2014年12月14日日曜日

JR伊勢市駅前にホテル「三交イン」が進出へ

 三重県内を中心にバス事業や不動産事業を展開している三重交通株式会社は12月11日、グループ会社である株式会社三交インが、JR伊勢市駅前においてホテルと商業施設が入居する12階建てのビルを新たに建設すると発表しました。

 敷地面積は約980㎡、延べ床面積は約3200㎡で、1階部分は店舗、2階から上はビジネスホテルである「三交イン伊勢市駅前(仮称)」とするとのこと。工事は来年10月から着工し、平成28 年11月に竣工、12月から営業を開始する予定だそうです。

 建設予定地はJR伊勢市駅の北西部に道路を挟んで隣接する土地で、現在は時間貸し駐車場になっていますが、平成25年3月までは三交百貨店(店舗は平成13年に閉店)の建物があった場所です。

 わしのように、今から30~40年前、昭和終盤の伊勢市駅前の賑やかさと華やかさを記憶している者にとっては、現在の空き地同様の駅前はいかにも物寂しい光景なので、この進出によって駅前が新しく生まれ変わるのを大いに期待したいと思います。

■三重交通(株)ニュースリリース 伊勢市駅前に「三交イン」建設 (PDF)

 この写真が、現在の旧三交百貨店跡地の様子です。


 伊勢市駅から近い伊勢神宮・外宮(げくう)は伊勢の中心市街地に当たるため慢性的に駐車場が不足しており、式年遷宮があった昨年は、土・日・休日には交通渋滞もよく見られました。
 その意味では、外宮まで徒歩10分程度のこの場所を駐車場にしていることには一定の経済合理性があるとは言えます。

 しかし、核テナントであった三交百貨店が閉店して以来、百貨店を取り巻くように集積していた近隣の商店街は急速に寂れていきました。


 今は見たところほとんどが空きビルと空き店舗で、営業しているお店は伊勢うどんの老舗として有名な山口屋など、数えるほどしかありません。

 三交インの建設は、国(国交省)などによる支援制度である「優良建築物等整備事業」を活用して進められるそうです。
 優良建築物等整備事業とは、市街地環境の向上と良質な市街地住宅の確保を推進していくため、民間企業等が国の制度要綱に基づいて、一定の空地確保、土地の共同化、高度化等に寄与する優良な建築事業や再開発事業を行う場合、国や市が整備助成を行うという制度です。
 公益社団法人全国市街地再開発協会のホームページによると、この優良建築物等整備事業には優良再開発型、市街地住宅供給型など6つのタイプがあります。三重交通の発表を見る限り、マンションなどの住居は建設しないようなので、複数の地権者による敷地の共同化(共同化タイプ)か、建築協定などによる建物整備(市街地環境形成タイプ)なのかもしれません。いずれにせよ、事業者に対しては、調査設計費や土地整備費(除却・整地費、補償費等)、共同施設整備費(空地、供給処理施設、共同施設等の整備費)に対して2/3の公的な助成が行われます。

 非常に有利な制度ですが、心配なのは、全国各地で実施されている市街地再開発事業が、必ずしもまちの活性化には貢献しておらず、結局空きテナント化したり、地域コミュニティの再生に行き詰っている例も散見されることです。
 旧三交百貨店跡地も、まだ百貨店が営業しているころに街路事業が実施されており、道路の環境はすでによくなっています。さらに、空き家が更地にされて駐車場に転用されている区画も多く点在しており、今さら公共空地を整備する必要性もありません。

 なので頼みの綱は、外宮の参詣客・観光客を対象にしたビジネスの成功ということになります。もちろん、伊勢市が宗教都市、観光都市である以上、そのニーズは基本的に変わらないので、これをターゲットのするのは当然のことです。


 しかし、わしが見るところ、伊勢もいわゆる「遷宮効果」が落ち着いてきたのは明らかで、昨年の今ごろの時期、すなわち遷宮直後の10月~12月に比べて、伊勢市駅前から外宮までの商店街の人出は、(感覚的にですが)半分以下になったような気がします。
 また、内宮前のおはらい町と外宮の賑わいの差も歴然としており、これまた感覚的にですが、外宮前は内宮に比べて1/3~1/5くらいの人出しかありません。
 もちろん、商業者や市民団体も外宮前の活性化には積極的に取り組んでいるので、この効果も効いてはいるのでしょうが、次回の遷宮を見据えた長期的な取り組みが必要なのは間違いないでしょう。

<追記>
 平成28年4月5日時点の建設状況をアップしました。

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