2015年2月23日月曜日

遠隔農場・テレファームってなに?

 伊勢市産業支援センターの渡辺インキュベーションマネージャーから教えられ、まったく新しい農業ビジネスである 遠隔農場テレファーム のことを知りました。
 愛媛県松山市に本社がある株式会社テレファームが行っている事業で、一言で表すと「有機野菜の契約栽培」ということになりますが、テレファームのお客さんである消費者が、自宅のパソコンや携帯からインターネットを経由して「農作物育成シミュレーション」を使い、農薬や化学肥料を一切使用しない有機栽培野菜の遠隔栽培を行うというシステムです。
 インターネット上の農作物遠隔栽培WEBシステムは、愛媛県にある現実の農場と連動しており、お客さんがWEB上で指示 ~たとえば、これから栽培する作物の選択、栽培方法、使用資材などを指示~ したとおりに、実際の農場で栽培し、そこで収穫された有機栽培野菜がお客さんの自宅に届けられるという農業サービスなのです。




 テレファームのホームページによると、社長の遠藤さんが遠隔農場テレファームを起業した理由は次のようなものです。

 
・私(遠藤社長)は、以前、健康診断に関わる仕事をしており、 山間部や離島などの過疎地域を健診に回る中で、高齢者の生活の実状をつぶさに見てきた。
・たとえばある集落は、一番近い小さな診療所まで車で20分近くかかる。月数万円の年金でやりくりしているのでタクシーも呼べない。車のない高齢者は少々身体の具合が悪くても、頭が痛くても我慢するしかない。
・こういった中山間地の高齢者たちは、ご先祖から受け継いだ大切な家と農地を持っているばかりに、それが心配で施設に入ろうとしない。しかし今は一生懸命頑張っていたとしても、間違いなくあと10年もすれば、その農地を管理できなくなることは容易に想像できる。
・この過疎に取り残されたお年寄りの現状を何とかできないものか・・・。

 そして、遠藤社長は行動に移します。平成17年に農業支援を行う会社としてテレファームを立ち上げました。仲間たち5人で耕作放棄地を開墾し、有機、無農薬野菜の栽培に挑戦したのです。
 農業の素人だったゆえ大変苦労されたようですが、農業をする中で、いくつかのヒントに気づきました。重労働の割に収入が少ない、小規模な農家が多く流通面で不利となる、収穫が天候に左右される、などなど。
 そしてその結果、「農業の本来の収益形態で ある 農作物を売って、お金を得るという形態を止めてしまった方が良い」という驚くべき結論に至ります。

 ではどうすればいいのか。
 くわしくは同社のホームページをご覧いただきたいのですが、その解決策としてCSA、つまり消費者と農家が相互に支え合う「地域支援型農業」の実現に取り組んだのです。
 「消費者は新鮮で出所のはっきりした安全な農作物を受ける代わりに、その農地、農家をしっかり支援する。そして、天候不順による不作などのリスクも共有する。」という考え方で、その具体的なビジネス化が、先に述べた、お客さんが自らお金を払って畑を借り、苗や肥料を購入したうえでネットによる栽培シミュレーションを行い、栽培そして収穫までの過程がつぶさにわかる、遠隔農場という仕組みです。
 わしが興味深く思うのは、条件不利地の農業を再生するため、消費者もリスクを負うべきだという哲学です。これは確かに一理あって、天候条件などで不作になったりすることも承知の上、リアルな農業ゲームに参入させることは、今までの凡百の農業再生策にはなかった視点だと思います。

 さて、渡辺インキュベーションマネージャーによると、そのテレファームが現在「荒れた耕作放棄地を開墾し、田舎を元気にしたいプロジェクト」なる新しい企画に着手しており、クラウドファンディングの READYFOR で支援を呼びかけているそうです。
 こちらにリンクを張っておきますので、もしテレファームの考え方や実践に共鳴される方は、出資を検討されてはいかがでしょうか。もし成功したなら、何年後かに有機農産物と、そして日本で初めての画期的な地域農業再生策への理解者・支援者としての名誉が得られるでしょう。

■遠隔農場テレファーム  http://www.telefarm.net/

<関連記事>日本経済新聞(平成27年2月3日付け) リンクはこちら
  

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

6月23日のプレスリリースによれば、楽天株式会社が出資しました。
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2016/0623_01.html
ますます拍車がかかっていくことでしょう。