2015年2月10日火曜日

過疎地域での貨客混載を国交省が解禁へ

国交省ホームページより
 国土交通省は、「豊かな未来社会に向けた自動車行政の新たな展開に関する小委員会」が、自動車運送が果たすべき将来的な役割などについて検討してきた「中間整理」の内容を、先日発表しました。
 この長い名前の小委員会は、国交省の交通政策審議会 陸上交通分科会 自動車部会に昨年設置されたものです。

 急激な人口減少と少子高齢化、国民の価値観やライフスタイルの多様化、技術革新の加速化など、自動車を巡る社会経済情勢は大きく変化しており、国交省による自動車行政の役割も多様化・高度化しています。
 また、最近は、自動車運送事業等における将来的な労働力不足や、若者の自動車離れ、国際競争の激化など、新たな課題も生じています。
 このため、小委員会では、地方再生に向けて自動車が果たすべき役割や、国際競争力の強化の取り組みなとについて検討が進められてきました。

 地方再生に向けた施策の中では、過疎地域において住民生活を支える持続可能な交通ネットワークを確保するため、貨物と旅客の輸送を同時に行う、いわゆる「貨客混載」を広く認めることによって効率的な輸送を拡大することなどが提言されています。


 トラックの荷台に人を乗せて公道を走ると、原則として道路交通法違反になりますが、貨客混載とはそういう意味ではなく、バス業者やトラック業者を規制している道路運送法などの例外措置のことです。


 道路運送法や貨物自動車運送事業法などの現行制度は、貨物を運ぶトラックと、人を乗せるタクシーやバスは明確に役割が分けられています。
 貨客混載については、道路運送法第82条により、バスが少量の郵便物や新聞を運ぶ場合が認められているほか、過疎地などで実施されている「自家用有償旅客運送」において、旅客の運送に付随して少量の貨物を運送することが認められています(地域公共交通活性化・再生法 第27条の6)。
 しかし、これ以外は原則禁止されているので、たとえば地域内で配送を行っている宅配分のトラックに旅客が乗車することや、タクシーが荷物を運送することは認められていません。せっかくトラックやタクシーは走っているのに、法規制のため、旅客や貨物を柔軟に運送することができないのです。このことは、路線バスの撤退など公共交通の維持が難しい地域では、せっかくのリソースを無駄遣いしているとも考えられます。このため、この小委員会においてもトラックによる旅客輸送や、タクシーによる貨物だけの輸送の解禁を求める声が上がっていました。
 
 今回の中間整理では、貨客混載について、一定要件の過疎地域では「安全性について配慮しつつ、タクシーによる有償貨物運送やトラックによる有償旅客運送を可能とすることが適当」としました。今後、貨客混載を認めるエリア、安全性を確保する方策などの課題を検討していくべきと結論付けています。

 有償の運送サービスである以上、事故がないように安全を配慮することが最優先されるべきとは思いますが、地域の実情にあった柔軟な措置は、ぜひとも実現してほしいと思います。
 今後、すくなくともこの10年間くらいは、高齢ドライバーによる人身事故が頻発すると思います。過疎地では自動車がないと生活できず、高齢者こそ通院や買い物にクルマが必要で、多少身心に失調があっても免許を手放すことはできないのです。これは一種の社会不安なので、行政が取り組むべき課題であることに間違いはないからです。

0 件のコメント: