨額予算です。
 ミラサポの目標は「3年以内に企業100万社と専門家1万人の参加」とのことですが、果たして2016年までミラサポがもっているのかどうか・・・

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