2014年11月19日水曜日

増税の影響は一律ではない、これ大事なこと

 衆議院の解散が決まり、12月の総選挙実施が確定しました。
 これにまつわる論点の一つが、予想外に振るわない日本の景況の原因が、今年4月の消費増税にあるかどうかということです。
 言い換えれば、夏以降の消費低迷は消費税増税による駆け込み需要の反動減が続いているだけなのか?、それとも消費税は直接関係なく、他の要因も複合して景気が悪いのか?、どっちなのか??、ということです。
 もし前者であれば様子を見守っておればおのずと需要は回復し、来年10月の消費税再増税も不可能ではありません。
 一方、それ以外の要因で落ち込んでいるのなら、再増税はもちろん中止して、さらに追加の「景気対策」を打たなくてはならないということになります。

 この議論をするうえで、興味深い資料が三重県庁から提供されています。
 8月に三重県戦略企画部統計課がホームページにアップした「消費税増税の家計消費支出への影響について」という資料です。

三重県ホームページより


 総務省が行っている家計調査の結果を加工・カスタマイズしたもので、平成元年の消費税の導入時と、平成9年の3%から5%への増税時、そして今回の増税による、「駆け込み需要」と「その反動減」を比較しています。

 興味深いのは、この報告の中の「品目別に見た消費税増税前後の支出の動き」というものです。
 電気代、野菜、肉、果物、寝具、理美容サービス、医薬品、下着、などなど約90品目にわたり、どれほどの駆け込み需要増と、反動減があったかについて、それぞれの品目一つ一つについて比較したものです。

 くわしくはこちら(PDF)をご覧いただきたいのですが、
・1~3月に支出額が大きく増加したのは、「設備材料(住居)」、「家事用耐久財」、「電気代」等
・4~6月に大きく減少したのは、「こづかい」、「設備材料(住居)」、「他の諸雑費」(神仏具、墓石、保育所)等。
・「設備材料(住居)」、「他の諸雑費」、「理美容用品」は、駆け込み増と反動減がほぼ同じ。
・期間を通じて、「電気代」、「工事その他サービス(住居)」、「自動車等購入」等は増加し、「こづかい」、「贈与金」、「他の交際費」等は減少する等、増税により、同一品目の駈け込み増と反動減以上に、支出する品目に変化が見られる。
 などの分析があります。
 増税にも強い品目があったことと、増税前から~増税を口実に~家計の中で削減が進んでいる品目があったことは注目されます。

 また、これはすべての品目まとめての数値とはなりますが、47都道府県の県庁所在地市別に、どれくらいの駈け込み増と反動減があったかも比較しています。
 非常に面白いのは、駈け込み増と反動減は全国で同じような動きをしたのでなく、駆け込み増があり、4月の増税以降も反動減がほとんどないか、むしろ4月以降の消費も伸びている地域(甲府市、長野市、高知市など)があったり、一方で、4月以降の反動減が非常に深刻な地域(長崎市、佐賀市など)もあります。
 さらに驚くべきことに、増税前に需要(消費)が落ち込んでしまい、増税後なると逆に需要が増加しているという、常識的には真逆の地域(札幌市、前橋市など)もあることがわかります。

 これらの消費行動には地域性はもちろん、気候なども影響していると思いますが、これを見ても「全国を一律に同一視した原因分析」がいかに不正確であり、したがって「全国一律の景気対策」がいかに無価値なものかがわかるような気がします。

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