2015年1月7日水曜日

流行に乗り、「地方は活性化するか否か」を通読してみた

 今、地域活性化業界の間で話題沸騰の、Web4コマ漫画「地方は活性化するか否か」を、現時点でリリースされている70話まで通読しました。
 秋田県に在住している、こばやしたけし さんという漫画家の作品で、みのり市という人口30万人の地方都市に住む女子高校生たちが、漠然と考え始めている卒業後の進路のことや、東京から転校生がやってきたことなんかをきっかけに、「地方活性化」について考えていく、という内容のものです。


 テーマは固いのですが、キャラクターやストーリー展開は緩いので、ざっと1時間もあれば読めてしまいます。
 もっとも、こばやしさんはこの連載を1年以上続けているので、その創作エネルギーをいともたやすく(しかも無料で)読めてしまう現代のネット社会は、底知れない可能性と恐ろしさを秘めているとも実感します。



 人口30万人の都市とはどれくらいの規模かといえば、wikipediaによると、四日市市(306,191人。推計人口)、春日井市(308,356人)、久留米市(302,773人)あたりのクラスになります。さらに、青森市、盛岡市、福島市などが30万人前後ですが、これらは県庁所在地なので、平均的地方都市だという「みのり市」のイメ―ジとはちょっと違うかもしれません。
 しかし、いずれにしても地方都市にとっての基幹産業であった農林水産業や、建設業、大量生産型の製造業がグローバル経済の進展などによって不振となっている中、ほとんどの地域では産業構造の転換がうまくすすんでおらず、大多数の若者にとって、都会(特に東京)への憧れ、アパレルやICTといった華やかそうな仕事への憧れはとどめがたいものがあり、現実に多くの若者は高校卒業を期に故郷である地方都市を離れていくことになります。

 では、なぜ地方は衰退したままなのか。
 政府はこれまでにも超巨額の予算を投じて高速道路や新幹線を建設し、工業団地を造成し、中小企業に向けた支援を行い、地方自治体にも各省庁が様々な補助金や交付金を出して、地方の活性化を行ってきました。一言で言えば、なぜそれがうまくいっていないのか、という問題です。

 当然ではありますが、このマンガにその答えはありません。それを示すことが創作の目的でもないはずです。
 ただ、ヒントというか、地方に住んでいて、地方活性化、まちおこし、地域振興、表現は様々ですがこれらの業務に関わったことがある者なら、ほぼ誰もが感じたであろう気づきとか、矛盾とか、やはり故郷は美しいと思い直したこととか、そのような機微がキャラクターを通じて描かれていることは、大変おもしろく感じます。ぜひ心ある方々に(というか、そんなに固い内容ではないのですが)読んでもらいたいと思います。

 いろいろ印象的なセリフは多くて、

 地域活性化とは金を得ること。(つまり、経済をよくすること。)

 とか、

 (いわゆる活性化策を)やりっぱなしの行政と頼りっぱなしの民間

 とかは的を射ていると思います。

 ここからははんわしの私見ですが、公務員、特に地方公務員とか、コンサルタント、NPOなどの一部は、完全に「地域振興」が食い扶持になっており、地域活性化のために国がいろいろと(ほとんどは地方の実情を知らず、省益のために)予算化してくる事業をうまくキャッチして、それをソツなくこなすことを職業にしています。
 21世紀は異常な時代だとよく言われますが、「地方活性化業界」がこれほど肥大化している時代は日本の歴史始まって以来のことではないかと思います。

 以前のブログにも書きましたが、地方公務員の業界では、上手にこの「国の予算」をおらが自治体に引っ張って来ることが能力の一つのモノサシとなっているので、多くの場合がサンセット方式である国の事業が終わるころには、また次の食い扶持(国の活性化事業)を獲得にかかる行動を繰り返しており、住民と協同した、地味で息の長い、10年先20年先を見据えた活性化事業などほとんど取り組めないのが現状です。

 わしにとっては、そのへんの地方自治体(この場合はみのり市役所になるのかしらん?)の絡み方がどうなるのか、興味深いところではあります。

■Web4コマ 地方は活性化するか否か  http://minorikou.blog.jp/

 

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