2014年8月11日月曜日

台風が行っちまったあとに残るのは

 台風11号は、三重県に初の「大雨特別警報」を発令させるほどの歴史的な大雨をもたらし、去っていきました。津市や四日市市、鈴鹿市などでは観測史上何番目かの降雨量となったようですし、大雨に慣れている東紀州でも相当の降雨となり、幸い人的な被害は今のところほとんどないようですが、道路の寸断や家屋の倒壊、浸水、農業施設への被害など多くの被害を出しているようです。被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。

 さて、台風が行ってしまい、多くの人々にとって台風の記憶が過去のものに移り変わろうとしている時、伊勢湾や熊野灘の沿岸部で新たな脅威となるのが、河川の出水によって山からの倒木などが流れ出、海岸部に漂着し、おびただしく堆積する、いわゆる「漂着ゴミ」の問題です。

 三重県が平成23年度にまとめた「三重県海岸漂着物対策推進計画」によると、伊勢湾内の主要な海岸21カ所において海岸漂着物の実態を調査したところ、その内容はペットボトル、食品容器、生活雑貨、袋類、ふた・キャップ、ガラス瓶、発泡スチロールフロート、ロープ・ひも、浮き・ブイ、灌木、流木、樹脂破片などきわめて多岐にわたっています。
 また、これら漂着物の年間発生量は、推計で11,654トン(このうち三重県分7,822トン、愛知県分3,833トン)という膨大なものとなり、しかもそのうち、約5千トンは伊勢湾口の離島を有している鳥羽市内の海岸線に漂着します。

 これらの漂着ゴミは漁業の妨げになることはもちろん、景観や自然環境を保全する上からも大きな問題で、速やかな撤去が必要です。しかし鳥羽市役所によると、市や漁業関係者などによる撤去作業は、台風ごとに数百万円から数千万円単位の費用を要しており、この費用負担と、処理にかかる膨大な人的資源がネックになっているとのことです。(鳥羽市ホームページ かけがえのない海とともに生きる~漂着ごみ問題~より)




白龍(名古屋港湾事務所HPより)
 一つの明るいニュースは、このたび国土交通省中部地方整備局名古屋港湾事務所と鳥羽市との協力体制が整い、同事務所が保有する海洋環境整備船「白龍」が伊勢湾南部で回収した漂流物が、鳥羽港において処分することが可能になったということです。

 今までは白龍が回収した漂着物は、いったん名古屋港へ帰港してから処分しなければいけませんでした。漂流物がまだ海上に残っていても、コンテナの容量がいっぱいとなった時点で名古屋港へ帰港し、再度回収に向かっていたとのことで、今後は作業の効率化が望めるとのことです。

 同事務所のホームページによると、7月11日に東海地方を通過した台風8号の影響で河川から流出した流木等の漂流物を、白龍が7月15日~16日にかけて伊勢湾南部の海域で回収し、初めて鳥羽港で陸揚げ・処分作業を行いました。
 回収したのは約1.8トン(30立米)とのことで、これが多いのか少ないのかは素人のわしにはにわかに見当が付きかねるのですが、写真を見る限りでは、やはりそれなりの分量であり、こんなものが海をプカプカ漂流していては船の通行の妨げにもなるでしょうし、作業の迅速化が大いに期待できるようです。

 それから1か月。今度は未曽有の脅威を三重県に与えていった台風11号です。
 今回は、鈴鹿川水系の椋川や、津市の安濃川、岩田川、さらには雲出川なども警戒水位を超えるという大きな出水となったので、やはり大量のごみが伊勢湾に流れ込んだものと思われます。

 多くの関係者が当分の間、これらのごみ回収に奔走されるのでしょう。白龍の活躍に過度に期待するわけにもいかないでしょうが、回収・処理作業が安全に、スムーズに行われることを祈らずにはおられません。


■国土交通省  海洋環境整備船「白龍」 鳥羽港で初めて回収物の陸揚げ

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