2014年10月23日木曜日

鳥羽商船高専が、またまた受賞

鳥羽商船高専HPより
 先日、岩手県で行われた全国高等専門学校プログラミングコンテストにおいて、鳥羽商船高等専門学校の学生が優秀賞(準優勝)と特別賞(3位相当)を受賞したと同校が公表しました。

 自由部門で準優勝した「はなまるフォーム」というプログラムは、スポーツの上達をサポートするアプリで、簡単な操作で自分や手本となる人の動きを確認することができるというもの。
 課題部門で3位となった「人(ヒート)マップ」は、人の行動を地図に可視化するアプリで、SNSなどから情報を集めて地図にまとめることにより、災害時などに「この道は冠水しているようだから別の道を通ろう」といった判断をできるものとのこと。

 「はなまるフォーム」は、審査員からも「素晴らしい!」「アプリとして配信しているのか」と絶賛の声が上がり、NICT賞として「起業家甲子園」への出場権も獲得したそうです。
 鳥羽商船高専は、今月、東京で開催されたU-22プログラミング・コンテストにおいても、「P.M.カラオケ-Projection Mapping KARAOKE-」なる次世代のカラオケシステムが経済産業大臣賞(最優秀賞)を受賞しています。

 スマホの浸透によってユビキタス社会が現実のものとなり、ICT産業が経済を牽引していくことが間違いない21世紀において、若者たちのこの活躍は、三重県にとって喜ばしい、明るいニュースであるということができます。彼ら彼女らに、心から敬意を表したいと思います。

■鳥羽商船高等専門学校   http://www.toba-cmt.ac.jp/

 その一方で、実に「残念」なのが大人たち、特に地方自治体で行政の実務に就いている公務員たちです。


 毎日JPなどによると、昨日、三重県伊勢庁舎において、伊勢志摩地域の人口急減対策を話し合う会議が開催され、県と、伊勢市、鳥羽市、志摩市の3市、度会郡玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町及び多気郡明和町の5町の職員ら計30名が参加しました。

 国の少子化対策や地方創生の取組みについて、厚生労働省と総務省から出向している県職員が説明したほか、意見交換が行われ、市町からは
・働く場所がないのが現状だ。1次産業で収入が確保できる施策を考えたい
 とか
・観光で訪れる交流人口を地域産業と絡める仕組みを作り、突破口にしたい
 などの意見が出されたとのこと。

 昨日もこのブログでも書きましたが、大変残念なことに、地方行政の最前線にいる公務員ほど「夢よもう一度」的な、地域再生、産業再生に囚われているのです。
 第1次産業で収入が確保できるのは、精密農業や6次産業化のような高付加価値な農林水産業が行える少数の農業経営者、漁業経営者に過ぎません。
 しかも、あくまでもこれらは建設業や製造業、商業、サービス業といったあまた存在し、地域を支えている産業のごく一部です。今後、第1次産業だけが地域の主力産業に再生することは絶対にないのです。
(この意味で、鳥羽志摩地域の海女を増やそうなどと行政が動いていることは、時代に逆行する愚行としか思えません。)

 繰り返しますが、これからの経済はサービス業が中心になります。
 従事者と顧客の数の上でも、介護福祉や医療が多数を占めざるを得ませんし、労働者の働き方が多様になる中で、個人や家族の私生活の充実がますます望まれるようになり、生活を豊かにしてくれる商業やサービス業へのニーズが一層高まるからです。
 高齢化によってリバースモゲージのような金融商品も普及していくでしょう。これらは資産価値が低迷する地方でこそ運用が重要な課題となるので、リスクをヘッジするための金融サービスはもっと身近になって来るでしょう。
 製造業や建設業、農林水産業は、機械化が進んでますます従事者は減っていきます。生産性を向上することがこれらの産業の至上命題なので、これで雇用を確保しようという発想はかなり無理があります。

 伊勢志摩にはせっかく、鳥羽商船高専のような優れた教育機関と若者たちがいるのですから、彼ら彼女らが磨いたICTのスキルによって、地域で就職したり、起業したりできるような環境を整えることが、長期的に見て伊勢志摩の産業振興の要諦でしょう。このために、カネや人を集め、交流できるようなビジネス環境を整えることが喫緊の課題なのです。
 3市5町に求められるのは、このような(実現が確実な)未来の予想図を描き、その実現のために汗をかくことです。せっかくすぐ近くにある無限の若い可能性が見過ごされ、過小評価されているのは一住民として残念というほかありません。

 トホホの極みは、毎日JPが伝える次の質疑です。
(市町の職員からは)「これからは東京の独り勝ちになる。国の各省庁が地方に移転してはどうか」との質問があり、県側は「省庁が移るのではなく、役人の派遣へシフトするのではないか」と答えた。
 とのこと。
 この質問には、回答した国から出向しているという県職員も失笑せざるを得なかったのではないでしょうか。

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