2015年2月1日日曜日

県内唯一のモスク?「三重マスジド」に行ってみた

 国際テロ組織「イスラム国」による邦人誘拐事件が連日報じられています。ヨルダン政府も巻きこんだ複雑な交渉になってきましたが、ここ数日間は膠着しているとのことで、予断を許さない状況は続きそうです。
 一般的な日本国民は、グローバル化が進むなかで、日本にも多くのイスラム教徒が住んでいること、そしてそれらの大多数は(当然ですが)ごく普通の市民であり家庭人であって、過激派が主張する宗教的な解釈にはまったく同意していないこと、を理解していると思います。
 しかし、実際問題としてまだ国内のイスラム教はごく少数派であり、特に三重県のような場所では、イスラム教徒が実際にお祈りしている姿を見かける機会はほとんどないといって良いでしょう。
 卑近な例では、停滞する日本経済、なかんずく景気回復の恩恵が十分に行き届いていないと言われる地方(=中山間地域など特に産業構造がぜい弱な地域)では、地場産業である食品製造業や観光業などの新しい販路開拓先として、イスラム諸国をターゲットに働きかけていこうという動きが活発になっています。そのために、イスラム教の食の戒律とも言える「ハラル」を勉強し、これを厳守することでイスラム圏のお客さんに安心して買ったり使ったりしてもらおうという意識も、関係者の間ではかなり浸透してきたといって良いでしょう。
 何を隠そう、このわしも、イスラム教徒の知り合いはいないし、本を読んだこともないし、モスクに行ったこともありません。きっかけとしてはやや不本意な気はしますが、一度身近にあるモスクを見に行っておくべきでないか ~場合によってはイスラム教徒たちとお話しでもできないか~ と思い立ち、ネットで調べて三重県内で唯一見つかった、津市にある 三重マスジド に行ってみることにしました。


 三重マスジドは、三重大学のキャンパスに近い、住宅地のやや外れにポツンと建っています。
 どうも、昔は倉庫か工場だったようで、それを転用した施設のようです。地図を頼りにとぼとぼ歩いて、やっとたどり着くことができました。
 三重イスラム文化センターという大きな看板が出ています。上段に書かれているアラビア語は「アッラーのほかに神なし ムハンマドはアッラーの使徒なり」という、最も重要かつ根源的なキーワードだそうです。
 あまり人の気配がないので、勝手に奥に入っていくと、クルマが何台か停まっていました。

 奥にあるこの建物が「マスジド」です。礼拝する場所、いわゆる「モスク」ですが、正式にはマスジドと呼ぶのが正しいそうです。

 おそるおそるドアをノックして中をのぞいてみたら、若い男性(おそらく西アジア系の方)がスマホでメールを打っていました。
 何のご用ですか?と、ちょっとたどたどしい日本語で、しかし優しい笑顔を浮かべて聞いてくれたので、かくかくしかじか、何か素人がイスラム教のことを勉強できる本はないですか、と尋ねてみました。
 すると、「ああ、あります。カンジの本ですね、ありますよ、いっぱいあります!」と、中に入れと勧めてくれたので、おそるおそる入室。

 もう一人の別のおじさんは、寒いのに腕まくりして水道で熱心に腕を洗っています。よく見ると玄関の前はこのような洗い場みたいなのが何カ所もあって、入室するには清めみたいな行為をするべきなのが本当なのかもしれません。

 で、その最初のお兄さんが、奥の方からやや年輩の男性を連れてきてくれました。この方は眼光が鋭く、わしのことを不審そうに見ています。(それも当然だと思いますが。)

 そこで、片言の英語でいろいろ説明し、イスラム教に関心があるので初めてやって来た。もし初心者が学べる本があったら教えてくれ。というようなことを伝えたところ、ああ、そうか、それなら、と言う感じで奥の本棚から出してきてくれたのが、この二冊。
 平成17年、京都市内にイスラーム文化センターというものができたそうで、イスラム世界と日本の相互理解を進めるために、「イスラーム 世界宗教の教えとその文明」という冊子(写真左側)と、「イスラームという生き方 その50の魅力」(右側)を刊行したとのことです。

 ただ、わしがこれをいただいた時は、ちょうど礼拝の時間帯で、奥の礼拝室にはもっと何人かいるようでお取込みみたいでした。
 じゃあ、これ読ませてもらいます、ありがとう、という感じでそそくさ帰ろうとすると、「あなたはどこから来たんだ、津か。」と英語で聞かれたので、「いえ、伊勢から来ました。」と片言の英語で答えると、いつの間にか近くにいた小学生くらいの子供(この子どもたちも西アジアっぽいエキゾチックな顔立ちでした)たちが、「えっ、伊勢? めちゃ遠いやん。」と三重弁で驚いてくれました。
 この少年たちは、学校は日本語で勉強しているのでしょうか。すぐに奥に戻ってしまったのでこれ以上話せませんでしたが。
 とにかく、三重マスジドの皆さん、突然訪ねて行ったわしに親切に対応していただいてありがとうございました。
 で、「イムラーム」のほうは帰りの電車内で読破し、「イスラームという生き方」を今読んでいます。こっちはやや突っ込んだ内容なのでちょっと時間がかかりそうです。
 ちなみに、経典をコーランというのも正しくなく、「聖クルアーン」と呼ぶのが正しいそうです。いつのまにか日本的に訛った読み方が広まってしまったようです。(「モスク」も同じ。)

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