2014年8月7日木曜日

空き家は減らない

 総務省が7月29日に発表した 住宅・土地統計調査結果(速報)によると、平成25年10月1日現在の全国の住宅総数6063万戸のうち820万戸が空き家であり、その割合は13.5%にものぼるとのことです。平成20年の前回調査に比べ、総住宅数は305万戸の増加、空き家数も63万戸増加し、それぞれ過去最多となりました。
 空家率を都道府県別に見ると、山梨県の22.0%が最多で、次いで長野県の19.8%、和歌山県が18.1%となっています。ただし、これは別荘のようないわゆる二次的住宅も含んだ数字なので、それを除いた(実際の居住用住宅に近い)ベースでは、やはりワースト1位は山梨県(17.2%)であるものの、以下、愛媛県、高知県、徳島県、香川県と続き、四国4県の空き家率が高いことが特徴となっています。
 ちなみに、三重県の空き家率も決して低いわけではなく、二次住宅含む総住宅ベースで14.8%(12位)、除いたベースでも15.5%が空き家です。

 このように空き家が増えている理由は、基本的に人口の減少によると考えられ、さらに地方から都市部への人口流出や、空き家を撤去して更地にすると固定資産税の軽減措置が受けられなくなり税負担が重くなるため、相続した住宅をそのまま空き家にしているケースも多いものと考えられています。

 時事通信社による地方公務員向けの業界情報サイトである「官庁速報」によれば、特に固定資産税の軽減対象が原因の空き家を抑制するため、政府は、現行は空き家であっても取り壊さない限りは軽減特例措置を受けられる制度であるところ、自治体が「危険な建物」と判定した空き家については特例の対象から外すようにし、所有者に早期撤去を促すよう制度改正を目論んでいるとのことです。(平成26年8月1日付け)

 わしも経験があるのですが、近くにボロボロの空き家がある、その近所の住民の心配は並み大抵のものではありません。大雨や台風のたびに、こちらへ倒れ掛かってこないか、かわらが吹き飛んでこないかと心配ですし、昨今は放火や不法投棄なども心配です。
 あくまで私有財産なので、市役所に相談しても ~仕方がないことではありますが~ 市として対応することはできないということになりますし、不動産登記簿を調べても現在の所有者はよくわからず、結局、いろいろなツテをたどっていって、やっと権原を持つ方に撤去をお願いすることができました。
 それまでに丸一年かかったので、けっこう膨大なエネルギーを費やしたことになります。

 その意味では、国のこの検討は非常に良い方向だと思います。
 そもそも、空き家が増えているのに新築の家も増えているというのは、日本の建築業界、不動産業界の宿痾ともいえる、「新築信仰」が大きな原因です。
 つまり、人口は減っているのに供給は過剰なので、結局、人が住まなくなる古い住宅がどんどん限りなく量産されるのです。対策には資産価値を保持するようなビジネスモデルの変化が必要ですが、ではどうすれば業界の消費者の意識は変わるのでしょうか。
 
 日経ビジネスオンラインの連載記事「限界都市・東京」が書くように、過疎化高齢化や、経済成長の牽引役が工業という分散型の産業から、人口集積地でイノベーションが起こる高度なサービス業に転換していくことは不可避であり、将来にわたって、いかに都市をコンパクトにしていくかは避けて通ることができません。その文脈でないと空き家問題も解決しないでしょう。
 究極的にはコンパクトシティの成功例といわれているアメリカオレゴン州ポートランドを見習って、そのエリア外では開発行為が禁止されるのはもちろん、市民は基本的にそのエリア内で生活することが義務づけられるというドラスチックな都市計画である「都市成長境界線」を導入する以外に根本的な解決はないでしょう。(NBOの記事へのリンクはこちら。無料で読めますが会員登録が必要です。)

 
■はんわしの評論家気取り  Uターンの決心はつきましたか?(2011年8月12日)

                  JOINが空き家専用サイトを開設(2010年8月31日)

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

先日のnhk日曜討論はひどかった
特に学者。現実の問題に無意味なコメントを連発。大学教員は害悪の存在。