2014年6月26日木曜日

NPO向け信用保証制度が解禁?

 今日の日本経済新聞に、政府(経済産業省中小企業庁)が来年度にも、NPO法人に対する信用保証制度を解禁する方針であることが報じられています。

 信用保証とは、政府による中小企業向けの金融支援制度です。信用力が低い中小企業などが金融機関から借り入れを行う際に、全国の都道府県などに設置された「信用保証協会」が、中小企業から手数料(保証料)を徴収するかわりに債務保証を行い、万が一返済が滞った(=焦げ付いた)際には信用保証協会が債務の一部を肩代わりするもの。
 信用保証協会のような公益的な機関が関与することで、市中の金融機関からの中小企業への資金融通をスムーズにしようという制度です。

 今回の「解禁」の骨子は、NPO法人が融資を受ける際に信用保証を受けられるようにし、焦げ付いた場合には債務の8割を信用保証協会が、残り2割を貸出した金融機関が負担する「責任共有制度」を創設するというもので、政府では今秋に向けて具体的な制度設計を詰め、関連法である中小企業信用保険法を改正のうえ、制度を平成27年度からスタートする見通しであるとのことです。

 今でも世間ではNPOとは「非営利活動」をする組織であり、会社などとは異なって事業から収益を上げることができないという誤解が非常に多いのには辟易します。
 もちろんこれは誤りで、事業から一定の収益を挙げなければ、そもそもNPOが活動を存続していくことすら不可能です。そうではなくて、禁じられているのは利益を(株式会社の配当ように)出資者に分配することであって、実態として多くの場合、経営にスキルや人材、資金が必要であることは会社経営と変わるところがありません。

 しかし、信用保証制度は株式会社や有限会社、合同会社、協同組合、企業組合、個人事業主などの、いわゆる「中小企業」だけに適用され、NPO法人は排除されてきました。これは、日本は官庁の縦割り行政なので、中小企業の所管は経済産業省、NPOの所管は内閣府と別々であるためではないかと思います。

 現実には、新しく起業・創業する場合、会社の形態以外にNPO法人で起業する方も多くいらっしゃるし、聞くところでは女性が起業し法人化する半数くらいがNPOを選択しているという声も聞いたことがあります。 
 NPOは会社に比べて設立の手続きが煩雑であるデメリットがありますが、おカネの集まり(資本)が中心の「会社」組織でなく、人的なネットワークが中心の組織であってソフトな印象があること、社会に役立っている、ボランティア精神が根底にある、といったようなイメージも強いことなどから戦略的にNPOを選ぶケースも少なくないでしょう。
 特に社会福祉分野や、子育てとか教育などのコミュニティビジネスの分野では、NPOという形態のほうがビジネス上むしろ有利に働くかもしれません。

 よく言われる話ですが、アメリカやヨーロッパでは、NPO法人に代表される非営利セクターは、ごく一般的に雇用先(就職先)と認識されており、日本のように何か特別なイメージはありません。
 アメリカでは全就業者数の約10%は非営利セクターが占めており、ヨーロッパもほぼそれくらい。現在は4%程度の日本も、国民の生活様式や勤労意識などが変化していく中で、NPOが雇用の受け皿として存在感を高めてくることは間違いないでしょう。

 したがって、次に問題となってくるのはNPO法人の健全な経営と競争力の強化であり、この意味では中小企業の経営を行政が支援するのと同じように、NPOの運転資金や設備投資への資金需要に対して、金融機関からの融通を円滑化することは時代の要請とも言えます。

 わしはすでにこのブログで、商工政策(産業政策)としてNPOを支援すべきと書きましたが、やっと時代が追い付いてきたようです。(というか、すでに多くの識者が指摘していたことをわしが受け売りしただけなのですが。)

 

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