2014年8月9日土曜日

生命保険を替えてみて思ったこと

 わしが生命保険に入ったのは、入庁から3年目、いわゆる新採の「2年落ち」で出先に異動した時でした。
 ある日、仕事から帰ってきたら、親の友達だという某大手生命保険会社の外交員(保険のオバちゃん)が家にやってきており、「あなたもそろそろ生命保険に入らないと、親御さんもご心配でしょう」とか、「これから結婚したり、お子さんができたりして、あなたは一家の大黒柱になるんだから」みたいなセールストークをされ、一日目、二日目は何とか話をそらしていたものの、これが三日も四日も続くと、まあ、いつかは遅かれ早かれ世間様並みに自分も生命保険とやらには入らないといけないだろうし、正直、細かい説明を聞いているのがしんどくなってきて、いわば根負けしたような気持ちで契約したのがそもそもでした。

 あれから四半世紀近くたち、それこそ結婚とかで契約内容を見直ししたことは何度かあったものの、基本的に月2万円近くの保険料をずーっと支払い続け(というか、給料から天引きされ続け)、その支払い総額は冷静に考えると恐ろしいほどの巨額になります。

 幸い、今まで死にもせず生きているし、大きな病気も怪我もなく、結局保険金の支払いを受けたことはほとんどありませんでした。
 しかし、この春、わしの年齢の関係で、保険のオバちゃんから、「4年後には保険料が月4万7千円に値上がりします」と事前予告されたのにはびっくり仰天しました、
 とてもそんな保険料は払い続けられないし、しかも契約内容をよく読み直すと、わしの保険は保障は一生涯と書いてあるけれど、同時に保険料も一生涯払い込み続けなくてはならないもので、我ながら迂闊きわまりないのですが、これはイカン、何かもっと掛け金の安い保険を捜して見なければ、と思うようになったのでした。

 その頃から初めて意識し出したのですが、ショッピングセンターの一角とかに、「保険のなんちゃらぐち」とか「保険なんちゃら本舗」とかいった類の、あなたの生命保険、医療保険を見直します、という相談サービスがわりと多くあることに気付きました。
 相談は無料、という売り文句は、要するにここでお客が保険会社を乗り換えて新規契約すればその手数料が相談店(保険代理店)には入るという仕組みで成り立つのだろうとは理解できましたが、まあ半信半疑、その窓口の一つに行って見ることにしました。

 結論から言うと、その相談店の担当者の方 ~ファイナンシャルプランナーという肩書きをお持ちでした~ は大変説明がうまく、生命保険とは何か、医療保険とは何か、どういう仕組みなのか、保険会社はどうやって利益を得ているのか、について結構突っ込んだ説明をしてくれました。これが大変勉強になります。
 そのうえで、いま自分に(つまり、わし自身に)に必要な保険はどんなものなのか、掛け金をどれだけ負担できるか、万一にどれぐらい保障がいるか、こんなオプション(特約)も付けたほうが良い、こんなのは要らない、と、これまた細かく丁寧に相談に乗ってくれます。

 結局、わしはその相談店に計3回通い、時間にして7時間くらい相談に乗ってもらいました。
 で、最終的に、今まで契約していた某大手生保は解約し、新たに65歳で払い込みが終了するタイプの生命保険と医療保険に新規加入することに決めました。いわば、その相談店の思う壺にはまってしまったわけです。
 しかし、わしにとって納得できる選択でしたし、非常にすっきりした出来事でした。今月からは、その新しい保険会社との契約になっています。

 この間の二ヶ月ほどの経験からわしが感じたことなのですが、3つあります。

 まず、当たり前のことですが、すでに生命保険や医療保険に入っている人は、その契約内容をよく理解し、もしくはよく思い出しておくのは大事であるということです。わしのように、すべてオバちゃん任せで、いわば惰性で保険料だけ払っていた人間は、本当に必要な時に、せっかくの保険を使いこなせない可能性が高いでしょう。
 保険にもブームとか、トレンドのようなものがあって、90年代のまだ金利が高い頃は貯蓄の役割もかねた保険商品が多かったようですが、現在は難病(特定疾患)の先進医療がカバーされているとか、日帰り手術もカバーされているとかがポイントになっているようで、そういう保障内容にバージョンアップすべきかの検討も、まず今の自分の契約内容がわかっていないとできないわけです。

 二つ目は、少なくともわしにとって自分にぴったりな保険は、生命も医療も、いわゆる外資系の保険会社だったということです。
 外資系の保険会社、たとえばアフラック、メットライフ、アクサ、マニュライフなどはよくテレビでCMをやっていて、「保険料が安い」とかを強調しているので何となくウサン臭く思っていたのですが、いろいろ教えてもらうと、費用対効果は明らかに国内の保険会社の商品よりこちらが優越していました。

 三つ目は、上記と関連しますが、以前このブログにも書いたように、日本がTPPのような自由貿易協定を結ぶと、危ないのは農業などではなく、むしろ国内のサービス業である、ということが今回の件で実感できたことです。
 保障内容は国内大手と変わらないかむしろ手厚いのに、保険料は安い、あるいは短期間で払い込みが終わる、という外資系の保険商品は、そもそも設計がしっかりしている ~合理的にリスクヘッジされている~ ことにほかなりません。たとえば、外資系の保険は喫煙者は禁煙者より保険料が割高なことを初めて知ったのですが、国内大手生保ではこんなことはありませんでした。
 また、外資は多くが無店舗で、病気や怪我の連絡や支払い交渉は代理店が行います(原則、加入者が来店して手続きをする必要があるそうです)。一方、国内大手は、もちろん保険のオバちゃんが全部やってくれます。
 このようにフェイストゥーフェイスのきめ細かいサービスが国内大手の強みといえば確かにそうですが、これは逆にコスト高の原因になっており、保険会社としては競争力につながっていませんし、加入者の利益にも必ずしもなりません。年に何度かオバちゃんが持ってくる、カレンダーやタオルやウチワといった粗品(しかもパテントの高そうな有名キャラクターや有名タレントを起用している)は、ありがたいと思う反面、こんなもの別に欲しいわけではないんだけどなあ、ともよく思ったものです。
 つまり、日本国内の生命保険会社はビジネスモデルがドメスティックで、もし金融や保険の自由化がどんどん進めば、外資系にはなかなか太刀打ちできない可能性が高いのではないでしょうか。

 もちろん、これらはわしの勝手な感想です。実際に保険の良し悪しは、いざという時にどれだけ親身に、的確に対応してくれるかですので、その時に初めて、わしの選択が正しかったのか、それとも間違っていたのかがわかることになります。
(なので、これをみなさまにお勧めしようとは思いません。もし必要ならこんな選択肢もあるよ、という参考にしていただければと思います。)

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