2014年6月10日火曜日

三重県総合博物館・みえむに行ってみた

 今年4月19日に開館した、三重県総合博物館(愛称MieMu みえむと発音)に初めて行ってみました。
 津駅近くにあった三重県立博物館は手狭なうえに建物が老朽化したことから、新たに郊外の三重県総合文化センターや男女共同参画センターなどがある一角に、移転新築されることとなり、このたびオープンしたものです。


 アクセスは津駅西口からバス(1時間に2本程度)で総合文化センター前下車。所要時間は5分ほどです。駐車場は文化センターとの共同利用のようですが、相当台数は駐車できます。(無料)


  総工費は120億円。鉄骨鉄筋コンクリート造3階建で、延面積は約1万1千㎡。省エネにも配慮されており、認証機関による「建築物総合環境性能評価認証制度(CASBEE)」で、最高位にあたるSランクも取得しているとのことです。


 入り口は2階にあります。朝10時ごろ、すでに多くの入館者が並んでいました。小さな子供を連れたファミリー客が圧倒的多数を占めていました。


 チケット(大人510円)は券売機でなく対面販売なのですが、受付嬢は対応が丁寧すぎて手順が良くなく、けっこう滞っていました。(カウンターが来場者の胸当たりの高さなのに受付嬢は座って応対しているので、お金のやり取りが大変そうでした。)

 展示ルームは3階にあり、広い吹き抜けの階段を上がっていきます。恐竜や動物の形をした大きなモビールが吊り下がっています。


 展示フロアの正面に、よくTVや新聞なんかに取り上げられていた巨大な骨格標本がどどーんと立っています。今から400万年くらい前に三重県にいたというミエゾウなる動物の化石だそうです。


 博物館はオープン後2か月足らずで入館者が10万人を超えたとのこと。年間の目標入館者数が14万人だそうですから、初年度分の達成は確実のようです。

 ここで基本展示(常設展示)室の紹介もしたいところですが、室内は撮影禁止なので、詳しくは公式ホームページを見ていただくとして、わしの印象としては、
 新しくて明るくて見やすい展示だけど、思っていたより狭くて窮屈
という感じでした。

 これは基本展示室が「三重の自然と歴史・文化が凝縮された展示」というコンセプトであることと関係していそうです。

 三重県は紀伊半島の東端にあって、南北に伸びています。長い海岸線を持つとともに、広大な山林もあって、平野も盆地もあり、地形や地勢が多様です。
 そこで、基本展示室は、大杉谷・大台ヶ原、鈴鹿山脈、伊勢湾、熊野灘の4つに代表される三重の特徴的な自然環境を4コーナーに分けて部屋のそれぞれ隅に配置し、それら4つの環境によって育まれた三重県の人・モノ・文化の交流を部屋の中央に展示する、というレイアウトになっています。

 これは、総合的な理解が進むというメリットが期待されますが、内容が地学、環境、生物、歴史、風俗と、かなりごちゃごちゃしていて、しかも展示内容が細切れに次々と替わっていくので、じっくりと理解することが(つまり、展示に追いついていくことが)けっこうシンドくなってきます。

 特にこの日は子供が多かったためか館内が賑やかで、展示をじっくり見たり、ディスプレイの音声を聞き取るのが困難でした。(映像機器の音声は非常に小さく、よほど静かでないとほとんど聞こえないでしょう。)

 不思議だったのは、展示物のほとんどは複製(レプリカ)だったのに、撮影禁止となっていたことです。何か合理的な理由があるのでしょうか。貴重な史料も多々あったので個人的に残念でした。

 展示室を見終わると、すぐ外には 学習交流スペース があって、歴史や地理、生物、祭りや風習などのテーマごとに本や写真集、映像などが揃っており、自由に閲覧できます。


 また、この日は、企画展示として「『日本の心』第六十二回神宮式年遷宮写真展」と題した写真展も行われていました。(基本展示とは別に入場料が必要。) 企画展は今後どんどん内容が変わっていくようです。

 館内には、三重の実物図鑑 という、はく製や標本を展示したスペースもあります。昆虫標本が整然と並んでいたり、はく製がまるで生きているかのようにこちらを向いているのは、昔ながらの ~ちょっと不気味な~ 博物館のイメージです。(もちろん、実際はここも明るくて見やすい展示です。)


 これらの昆虫標本は、平成21年に閉館した大紀町(旧大宮町)の町立昆虫館にあったものだそうで、県に移管され、このたび再び公開されることになったそうです。

 博物館のユニークな点の一つがこの、子供体験展示室 です。幼児~小学生低学年向けの、展示物に関連したクイズみたいなのが散りばめられているスペースですが、滑り台なんかがある要するに遊園地仕立てで、親は子供を遊ばせるのに最適です。(靴を脱いで入室します。)


 展示室で小一時間うろうろし、2階におりてくると、ミュージアムショップがあります。入館記念のメダル刻印機(懐かしい!)や、お菓子、弁当、グッズ、本などを販売しています。

 

 わしも「ミエゾウ」クッキーを購入しました。一番安かったからね。

 で、まあ、全体の感想ですが、人が少ない、空いている時にはもっとお勉強になったと思います。ここ何年かは小学校の遠足の定番になるのでしょうから、平日でも賑やかかもしれませんが。しかし何にしても三重県は今まで文化後進県で県立の博物館がなかったのですから、これだけ立派な施設ができただけでも喜ぶべきことなのでしょう。


 建物の一角に、三重県内の公立、私立の博物館や資料館のチラシが並べられていました。こんなにあるだなあ、と感心したと同時に、これらの施設をもっと有機的に結びつけることはできないか、たとえば巡回展示をやるとか、共通入館券を発行するとかをやってはどうかと思いました。
(しかし、不思議なことに伊勢神宮が運営する神宮徴古館とかせんぐう館のチラシはなかったような・・・)

 このように素晴らしい施設ですが、一つ心配な点は、三重県の厳しい財政状況のため、博物館の運営経費が当初想定より2割近くも削られ、経費節減と収入増加の厳しいノルマが与えられていると聞き及ぶことです。(例えば中日新聞の記事はこちら takopom.net が保存したキャッシュ)
 上述のように、入館者はオープン効果によって順調ですが、これを来年も再来年も未来永劫続けていくのは非常に困難とも思えます。

■MieMu みえむ 三重県総合博物館 公式ホームページ 



0 件のコメント: