2014年8月31日日曜日

一般国道で行く「道の駅」めぐり(不定期連載)

 いよいよ今日で8月も終わり。ここ数日でなぜか急に気温も下がって涼しくなり、何となく日の暮れる時間も早くなってきたような気がして秋の気配を感じるようになってきました。
 東紀州ネタについては、この春全通した高速道路(紀勢自動車道と、自動車専用道路熊野尾鷲道路)の効用についてるる書き連ねてきたところです。
 しかし、高速道路と並行して走る在来の一般国道(国道42号)は、観光車両や長距離トラックが高速に流れ、地元車両しか通らないことになってるためか、かなり走りやすくなっており、もし急ぐ旅でもなければ、むしろ下道を、道草食いながらえっちらおっちら行く方が楽しい、という向きもきっとあることと思うので、道の駅めぐりをやってみました。

 伊勢を9時過ぎにスタートし、度会町、大紀町を通って七保大橋から国道42号に入り、そのまま南下します。
 途中の沿道には、道の駅おおだい(大台町)、道の駅木つつ木館(大紀町)、道の駅まんぼう(紀北町)があるので、そこに寄り道しつつ行って帰ってくるというドライブです。

 約1時間で、道の駅 奥伊勢おおだい に到着。意外にも、というべきか、大変賑わっていました。
 この道の駅は、すぐ隣が大台町役場や消防署。同じ敷地には食品と衣料品のスーパー、ドラッグストア、大型書店が建ち並ぶ一角にあって、立地上は非常に有利な場所にあります。


 ところが、開業後に高速道路の延伸によりインターチェンジがここから2kmも離れた場所にできたことから、高速道路を利用する観光バスはここを素通りしてしまうことが大変危惧されていました。

 そこで、観光客向けだった商品ラインナップを大幅に見直し、地域の農家や生産者の協力を取り付けて、朝どれの野菜や果物、加工食品などを豊富に揃えました。スーパーの鮮度に飽き足らない地域住民を顧客に取り込む戦略に出て、これが大成功しました。非常に見事な事例です。
 実際、お店のスタッフもお客にハキハキあいさつし、気持ちのいい対応をしてくれます。ちょうど熊野古道観光の一行を乗せた観光バスが到着し、乗客が続々と道の駅おおだいに吸いこまれていきました。大変活気のある道の駅でした。

 その道の駅おおだいから5km足らず。ほんの5分ほど離れた場所に、道の駅木つつ木館があります。
 ここは、伊勢神宮の別宮(社格の高い分社)である瀧原宮(たきはらぐう)があり、多くの参詣者が集まる場所です。

 しかし、残念ながら、駐車場はガラガラ。店内に入ってもお客は数名で、おおだいとは鮮やかな対比をなしていました。

 なぜこんな至近距離に道の駅が2つあるかですが、これは、おおだいがあるのは大台町、木つつ木館があるのは大紀町(合併前は旧大宮町)という別の地方自治体に立地しているからです。
 ここいらに道の駅が建ったのは、平成の初め。バブル景気が崩壊し、地域経済対策として大型公共工事が国によって推進された時期です。
 ちょうど、まちおこしや一村一品運動のような、農村の活性化という問題意識が地方にも浸透してきたタイミングと重なっており、各自治体はこぞって道の駅を誘致したのです。
 しかし、言うまでもなく、道の駅で重要なのは建物というハードウエアでなく、もてなしや品揃え、オペレーションといったソフトウエア、つまり経営ノウハウです。
 木つつ木館は旧大宮町の地場産業である林業を前面に出し、木材加工品や家具、カトラリーなどの品揃えが充実していますが、顧客とはミスマッチとなっている間に、高速道路が延伸して頭の上を飛び越えていってしまったのです。

 つらいのは、地域の強い要望や、地元自治体の産業活性化策として建設された物販施設で、事実上は道の駅でありながら、国土交通省から道の駅という「お墨付き」をもらえなかった施設です。
 それが、ここ、山海の郷 紀勢 です。

 ここは木つつ木館から10kmほど。車で15分もあれば着いてしまいます。このような近くに建っているのは、やはりここが大紀町に合併する前の旧紀勢町に位置するからです。

