2014年12月16日火曜日

山中光茂松阪市長が辞職へ

 松阪市の山中光茂市長(38)が、自らが進めている市立図書館改革に関する予算案が市議会に再否決された責任を取るとして、市長を辞職することを表明しました。

 山中市長は、老朽化している市立図書館の改修工事を、民間企業等の資金を使って行ういわゆるPFI方式で行う内容の補正予算案を9月市議会に提出していました。しかし市議会議員には慎重論が多く、9月議会では否決。山中市長は11月市議会に再提案しましたが、本日開かれた本会議で再び否決されました。

 採決後、山中市長は記者会見を行い、
・図書館改革が5年以上遅れることが決定的になった。議会解散ができないなら、自分が辞めて市民への責任を示すしかない(朝日新聞記事より)
・議会の無責任な態度を含め、誰かが責任を取らなければならない。これ以上、首長(市長)を務める事はできない(毎日新聞記事より)
 等と述べ、平成27年度当初予算編成と、来年の2月市議会が終了した後、出直し市長選が4月26日の統一地方選(後半戦)に重なる時期を見計らって辞職すると明らかにしたとのことです。
 なお、この出直し市長選へ自らが再立候補するかについては「検討中」(朝日新聞記事より)、「まったくの白紙」(毎日新聞記事より)ともコメントしました。

 山中市長は平成21年1月の市長選において、三重県議会議員から転身し、初当選しました。この当時は33歳で、全国最年少首長として注目を浴びました。平成25年には再選され現在2期目であり、まだ任期を2年余り残していることになります。

 山中市長は、医師の資格を持ち、アフリカで医療活動に従事するなどユニークな経歴を持つ政治家です。その政治信念は強固で、わしも山中市長の著書である「巻き込み型リーダーの改革」(日経BP社)は非常に興味深く、共感を持って読みました。(詳しくはこちらを)
 また、今年7月に安倍内閣が行った集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法に違反するとして国を提訴すると発表するなど、時には直情径行とさえ思える行動派の首長として全国的に有名です。(詳しくはこちらを)

 わしは必ずしも全面的に山中市長の政治姿勢に賛同するものではありません。しかし、残念ながら一部の首長には、政治家としての確固とした理念や信条がなく、ただ単に地域経済を活性化するとか、住民幸福度をアップするとかいった、曖昧で「実利的な」政策しか打ち出せない小粒な政治家がいることは事実です。これらに比べ、良くも悪くも個性が強くリーダーシップがある、ひと言で言えば「熱い政治家」としての山中氏には、一目置かざるを得ないと思っています。
 市長辞職は政治的な賭けであり、もちろん山中氏自身はある種の勝算があっての行動なのでしょうが、うがった見方をすれば、すでに桑名市立図書館をはじめ全国で実績があり成功を収めている事例が多いPFIについて、今さらだらだらと審議を延ばして判断を先送りする市議会に ~もっと言えば、そのような市議会議員を選出している市民に~ 解決のボールを投げ返す、「捨て身」の意図もあるのかもしれません。松阪市の有権者には重い決断が求められることになります。

 一部の報道では、同じく来年4月に予定されている三重県知事選挙への鞍替え出馬は考えていないと語ったそうです。しかし、わしは、ぜひ知事選出馬も前向きに考えていただき、松阪市では実現できないような大胆な政治改革と組織改革を、ぜひ三重県政で実現して欲しいと思ったりもします。

<平成27年8月18日追記>
 山中市長は平成27年8月13日、松阪市議会に辞表を提出し、受理されました。
 詳細はこちらをお読みください。

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