2014年7月16日水曜日

これはアウト、産地偽装

 農林水産省は15日、三重県紀宝町の有限会社 たなか が、国産牛肉商品に事実と異なる原産地を表示し、また、国産品の牛肉、豚肉及び鶏肉に原産地を表示せず、さらに、畜産物加工品に不適正な原材料名を表示し、一般消費者等に販売していたことを確認したことから、JAS法により表示の是正について指示を行ったと発表しました。

 同省ホームページによると、たなかは三重県御浜町内の「ピネ店」において、「紀和牛切落しスライス三重県産」及び「国産紀和牛コマ切れ肉三重県産」と表記していた牛肉に、他社から仕入れた三重県産以外の国産牛肉を使用していました。
 「三重県産」と事実と異なる原産地や、あたかも熊野市紀和町で生産されたかのように「紀和牛」と表示し、少なくとも平成24年1月から平成26年2月までの間に、1325パック(151kg)を一般消費者に販売していたということです。(リンクはこちら

 たなかは「ミートショップたなか」という店名で、三重県と和歌山県で数店舗を展開しています。豊かな自然環境にある自社牧場で、安全性を最優先した飼料と熊野山系の湧水を用いて肥育し、全国肉牛事業協会優秀賞を受賞したこともあるというブランド牛「紀和牛」を看板に、まちのお肉屋さんとして消費者の支持を集めていました。(左上の写真は、たなかのホームページから引用しました。)



 今のこのご時世に産地偽装とは、正気とは思えない愚かなことに手を染めてしまったものです。
 「魔が差した」のだろうと思いたいところですが、2年間も続けていたのが事実なら、故意なのは疑いを挟みません。

 わしが本当に残念に思うのは、実際にこの「紀和牛」は比較的安価なわりに大変に美味で、わしが尾鷲に住んでいたときにもバーベキュー用の牛肉を買ったり、御浜町に出張したときはピネ店で惣菜を買ったりしていた、いわばユーザーの一人だったからです。

 さらに、ミートショップたなかは、スーパーや量販店の台頭で一般的には苦戦しているところが多い地方にある専門小売店の中でも、チラシづくりやセール打ちなどの巧みな販促戦略に取り組んで「行列のできる繁盛店」として月刊誌 商業界に取り上げられたこともある、他店の模範ともなるべき優れた小売店だったからです。
 このことは、以前、このブログでも取り上げました。(はんわしの評論家気取り 中森製茶とミートショップたなかが「商業界」に 2013年3月14日

 この、裏切られたような虚無感を、どう表現したらいいのかわかりません。とにかく残念でなりません。

 中日新聞(7月16日朝刊)によると、社長らは「三重県産牛への要望が多く、表示できないことは承知していたが紀和牛と表示してしまった。」などと話しているようですが、地域に根差す小売業者の商道徳を放棄しているとしか思えません。
 ミートショップたなかが出直せるかどうかは、今までの膿を出しきり、真に反省し、初心に帰って正直な商売に戻るしかないでしょう。それが受け入れられるか受け入れられないかは、そのあとの消費者の判断によることになります。

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