2014年6月20日金曜日

三越伊勢丹松阪店(仮称)は翠松閣跡に?

 松阪市が誘致を目指している、百貨店大手の三越伊勢丹の建設地について、昨年8月に閉店した松阪肉専門レストラン「翠松閣」の跡地(松阪市殿町)が有力になっていると一部の新聞が伝えています。
 三越伊勢丹の松阪市出店については、以前もこのブログに書いたように「百貨店」というビジネスモデルが大きな曲がり角を迎えている中、大手総合スーパーと同様に、都心から離れた郊外や地方都市に小規模な店舗を展開するという戦略による出店の可能性はなくはないというのがわしの読みです。
 実際に三越伊勢丹は、「新しい編集型小型店」と位置付ける、MI PLAZA(エムアイプラザ)なる新業態を昨年夏から、東京都青梅市、仙台市、千葉県佐倉市、新潟県上越市などで展開しており、松阪市についてもこの形態となる可能性が強いと思われます。

■三越伊勢丹ホールディングス  あたらしい編集型小型店ビジネスの展開について  (2013年8月16日)

 ところで、報道によると翠松閣は松阪市役所の至近に位置していることから、手狭となっている市役所の別館的な役割も期待できるという意見もあるようです。
 これに関連して、たまたまなのですが大変興味深い事例を見つけました。


それは、栃木県栃木市に今年3月オープンした東武百貨店栃木店の事例です。
 この店舗の所在地は栃木県栃木市万町9-25。ここは、栃木市役所の住所と同じです。
 つまり、栃木市役所の中、正確には1階部分(2880平方メートル)が東武百貨店になっているのです。
 ちなみに2階と3階は市庁舎、4階は市議会議事堂と議会事務局、教育委員会等になっています。

 ユニークなのは、市役所の1階にデパート(それも比較的小型の)ができた経緯です。
 もともと、栃木市役所は市内の別の場所にあり、老朽化による建て替えが課題となっていました。

 そのような時、市の中心部にあった地元資本のデパート「福田屋」が業績不振により店舗を閉店することとなったのです。平成23年2月のことでした。

 市では、福田屋からの取得への打診や市民からの要望を受け、対策検討委員会を設置して店舗の利活用に向けて協議を行いましたが、建物の状態が良好で補修により長期使用が可能であることなどから、同店舗を市庁舎として利活用することが望ましいとの結論に至りました。
 この結論は市長へ答申され、市議会での議論を経て、市はデパート店舗を市役所庁舎へ再利用するすることを決めたとのことです。(もっとも、改修工事費として21億円がかかっていますが、仮に市庁舎を新築する場合には65億円が必要と見積もられていたことから、大きな経費の節減となったことは事実のようです。)

 その東武百貨店栃木店は、食とギフトのスペシャリティストアをコンセプトとし、生鮮品や総菜、菓子類などの食料品を中心に、化粧品、雑貨、婦人服、学生服などの専門店が入居しており、年間売上高として22億円を見込んでいるそうです。
 栃木市の人口は約16万人で、おそらく商圏規模からいっても22億円の年商は決して巨大な額ではなく、三重県などと同様、郊外型のGMSのほうが売り上げ規模は大きいと考えられますが、それにしても市の中心部にあり、値段は少々高くとも「良い品物」「御使い物に恥ずかしくない品物」を扱っているデパートがあることは、都市にとって一つのステータスなのは間違いありません。

 松阪市は駅前商店街の活性化に長年取り組み、街路整備などのハード事業と共に、イベントや空き店舗対策事業、インターネットの活用といったソフト事業にも取り組んできており、どうしても時流による限界はあるにせよ、今でも比較的中心市街地に活気があるまちづくりを実現しています。

 もし首尾よく三越伊勢丹ができるとしたら、これまでのまちづくりと相乗効果を生み、中心街市街地のブランド力を高めるような店づくりをしていただきたいと思います。
 

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