2014年5月25日日曜日

熊野古道サポーターズグラブ会員が募集されています

 ユネスコの世界遺産である熊野古道を守り伝える活動を応援する、熊野古道サポーターズクラブなる団体が設立され、5月23日から会員が公募されています。

 このクラブは三重県と三重県東紀州地域の市町(尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町)、国土交通省紀勢国道事務所、NEXCO中日本、三重交通で構成する、熊野古道世界遺産登録10周年事業三重県実行委員会が主宰するもの。

 現在、熊野古道の保全や啓発活動には、熊野古道保存会熊野古道語り部友の会といった地元ボランティア団体が活躍しています。
 熊野古道サポーターズクラブに入会すると、これらの団体が行う保全・啓発活動に関する情報が会員に提供されます。会員の役割としては、これらサポート活動へ参加体験して熊野古道への関心を高めることや、古道の魅力をSNSで発信することなどが期待されており、入会当初は「ファン会員」からスタートして、活動の状況に応じて「サポート会員」、さらに「特別サポート会員」にステップアップしていく仕組みだそうです。

 なお、会費等は無料で、活動への参加はあくまでも任意。しかも会員登録先着1000名にはイオンが発行する「熊野古道伊勢路WAONカード」などがプレゼントされる特典もあります。



 熊野古道が世界遺産となったのは平成16年7月のことでしたから、10周年となる今年は三重県でも多くの記念イベントが企画されています。
 交通インフラとしての歴史的な使命を終え、ほぼ忘れらていた熊野古道の価値を再発見し、まさに「埋もれていた」古道跡を掘り出して、雑木や雑草を切り払い、復元したのは、上記のボランティア団体を中心とした地元住民の熱意と努力によるところが大きく、世界遺産登録にまでこぎつけたのも地元の努力がスタートとなり官民が行ったとなって維持管理に取り組んだことが大きく評価されたためだとも言われています。
 しかし一方で、東紀州地域は過疎化高齢化が進展し、残念なことですがボランティア活動にも限界が見え始めています。その意味で、サポーターを広く募り、関心を高めていくというのは、手法としてはベタなものの、地道な取り組みとして評価できると思います。

■熊野古道サポーターズクラブ ホームページ  http://higashikishu.org/supportersclub/

 しかし、これは熊野古道に宿命的な問題と思えますが、世界遺産登録はあくまで「紀伊山地の霊場と参詣道」が対象であって、奈良(吉野)、和歌山、三重という紀伊半島南部全体に広くかかわった地域設定となっています。

 わしのような三重県民は、「熊野」と聞くと「(三重県)熊野市」と理解するし、「熊野古道」とは「熊野古道伊勢路」すなわち伊勢神宮から滝原宮を経由して熊野三山に至る三重県内の区間を連想します。実際に、この熊野古道サポーターズクラブもよく見ると「伊勢路」が対象となっており、一般的な意味での(奈良、和歌山も含めた)熊野や熊野古道とはややニュアンスが異なっています。

 難しいのはこの点で、生活実態として、あるいは観光資源としては「熊野は一つ」なのですが、そこに県境、市町村境が横たわっており、統一的なインフラ整備や観光プロモーションができていません。先ほど宿命と言ったのはこのことで、これはそれこそ10年も前から指摘され続けていますが、いまだにほとんど改善されていません。
 観光パンフレットは県別、市町村別ですし、ドライブマップもそうです。ホームページとかSNSもそうです。ボランティアガイドもそうです。このうえ、サポーターまで一つの県に囲い込んでしまうのが、果たしてオール熊野にとって最適解なのかは疑問なしとしません。

 また、ICTの活用が遅れているのは少なくとも三重県側では大きな問題で、例えば一般の人向けの熊野古道の知識をお勉強しようと思っても、なかなか学べる機会がありません。昨今、YoutubeやMOOCといった映像サービスは一般的となっていまるので、たとえばボランティアガイドのような方々や大学の研究者が熊野の歴史についてガイド・教授する映像をアップし、このサポーターズクラブのようなサイトとリンクする、といった戦略的な広報も検討すべきと思います。

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