2014年7月29日火曜日

IoT(モノのインターネット)ってなに?

 三重県鳥羽市にある国立鳥羽商船高等専門学校の学生が、7月下旬にアメリカ・シアトルで開催される情報技術を競う学生の世界大会 Imagine Cup 2014 へ出場するニュースが、ICTやスタートアップ情報サイトであるTHE BRIDGEに大きく取り上げられています。

THE BRIDGE より
 制御情報工学科の5年生から2年生の5人からなるチームが開発したのは、「かぞくぐるみ」というぬいぐるみをインターフェースにした遠隔コミュニケーションシステムです。
 子や孫が遠方に住んでいるためなかなか会うことができない高齢者とか、夫婦共働きで幼い子供の子守をするのが大変という夫婦など、核家族化の進展によりコミュニケーションが阻害されている問題を、ICTによって解決しようという発想から開発されたものだそうです。

 タブレットPCとジャスチャーセンサー、ぬいぐるみロボットから構成されていて、ぬいぐるみロボット内部には、二足歩行用ロボットアクター、Webカメラ、スピーカー、マイクが内蔵され、大人(親や祖父母)は遠隔操作により、自分のジェスチャーどおりにぬいぐるみを動かしたり、双方向から会話することが可能です。
 かぞくぐるみは4月に開催された国内大会 Digital Youth Award でも、組込み開発、ネットワーク制御、テレビ通話アプリなどの多様な技術を組み合わせてシステムを構築した高い技術が評価されて準グランプリを獲得していました。しかし、2位である同校が1位であった筑波大学と共にImagine Cupを主催するマイクロソフトから日本代表に選ばれたのは、Imagine CupではICT技術と同等に、その技術が社会問題に貢献するかどうかが評価されるものであるからのようです。(鳥羽商船同窓会ホームページに掲載されている新聞記事より。リンクはこちら

 THE BRIDGEの記事は、かぞくぐるみが「世界的にも注目を集める IoT 分野の作品だけに、世界決勝でどのような評価が得られるか楽しみだ。」と書いており、近年のトレンドであるIoT(Internet of Things)、つまり「モノのインターネット」的な発想のシステムであることに注目しています。

 IoTとは聞きなれない言葉ですが、Monoistによれば、最近、インテルがIoTを戦略として大々的に打ち出しており、がぜん注目が高まっているキーワードとのことです。
 簡単に言えば、パソコンやタブレット、スマートホンなど、いうなれば本来の情報通信機器がインターネットに接続していることは当然として、ネット環境を、自動車や家電、さらには時計や衣服やメガネや「ぬいぐるみ」や、あらゆるモノに持たせるようにし、総合的に活用しようとする概念です。
 
 具体的には
・タクシーの位置情報とワイパーの稼働状況をデータセンター側で収集することで、ワイパーが多く稼働しているエリア(=雨が強く降っているであろう場所)を特定し、そこに多くのタクシーを配車して効率化を図る。
・大型トラックに各種センサーを搭載して位置情報や加速度など、車両運行のあらゆる情報をリアルタイムにモニタリングし、運転手へ最適なルートや運転の仕方などを指示することで、燃費を大幅に向上させる。
・ソールに圧力センサーを組み込んだ「スマートスリッパ」で、本人が立っているかどうかを認識でき、転倒の可能性を予測できる。さらに多くのユーザーの歩き方のデータを分析した結果に基づいて、アルツハイマー病の初期段階にある可能性や、注意を要する精神疾患と身体疾患の徴候も予測できる。(これは24eightというアメリカのVBが商品化している)
 などで、いわゆるスマート家電とか、スマートハウス、クルマの自動運転などと共通しており、それをさらに普及させていくイメージです。

 ただ、ここまでIoTが普及することが果たして人間を幸せにするかどうかはわかりません。場合によってはコンピュータに常に監視され、がんじがらめにされて心が安らがないという人も出てくるでしょう。

 そこで大事なのは、ヒューマンインターフェースの問題です。これにはICTの高いスキルと同時に、人間の心理や感情もよくよく理解できる感性が必要で、現実問題としてこの両方に通じている人材をいかに育成するかがポイントになります。
 今回の鳥羽商船高専のチャレンジは、そんな若い優秀な人材 ~ものづくり産業に依存した古い産業構造を打ちこわし、ICTを活用した医療、金融などの高付加価値サービス業中心に日本を転換していく人材~ がどう育ってくるのかの視点も重要なのだと思います。
 なお、世界決勝は太平洋標準時間の8月1日(金)朝8時30分から(日本時間では、7月31日(木)の午後3時30分から)開催され、その様子はImagine Cupのサイトでライブストリーム配信される予定とのことです。
 
■国立鳥羽商船高等専門学校   http://www.toba-cmt.ac.jp/

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