2014年10月9日木曜日

10月25日/キャリア教育フォーラムin三重

 三重県内で広域公募型の学生インターンシップ事業「三重チャレ」を行っているNPO法人アトリオ(津市)が、第1回キャリア教育フォーラムin三重を開催するとのことです。

 三重チャレ事業は、「高校生インターンシップ」、「大学生インターンシップ」、そして「しごと密着体験」という3つから構成されています。

 高校生インターンシップは、高校生が主体的に企業などの事業所を選び、将来の自分の仕事に関連する活動を体験し、それを手掛かりに将来の人生設計や職業観を養おうというもの。
 大学生インターンシップは、高校生のものよりも就職を強く意識したインターンシップで、3日~20日程度の期間行うもの。
 しごと密着体験は、高校生から小学生までの生徒・児童が対象。子どもたちが地域の企業などで働く人に半日ほど密着し、「仕事に対する姿勢」や「職場の様子」などを観察することで、働くことについて深く考えるという活動です。
 仕事そのものを体験よりも、働く人を間近で観察することや仕事に対する思いを直接聞くことで、将来の夢や進路について子どもたち自身で考えるきっかけとしてもらうことを狙いとしているもので、わしはこれ、非常にユニークで有意義なものだと思います。


 世間でよく言われていますし、わしも実際そう思うことがままあるのですが、大学生にしろ高校生にしろ、まずは自分より年上の世代とのコミュニケーションがうまくありません。
 おそらく、周りで関わっている「大人」は、自分の両親とかおじいさん・おばあさん、あとはせいぜい学校や塾の先生くらいなのだろうと容易に想像できるほどです。要するに年上の人間と話したり、説明したりする機会が絶対的に不足しているのです。

 この状態で、自分が大人になった時、どんな仕事に就きたいとかを考えることは並大抵のことではありません。ほとんど空想に近いような、まるで現実と離れた抽象的なイメージしか持てないでしょう。
 言うまでもなく、職業に就けば、職場では自分が最も若く、周りは上司や先輩しかいません。お客や取引先もほとんどは年上でしょうし、これらのステークホルダーは重層的に自分を取り巻く形になるので、コミュニケーション力や相手への想像力の不足は、すぐに日々の業務を行き詰らせてしまうからです。

 このような問題が顕在化してきたのはもう何十年も前で、そのため学校でも、職業体験やインターンシップがカリキュラムに広く導入されています。しかし、学校行事の中の一つなので対応はマスで画一的で、ある種のきっかけにはなるでしょうが、自分の職業観が確立するほどまでは面倒が見きれないのが現実かと思います。

 それでは事態は動かないので、ここで活躍が期待されるのが、NPOのような、家庭、学校、企業のいずれとも等間隔な組織による活動です。
 家庭や学校の理解と協力を得て、意欲のある生徒児童を発掘し、それを人材育成に関心を持つ受け入れ企業(企業以外に、組織や団体も)に橋渡しする。
 さらに、インターンや密着体験をしている中で子供たちにより良いやり方をアドバイスしたり、子供たちが抱く疑問や不安に対応する。
 このようなコーディネートターの役割は、現状では学校にも企業にも、もっと言えば役所にもなかなかいません。教師や人事担当社員の副業にしては専門的すぎるし、かといって、コーディネーターを職業にするほどの需要も(今のところは残念ながら)ないからです。

 この三重チャレも三重県教育委員会がスポンサーとなった委託事業ですが、誰が受け手(事業の受託先)となるかは、能力や態勢の問題など、それなりに難しい問題だったのではなかったでしょうか。
 NPO法人アトリオは、ベンチャーのような起業支援を行っていたのが始まりで、経済活動を支援するNPO法人としては、三重県内でも先駆的な組織でした。そのノウハウを生かして取り組んでいる三重チャレは、ホームページで見る限り、それなりに効果を生んでいるようです。
 
 第1回キャリア教育フォーラムin三重では、しごと密着体験と高校生インターンシップの体験報告会があり、生徒児童の生の声が聞けるようです。これは、おそらく、家庭、学校、企業(社会)のどのセクターにとっても貴重な機会ではないかと思います。
 また、キャリア教育に関するパネルディスカッションもあり、一般財団法人アスバシ教育基金の毛受芳高代表理事なども登壇されるようです。

 三重県の教育は、最近はともすると「全国学力テスト」の低位問題に話題が偏りがちですが、何のために教育するのかという原点に立ち返る時、職業体験のようなキャリア教育も大きな問題であることは明白です。子供たちの将来、つまり、三重県の、日本の将来に関心がある方は広く参加されてはどうでしょうか。

■NPO法人アトリオ 教育CSR情報サイト  http://kyoiku-csr.com/

0 件のコメント: