2014年5月16日金曜日

魚のまち尾鷲で。生きるように働く人募集!

 尾鷲商工会議所が、「地域おこし協力隊」の隊員に対する中間支援業務に、全国で始めて着手するそうです。
 地域おこし協力隊とは 国(総務省)が平成21年度から実施している事業であり、市町村などの地方自治体が都市の住民を「隊員」として受け入れ、現地で地域おこし活動の支援や、農林水産業の応援、住民の生活支援などといった活動に従事してもらい、あわせて隊員の地域への定住・定着を図りながら、地域の活性化を図ろうというものです。
 総務省が行った調査によると、平成25年6月までに任期を終えた地域おこし協力隊員366人のうち、56%に当たる204人が派遣先やその近隣市町村に定住しているとのことであり、一定の成果は上がっているものと考えられると思います。(はんわしの評論家気取り「地域おこし協力隊、56%が多いか少ないか(2014年2月23日)」)

 今年度についても隊員の募集が行われており、募集地域や募集条件などの詳細は一般社団法人移住・交流推進機構なる団体が大々的にホームページで公開しています。



  今回、尾鷲商工会議所が公募するという内容はなぜかそちらには掲載されていませんが、5月25日(日)13時~19時、品川グランドセントラルタワー (東京都港区港南2-16-4)において開催される 日本全国!地域仕掛け人市で、事業内容の説明が行われます。

 魚のまち尾鷲で。生きるように働く人募集!をテーマに、社会人を対象とした地域おこし協力隊員と、大学生向けの地域住み込み型インターンシップ(夏季限定)の2案件が紹介されるとのことです。
 詳しくは、日本全国!地域仕掛け人市のホームページを参照してください。

 尾鷲市は三重県南部、和歌山県、奈良県と近接する「東紀州」と呼ばれる地域にある人口2万人ほどの都市です。山と海に挟まれた自然環境が豊かで風光明媚な土地ですが、かつて主力産業であった林業や漁業は低迷しており、高齢化と少子化が深刻に進んでいます。
 このような地域は尾鷲に限らず全国に存在しますが、衰退した理由は産業構造の転換に乗り遅れたという点に尽きます。
 戦後の復興期、モノ不足の時代は、家を建てるための木材は切れば切るだけ売れ、林業者はほとんど何の営業活動(販促活動)も行う必要はありませんでした。しかし高度成長期となり、住宅市場にツーバイフォーのような量産型の規格製品が登場すると、生産量や納期、価格が一定しない、すなわち量産加工の素材に適さない国内林業は、それらが安定している外国産木材に淘汰されてしまいます。
 水産業も同様で、流通市場にスーパーが台頭して、季節を通して大量・均一な水産物が求められるようになってくると、やはり漁獲量や価格が安定しない沿岸漁業は衰退していきます。
 つまり、林村、漁村を活性化するには、①地域産の木材や水産物をブランド化して価格決定権を生産者側が持つようにすること、②そのために市場や消費者が求めているものを生産する「マーケットイン型」のビジネスモデルにすること、③マニュアル化や合理化を進め生産性向上を図ること、の、この3つしか主要な対策はありません。

 これに対して、地域には大きなボトルネックがあります。
 それが、~誤解を恐れずに書けば~ 地域には人材がいない、ということです。
 ただでさえ、現状に変革を起こせるような若い人材がいないのです(多くの若者は高校卒業と同時に都会に出て行きます)。仮に、上記の3つのことを理解し、その対策のための具体的な仮説も持っている若手の林業者や漁業者、さらにはそれらに波及する製材業、木工業、建築業、水産加工業、レストラン・宿泊業などの商工業者がいたとしても、それを現場で一緒に実行してくれる、経営者の片腕となるような若手の優秀な社員が見つかりません。
 疲弊が進む地域では、地域内で人材を獲得するのは理想ではあるとしても困難なケースが多く、地域外で生活経験や就業経験があったり、マーケティングの知識やセンスがあったり、という外部からの人材をUターンやIターンで獲得することが、活性化へのポイントになるケースが少なくないのです。

 尾鷲商工会議所が関与するメリットはまさにここにあります。
 商工会議所は地域の(この場合なら尾鷲市内の)中小企業経営者のネットワークがあり、市や県といった行政機関、全国の他の商工会議所などともネットワークはつながっています。経営に関する、労務、会計、営業、生産管理などのスキルを支援・指導できるノウハウも持っています。
 前述のように、地域おこしの具体的な実現は、すでに「ビジネスセンス」の高低、「ビジネスモデル」の優劣にかかっているといってよく、要するに、いかに地域でビジネスを起こせるか、そこから収益を稼ぎ、食っていくことができるか、という一点に収斂されます。

 商工会議所が支援してくれるというのは、地域おこし協力隊員にとってアドバンテージなのは間違いありません。地域おこしに関心がある社会人の方や、地域おこし活動に実践的に関わりたい学生の方は、ぜひ尾鷲でチャレンジすることをお勧めしたいと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

商工会議所に関しては、この件より夢古道おわせの問題が気になりますね。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 コメントありがとうございます。
 ローカルな話題でのブログをやっていますと、あるとき急に特定の記事のアクセスが異常に伸びることがあって、その理由を解析すると、特定のキーワードでの検索が非常に増えていることがわかります。つまり、ああ、今こういうことが起こっているのだなあとわかることが多いのです。(これってビッグデータなんでしょうか?W)
 最近、夢古道でも特定のキーワードが増えており、大変気になっています。
(回答が遅くなってスイマセンでした。)