2015年2月24日火曜日

飛鳥たかな組合長が特産品マイスターに

 毎日.JPによると、熊野地域の特産品である高菜(たかな)漬けを仕込む 飛鳥たかな生産組合 (熊野市飛鳥町)の中田早姫美(さきみ)組合長がこのほど、東京にある公益財団法人 日本特産農産物協会から「地域特産物マイスター」に認定されたとのことです。(2月23日付け リンクはこちら

 地域特産物マイスターとは、地域特産物の栽培、加工等の分野で多年の経験と卓越した技術能力を有し、産地育成の指導者ともなる人材を認定・登録するもので、平成12年度から続いている制度です。
 地域特産物マイスターが技術の伝承と開発、相互交流等を進めることによって、地域特産物やその産地の育成に役立てようとする趣旨であり、これまでに約200人が認定され、今年度は全国の14人が認定を受けました。

 紀伊半島南部の三重、和歌山両県にまたがる熊野地方の住民にとっては常識ですが、この高菜漬けは郷土料理である「めはり寿司」を作るための必須アイテムで、昔は農家ならどこでも高菜を栽培しており、一般家庭でも自家製の高菜漬けを作って食べていたとのことです。現代では業者が製品として製造した高菜漬けが主流にはなっているようですが、中田組合長の所属する飛鳥たかな生産組合は、平成11年に飛鳥町の住民が中心となって設立し、以来、低農薬の高菜の栽培と化学調味料を使わない塩漬け製法による高菜漬けを製造販売しています。


 日本特産農産物協会のホームページには、認定マイスター各位の紹介ページがありますが、中田組合長の欄を見てみると、以下のように「技術の内容と活動状況」が書かれています。

・たかな漬は、熊野地方の地域食である「めはり寿し」に使用。たかなは、「みえの伝統野菜」に選定され、ぴりっとした辛さが特徴の品種「赤大葉たかな」で9月に播種し、11月から4月にかけて収穫。寿し用には、葉を1枚(幅15㎝以上長さ28㎝)ごと収穫。
・葉は1枚1枚を水で手洗いして、添加物を一切使用せずに塩だけで漬け込み素材本来の味を出している。
・加工工程では、水洗し汚れをとった後、大型プールに均等に並べ重量の8%の並塩を均等に振りかけ、檜の赤身板を渡し、重石をのせ行う。中1日漬け置きして3日目に揉む作業を行い。仕上げの本塩0.5%を均等に振りかけ二度漬けを行う。
・地域振興を目的にした「熊野たかな振興会」の副会長として、また、傘下の「飛鳥たかな生産組合」の組合長として、たかな栽培から漬け物加工、「めはり寿し」つくりまで全般にわたり指導。認知度向上のためイベント会場での試食実演にも取り組む。

 わしも以前、飛鳥たかな生産組合で高菜の漬け込み作業を見学させてもらったことがありますが、高菜は意外に大きな葉っぱで扱いにくく、冷水で洗浄したり、桶に漬けこんだりするのはほどんど手作業なので、なかなか大変な労働だなあ、と感心した記憶があります。
 また、熊野古道が世界遺産ブームで、県内各地で熊野の物産展が開催されていたころ、あらゆ物産展に出展され、いつもお顔を拝見していて、精力的に営業活動されているなあ、と思ったこともたびたびです。
 飛鳥たかな生産組合の高菜漬けには、普通の漬け物として食べる用に刻んである「きざみ」タイプと、めはり寿司用の葉っぱ一枚がそのまま漬け物になっている「めはり」タイプがあります。
 自宅で炊いたご飯でおかか(かつおぶし)の「おかかご飯」を作り、それを俵型の小さなおにぎりにして「めはり」タイプの高菜漬けの葉でくるむ、という素人的めはり寿司を作ったことが何度かありましたが、信じられないくらい美味しくできるので、これはおすすめです。これも飛鳥たかな生産組合のどなたかに教えてもらったと思います。

 毎日.JPによると、認定された中田組合長は「認定は非常にうれしいが、加工技術は先輩方から引き継いでいるだけ。地域の伝統食を後世まで残したい」と語ったとのことで、謙虚な姿勢には好感が持てますが、ただ、これは大きな課題を示唆しているとも解釈できます。

 これはたかな組合のことではなく、あくまで一般論なので誤解がないようにお読みいただきたいのですが、全国各地で誕生し、今も誕生している、地元の主婦やリタイヤした高齢者が中心となった特産品開発グループの、大きな問題の一つが後継者がいないということです。
 これは、以前このブログで取り上げた、三重県多気町勢和地区の「せいわの里 まめや」の北川さんも言っていたことですが、有志がグループを立ち上げて、しゃにむに10年間活動を続けた。特産品はそこそこ売れるようになったが、気が付くとメンバーの顔ぶれは同じで、みなが10才年をとっただけ。そんな厳しい事態に、多くのグループは直面しています。(はんわしの評論家気取り せいわの里まめや 北川さんの講演(その1)2011年11月19日

 中田組合長のリーダーシップと組合員の皆さんの頑張りには敬意を表します。
 その一方で、このすばらしい高菜のビジネスが、次世代の若い人たちにどのように引き継がれていくのか。そのことにも少し関心をもって見ていこうと思います。

■飛鳥たかな生産組合   http://www.zc.ztv.ne.jp/asukamehari11/index.html

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