2014年6月11日水曜日

熊野古道・伊勢路がストリートビューに!

ユネスコの世界遺産にも登録されている 熊野古道(伊勢路) をグーグルのストリートビューで閲覧できるよう、三重県南部の紀北町、御浜町の2つにまたがる、その名も「みえ熊野古道商工会」が、画像データの撮影を行っていることが新聞で取り上げられていました。

 熊野古道は、大阪から和歌山県を経由して熊野三山(熊野本宮、那智大社、速玉大社)に至る、いわゆる蟻の熊野詣の、大辺路、中辺路などが有名です。
 一方で、伊勢神宮と熊野とを結ぶ三重県側の熊野古道は「伊勢路」と言われています。
 その伊勢路の大部分は今では近代的な舗装道路となっていますが、急峻な峠道の区間は自動車道への改修が技術的に不可能だったこともあって、当時の姿で現存しているところも多く、深い緑の木立の中を石畳の古道が辿っている光景は、ある種の神々しささえ漂う美しさがあります。

 グーグルは昨年から、地域の団体や組織の協力を得て、ストリードビューに載せるための道路の画像撮影作業を委託する「トレッカーパートナープログラム」なるものを行っています。
 希望する団体にストリートビュー用の撮影機材である「トレッカー」を貸し出し、借り受けた団体はトレッカーを自分たちで操作して撮影を行います。
 熊野古道のように基本的に歩行しか不可能な道路の場合、撮影は重さが20kgもあるというトレッカーを背負って実際に道を歩きながら撮影をしていくそうです。



 熊野古道伊勢路のうち、市街化で完全に消滅した部分を除き、古道の雰囲気を湛えている区間は伊勢市近郊の玉城町(たまきちょう)から、三重県最南端にあって熊野川を挟んだ対岸が和歌山県新宮市(速玉大社の鎮座地)である紀宝町(きほうちょう)に至る146kmに渡りますが、撮影は商工会の職員が4月から6月にかけての17日間にわたって、歩いて行ったとのことです。

 この「トレッカーパートナープログラム」、撮影に必要な費用はすべて請け負う団体が負担し、グーグルは機材を貸し出すのみです。しかも公道でない私道を撮影する場合には地主からグーグル宛の撮影許可書をもらう必要があるなど、撮影者にはその地域での調整機能が強く求められることから、撮影者になるのは観光協会やNPO、大学といった非営利組織が想定されています。

 みえ熊野古道商工会も、地域にとって最大の観光資源である伊勢路の映像をストリートビュー化し、世界中に公開することで、国内外からの観光客誘致につなげたいとの意図があるそうで、わしも、おそらく本当にかなりの効果はあるのではないかと思います。

 問題なのは、パソコンやタブレットでストリートビューを見たお客さんを、実際にどのようにここに誘導してくるかです。
 熊野古道・伊勢路は道路という特性上、各市町村、さらには各県が、自分たちのエリアにある峠道などは観光パンフレットに取り上げますが、全区間に渡るトータルな情報発信が弱いというのは積年の課題でした。
 さらに、古道は山の中を通るのでトイレがなかったり、あるいは逆に、今でも地域住民の生活道路となっている区間に観光客が押し寄せる、といった問題もあります。
 最大の問題は、国際化対応が決定的に遅れていることで、現地には外国語の表示や標識がほとんどなく、仮に日本語が不自由な外国人観光客がやってきた場合、その人も、地元も、双方にとって困ったことになる事態も予想されます。

 今回のみえ熊野古道商工会の取り組みは非常に意欲的で有意義だと思いますが、ストリートビューに掲載後の対策にも戦略が必要なようです。


■みえ熊野古道商工会  http://miekodo.or.jp/

■はんわしの評論家気取り 飛び地合併商工会という社会実験(2013年11月6日)


  

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