 山海の郷 というネーミング通り、海の幸、山の幸が取り揃えられてはいるのですが、道の駅ではないため広域のドライブマップや観光ガイドに明記されることもなく、そのせいばかりかどうかはわかりませんが、わしが立ち寄った時はお客がまったくいないという開店休業状態でした。
 売っているのが鮮魚とかなので、正直、ドライブ客がこれらを買うだろうか、という疑問を強く感じます。加工食品もひものや漬物、つくだ煮といった差別化要因の低いアイテムで、これは商品開発、テナントミックスから抜本的に取り組まないと相当に厳しいと思います。ぜひ頑張っていただきたいです。

 山海の郷から15分ほどで、頭之宮四方神社(こうべのみやよもうじんじゃ)に到着します。
 古来から、頭(首から上の病気、けが)に霊験あらたかとされ、現在は学力向上や入試必勝など、学業成就の神様としても崇敬を集めています。

 実は、私事ですが、家族の体調が思わしくなく、その回復祈願にやってきたのでした。
 ただし、参拝者の圧倒的多数は、就学児童を連れた家族連れで、子供たちがしきりに絵馬に願い事を書いています。

 その横で、御札所におられた神職の方に、「すいませんが脳の病気に効くお守りはどれですか?」と聞くと、まわりが、はっと引いていくのがよくわかりました。
 
 しかし、神職の方は慣れたもので、そうですなあ、それならこのお守りはどうでしょうか、と勧めてくださり、わしもそれを頂いていくことにしました。
 わしが高校生の時、教師の一人に耳の不自由な(片方の聴力がないと聞きました)先生がいました。
 その人の授業はなんにも覚えていないけれど、授業の合間の雑談の時に、「子供の耳が聞こえないことを親は大層心配して、幼いころにはほぼ毎月、親に頭之宮さんに連れられてきたいた。その頃は今みたいに受験がどうのではなく、目や耳の病気の人がたくさん来ていた」みたいな話を聞いたことがありました。

 境内にあった由来によると、ご鎮座地にほど近い場所に居城があったという、桓武天皇の末裔 唐橋中将光盛卿なる人物の霊が顕現し、自分を祀るように託宣したことが創建の経緯とのことです。卿は、どくろ(頭蓋骨)となって現れたそうなので ~それを見つけた童たちがどくろで遊んでいたところ、これを咎めた老人に卿が憑依したとの言い伝えがあるそうです~ その関係で頭方面の神様というわけなのでしょう。
 ともあれ、ここは神頼みです。

 どうでもいいことなのですが、国道42号の交差点から頭之宮に行く途中、大内山牛乳の工場があるのですが(「ちなみに、ここは大紀町に合併する前の旧大内山村に位置します)、この工場のガードレールが乳牛のホルスタイン模様になっていました。


 写真が見にくいですが。本当にどうでもいいことですいません。

 さて、このドライブのクライマックスが、このブログでもたびたび取り上げている 道の駅まんぼう です。
 まんぼうは、国道42号の難所の一つである荷坂峠を降り切った、片上池という池のほとりに立っています。実際に車で走ってみるとわかりますが、急カーブが連続し、大内山からだと急な下り坂が延々と続く荷坂峠を走り終え、やれやれとドライバーがほっとする、ちょうどその、絶妙な位置に立地しています。
 このため、このまんぼうは三重県内はもとより、東海地方全体の道の駅でも有数の集客を誇っていました。
 取扱商品も3千アイテム以上あり、わりと小規模な土産物店機能がほとんどだった20年ほど前の一般的な道の駅と比べて破格のスケールがあったのです。

 紀北町(合併前の旧紀伊長島町)の特産である まんぼう(魚の)の料理なども販売されており、マンボウの串焼きなどはここでしか味わえない珍味としてマスコミにもたびたび登場しました。

 しかし、その道の駅まんぼうも、3月の高速道路全通によって大きな影響を受けています。
 かつては車やバイク、観光バスであふれていましたが、お昼近くでも半分ほどしか埋まっていません。
 ただ、わしのような東紀州マニアにとって、ここが面白い店であることは変わりません。東紀州の農家、漁家、食品加工業者、木工業者などが次々と新商品を開発しては、この道の駅でリリースしているからです。
 今日は、紀北町にある奥川ファームの特別栽培米を購入しました。特別栽培米とは、農薬と化学肥料の使用量を50%削減して栽培したもので、品質を公的機関が認証しています。5kg入りで2300円なので高価ではありますが、獲れたての新米とのことだったので購入してみました。今晩早速炊いてみます。

 というわけで、片道約2時間のドライブでした。良くも悪くも、道の駅には高速道路の影響が大きく出ています。もし機会があれば、次回は、マンボウ以南の道の駅を訪ねてみたいと思います。

0 件のコメント: