2015年1月20日火曜日

熊野尾鷲道路の未開通区間が着工へ

紀勢国道事務所HPより
 三重県尾鷲市と熊野市を結ぶ国道42号のバイパス「熊野尾鷲道路」の未整備区間(尾鷲北IC~尾鷲南IC)を整備する熊野尾鷲道路二期事業の起工式が、1月17日、尾鷲市内で挙行されたことを各紙が報じています。

 熊野尾鷲道路は平成25年9月、尾鷲南ICから熊野大泊ICまでの19kmの区間が全通しています。
 これ以前の国道42号は、矢ノ川峠など急峻な峠道が多く、所要時間も40分程度必要でした。
 しかし熊野尾鷲道路の開通によって所要時間は半分の20分ほどになり、まさに交通革命と呼べるほど劇的に利便性が向上しています。

 ただ、高速道路(紀勢自動車道)の終点である尾鷲北ICは、尾鷲南ICと5kmほど離れているため、現在、この区間はいったん国道42号へ下りて尾鷲市内を走り、再び南ICから熊野尾鷲道路に乗る、という変則的な運用になっており、この間の早期着工が待たれていました。


 工事を行う国土交通省紀勢国道事務所のホームページによると、二期事業の区間は尾鷲市街を迂回して北部の山間地に作られるため、5.4kmの間に4つのトンネルが設けられます。
 朝日新聞によると総事業費は260億円とのことなので、道路1mあたりの建設費はなんと480万円という、超高コスト道路となります。
 この区間に限らず、熊野尾鷲道路(そして紀勢自動車道も)の多くは山間部をトンネルと橋梁で貫く工法によって整備されているため、建設にかかるイニシャルコストもさることながら、維持管理や保守点検などのランニングコストも将来にわたって膨大にかかることが確実です。

 紀勢国道事務所も言うように、熊野尾鷲道路はまもなくやって来る南海トラフ巨大地震に備えた、広域的防災ネットワークの一環として、地域住民の命を守る重要な役割を担っています。
 また、先日同事務所が公表した資料によれば、一連の高規格道路整備によって東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)では交通需要の増加や物流コストの低減など、安全・物流・経済などの各方面で整備効果が生まれているとのことなので、二期整備によりさらに実が挙がることが期待されます。(リンクはこちら

 同時に、一気通貫に東紀州地域が通過できることになってしまうため ~名古屋市中心部から熊野市までが3時間足らずで結ばれることになるそうです~、東紀州地域が、熊野三山や勝浦温泉、白浜温泉といった和歌山県の観光名所に向かうための、単なる通過点になってしまう危険性は高まります。

 一部では、高速道路とタイアップしてサービスエリア的な物販施設を整備する計画などもあるようで、高速道路、熊野尾鷲道路を走るマイカー、バスのお客をどう地元に誘導するかの競争がますます激化しそうです。

 なかなか新聞などは報道しませんし、当然ながら国道事務所もこんなことは言いませんが、これは交通革命の光と影ともいうべき避けて通れない話です。東紀州が敗者になるわけにはいきません。しかし、ストロー現象も含めた多面的な地域戦略を練っておくべきであることは間違いないでしょう。

■国土交通省紀勢国道事務所  国道42号 熊野尾鷲道路(Ⅱ期)起工式のお知らせ

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ストロー現象は、今でも明らかですね。