2014年6月28日土曜日

心配なし、とせず・・・

 伊勢新聞が6月27日付けのコラム「大観小観」で書くように、三重県知事の夫人が公益財団法人 三重県体育協会のナンバー2である副会長に就任したことは、少しヤバめな話ではないかと思います。
 日本一若いという知事が推し進める三重県政ですが、その中の一部に、驚くほどの「質の低さ」が垣間見えるのは、まさにこのような事象が典型的です。

 三重県体育協会は、スポーツの健全な普及活動を図り、県民の体力向上、健康増進、青少年の健全育成に寄与することを目的としており、ホームページによれば具体的な事業として、国民体育大会事業、スポーツ選手の強化育成事業、成績優秀者等の表彰事業、スポーツ指導者の支援事業、総合型地域スポーツクラブ育成事業など、数多くの有意義な事業を行っているようです。
 一方、財政運営の点から見ると、収入の大部分は三重県からの補助金や事業受託収入が占めており、特に三重県営総合競技場、三重県営鈴鹿スポーツガーデン、三重県立鈴鹿青少年センターの3つの指定管理業務を中心とした受託収入(受取県費委託金)が約3億円、その他の県補助金が約8百万円にのぼっており、経常収益の約41億円のうち77%を占めています。(平成24年度公益財団法人三重県体育協会 正味財産増減計算書を参照のこと。リンクはこちら

 このように県との相互補完関係が強い団体ではあり、仮に ~あってはならないことですが~ 知事との癒着が生まれれば、健全な組織運営ができない恐れが生じ、また、県の体育行政の公平性にも疑念を持たれる可能性があります。
 これが建設業者など、地方自治体から公共工事を請負う民間企業である場合には、地方自治法に兼業禁止規定と呼ばれるものがあり、地方自治体の首長や議員は、その企業の役員に就任することができないという歯止めがあります。(第142条)
 ただ、これは知事や市町村長、議員の本人だけを縛るものであるので、先進的な一部の自治体ではさらに厳しい政治倫理条例などを定め、本人に加えて一定の親等内の親族も、関連が深い企業の役員には就任できないという自主規制を設けているところもあります。

 しかし、指定管理業務の場合には、一般的には地方自治法の兼業禁止指定は適用されません。これは、指定管理者の「指定」とは法律上の「契約」や「請負」ではなく、「行政処分」の一種と解されているからです。このため地方自治法の契約に関する規定には該当せず、入札対象とはなり得ない(随意契約でOK)ほか、地方自治法の兼業禁止規定も適用されず、首長や議員本人、または親族が経営する会社を指定管理者としても法的に問題ないとされます。

 もっとも、公共サービスを民間に開放するという旗印にもと実現された、この指定管理制度が発足した当初から、公共施設の指定管理は運用いかんによって莫大な収益が得られることから、兼業禁止としないことは利権の温床となる可能性もあるという指摘も一部でなされていました。
(現実に、神奈川県平塚市のように指定管理者制度運用の手引きという自主ルールの中に「市長、副市長、議員などが役員を務める企業・団体や、同じくそれらの配偶者及び2親等内の同居親族が役員を務める企業等も指定管理者になることができない、と定めている例もあります。)

 繰り返しますが、今回の、三重県知事の夫人が指定管理団体の役員になることは合法です。あくまで政治倫理上の問題、政治姿勢の問題であって、違法ではありません。
 その一方で、三重県が定めた「コンプライアンスハンドブック」には以下のような記述があります。

 コンプライアンスは、一般的に「法令遵守」と訳されますが、三重県庁においては、「法令や社会規範、ルール、マナー(以下「法令等」という。)を遵守するとともに、公正・誠実に職務を遂行し、説明責任を果たすことによって県民の皆さんの信頼に応えていくこと」をいいます。  
 私たちの仕事が、県民の皆さんからの信頼によって成り立っている以上、法令等を遵守することは当然のこと、公正・誠実に職務を遂行し、何に基づき、誰のため、何のために業務を行っているのかを、県民の皆さんに説明できることが求められます。そして、職務以外においても、法令等を率先して遵守して、県民の皆さんの信頼確保に努めなければいけません。 

 これはあくまで三重県庁職員が遵守すべきものであって、体育協会のような団体や、ましてや「公職外」の知事夫人に適用されるものではありません。
 しかし、しかし・・・と頭をかしげてしまうのが、人情というものではないでしょうか?
 

1 件のコメント:

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 はんわしです。
 ブログ内で特定の個人名を出してしまうと検索エンジンで引っかかる可能性が高まるので、表現にはけっこう気を使っているつもりです。
 いくつかコメントいただきましたが、厳しい表現が使われており不穏当と判断しましたので掲載はいたしません。ご理解ください。